■人気観光地のレンタカー事情とは?
旅行に行くとき、旅先でレンタカーを借りることも多いのではないでしょうか。到着した空港や駅で借りることができるレンタカーは、フットワークの良さが魅力です。
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しかし、その土地ならではの交通事情やレンタカーの傾向、注意すべきポイントを知らないと、思いもよらないトラブルに見舞われたりすることがあります。その土地ならではの交通事情や注意したいポイントとは、どのようなものなのでしょうか。
そこで、観光地として人気の北海道、京都、沖縄に加え、大都市である東京を例に、各地のレンタカー事情を紹介します。
●北海道
冬になると、ウインタースポーツをするために北海道へ行く人も多いでしょう。広大な北海道は、観光名所を巡るにしても距離が離れている場合が多く、日が暮れると気温が急に下がりやすいのが特徴です。
そこで、北海道のレンタカーは、寒冷地仕様だったり、コンパクトカーでも4WDモデルだったり、スタッドレスタイヤがすでに装着されていたりします。
「北海道警はレンタカー(わナンバー)ばかりを狙う」というウワサ話を聞きますが、これは半分正解ともいえます。
北海道はとにかく広く、道路も直線が多くて交通量もそこまで多くはありません。美しい景色のなかをクルマで走っていると速度を感じにくくなり、気づかぬうちに速度超過になっていることが多いのです。
そのような観光客が多いため、速度超過の取り締まりの対象になりやすいようです。とくに、空の玄関口である新千歳空港から札幌までの高速道路は、北海道に慣れていないレンタカーがよく取り締まられています。
また、これからの季節は雪が少なくても外気温が-3度を下回ると、路面が濡れているように見えてじつは凍結している「ブラックアイスバーン」が出現しやすくなります。
ブラックアイスバーンはとにかく滑りやすく、衝突事故などが多発する原因ともいわれています。とくに交差点手前などがブラックアイスバーンになっていることが多いため、冬の北海道では慎重な運転を心がけましょう。
●京都
世界的な観光都市として有名な京都。訪日外国人が多く訪れることでも有名ですが、レンタカー利用をおすすめしにくい観光地ともいわれています。それは、有名な観光地は平日でも混雑していて、常に渋滞が発生しているからです。
また、神社仏閣が多い京都は、慢性的な駐車場不足が指摘されています。観光地では駐車場が空くのを待っているクルマが路上に留まり、さらなる渋滞が発生していることが多いです。そのような状況でレンタカーを借りても、駐車場待ちに時間も費やしてしまうことになりかねません。
レンタカーを借りるのであれば、比較的人が少ない観光スポットを巡る際に利用するなどの工夫が必要です。
●沖縄
温暖なリゾートとして、また独自の文化でも注目されている沖縄は、年間を通じて人気の観光地です。沖縄本島はもちろん、離島もクルマがないと移動しづらいため、レンタカーの利用者が非常に多いです。
沖縄でレンタカーを利用するときに気をつけたいのが、沖縄特有の道路事情です。那覇市の中心地以外は自然も豊かで海も美しく、のんびりした空気感が漂っていますが、昔ながらの道も残っており、住宅街などは石垣も多く道幅が狭いため、できるだけ小回りの効くクルマを借りるほうが安心です。
また、ヤンバルクイナをはじめとする沖縄固有の生物が道に飛び出してくるケースも多数報告されているので、注意が必要です。
近年では外国人旅行客が運転することも急増しており、左側通行に慣れていない外国人ドライバーによる事故が増えています。挙動が怪しいレンタカーには十分な車間距離をとることをおすすめします。
なお、10年ほど前には電気自動車の日産「リーフ」のレンタカーを導入し、充電インフラも約20基設置するなど観光と環境を両立させる試みがありましたが、残念ながら現在ではあまり数は増えていないようです。
■レンタカーではコンパクトカー需要が高い?
●東京
東京は経済や政治の中心地でありながら、最近では観光都市としても人気です。歴史的建造物と最新施設が混在した街並みは見所もたくさんあり、国内だけでなく海外からの観光客も増えています。
多くの人が集まることもあり、首都高速をはじめとした主要な高速道路や一般道は、交通量が多い上に流れが速く、構造も複雑であるため、慣れてない人が運転するのは至難の業といえそうです。
また、東京には数多くのレンタカー会社があり、価格競争も激しいため利用料金が安い店舗もありますが、それより問題なのが駐車場の料金の高さです。
人気のエリアなどでは、数時間停めておいただけでレンタカー料金を超えるような高額の駐車料金になることもあります。
このような事情を考えると、とくに運転初心者の人は、都内をレンタカーで移動するのはおすすめできません。
東京は電車や地下鉄、バスなどの公共の交通網が充実しています。タクシーも多いので、必要な場合を除いては、東京観光はレンタカーで移動しないほうが時間とお金の節約になるといえます。
※ ※ ※
全国的な傾向として、旅先で利用されるレンタカーでもっとも多いのは、軽自動車やコンパクトカークラスです。
料金の安さに加え、小回りが利くので土地勘のないエリアで狭い道でも運転しやすく、燃費が良いクルマを利用する人が多いようです。
また、最近はレンタカーの利用料金が、以前と比べ安くなっているようです。これは程度のいい中古車をレンタカーとして活用するようになったことで、初期投資が抑えられ、料金の値下げが実現できたというレンタカー会社の努力の結果といえそうです。
面白いのは、ユーザーからレンタカー会社への要望で多いもののひとつに、「車種を拡充してほしい」という意見があるということです。
実際に借りる頻度が高いのは軽自動車やコンパクトカーでも、ときにはオープンカーやSUV、高級車など、普段乗らないタイプのクルマに乗ってみたいと考えるユーザーもいるようです。
旅先でレンタカーを借りるメリットは、たくさんあります。しかし、注意したいのは、その土地ならではの交通事情や利用マナー、注意点などが違うことです。また、これからの季節は雪の多い地域もあり、慎重な運転が求められます。
また、返却時間ギリギリでの返却は次に利用する人の迷惑になるので、少し余裕を持って返却するのがマナーです。ちょっとした気遣いがあれば、気持ちよくレンタカーを利用できるのではないでしょうか。
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