「富貴三代、方知飲食」これは、中国のことわざで三代続いた孫の世代にならないと本当の味がわからないという意味であり、日産R34型スカイラインGT-Rの発表時に、当時の開発責任者だった渡邉衡三氏が書いた言葉である。
R32型から3世代同じプラットフォームを採用し、熟成をさせたことで、「走りに対して厳しい人にも満足できるクルマに仕上がった」という意味が込められているのだ。
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そのR34型スカイラインGT-Rだが、生産終了から約19年が経過した現在、中古車の流通台数は約49台(※萩原文博氏調べ)。そして、中古車の平均価格は約1725万円。価格帯は約1280万~約3580万円となっている。
R34型スカイラインGT-Rの新車時価格は「スタンダード」が504万8000円~、「Mスペックニュル」が630万円だったので、最高値の中古車では(最高値で)約5.7倍となっているのだ。
そこで、今回はR34型スカイラインGT-Rが生産終了から現在までの約19年間で、一体いつが買い時だったのかを調べてみた。
文/萩原文博 写真/ベストカー編集部、NISSAN
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■モータースポーツ活動で得たノウハウを1台に凝縮したR34型GT-R
1999年にデビュー、2002年に販売終了したR34型スカイラインGT-R
R34型スカイラインGT-Rの中古車情報はこちら!
R34型スカイラインGT-Rは1999年1月に販売開始した。いわゆる第2世代GT-Rの完成型として先進技術による車両運動性能の向上と、その運動性能をドライバーが安心して引き出せるようにボディ剛性の更なる向上を実現している。
そして、運動性能の向上において、走る、曲がる、止まるという基本性能の向上を徹底して行い、当時15.6kgm/Lという国産最高のリッター当たりのエンジントルクの実現。そして6速MT採用よる動力性能の向上、高性能18インチタイヤの採用などによる操縦安定性の向上、冷却システムの改良などによるブレーキ性能の向上、レース活動で蓄積したノウハウの活用によって空力性能の向上などを施し、R33型スカイラインGT-Rから大幅な進化を遂げている。
特にボディサイズは先代モデルより、全長を75mm、ホイールベースを55mm短くすることで、より走りの性能を高めたホイールベース、トレッド比となっているのが特徴だ。
エンジンは、RB26DETT型2.6L直列6気筒ツインターボエンジンをファインして搭載。カムシャフトを変更することで、バルブタイミングを改良。さらに新型ツインボールベアリングセラミックターボの採用により、アクセルに対して瞬時に反応する鋭いレスポンスを実現している。
組み合わされるトランスミッションは、ドイツのゲドラグ社と共同開発した6速MT。従来の5速ミッション車の1~4速を1~5速に分割したクロスギヤレシオを採用するとともに、シフト操作力の低減やレバー剛性の向上を図り、強大なパワーを有効かつ存分に楽しめるシフトフィールを実現している。
ブレーキは先代モデルでも後方だったブレンボ社製のブレーキを採用。走行風を利用してホイール内部の空気を吸い出すブレーキ冷却システムの採用により、スポーツ走行時の耐フェード性を向上させた他、フロントブレーキパッドにドイツのユーリッド社製ハイμパッドを採用し、制動能力を向上させている。
そしてレース活動で蓄積したノウハウを活かした空力性能として、Vスペックには、体下面の空気の流れを整えてダウンフォースを生み出す、フロントディフューザー&カーボン製リヤディフューザーを採用しているのだ。
■最も高値で流通するのは「ニュル」系特別仕様車
2002年に販売された最終記念車「VスペックIIニュル」
R34型スカイラインGT-Rの中で最も高額で販売されているのが、2002年1月に1000台限定で発売され、即日完売した「Mスペックニュル」と「VスペックIIニュル」だ。
このモデルに搭載されているエンジンは、耐久レースなどのベースエンジンに使われているN1仕様エンジンをベースとして、エンジン中心部品であるピストンやコンロッドを重量バランスの均一化を図った高精度バランス品とすることで、エンジン高回転域における爽快な回転フィーリングにより磨きをかけている。
さらに、限定車特別装備として、フルスケール300km/hの専用スピードメーター、立体成形の専用グレードネームエンブレムなどを採用している。現在販売されている中古車のなかで、3000万円以上のプライスが付いている2台は、いずれもこのニュルとなっている。
それでは、R34型スカイラインGT-Rの中古車相場が、どのような経緯をたどってここまで高くなったのかを追ってみよう。
■最も安く手に入れられたのは2012年だった!?
平成12年度排出ガス規制に適合しないため2002年12月に惜しくも販売終了となった
R34型スカイラインGT-Rが生産終了となった2002年12月当時の中古車相場を見てみると、価格帯は約368万~約669万8000円。平均価格は約347万円となっていた。
高年式で、走行距離の少ない中古車は新車価格とそれほど変わらない価格で販売されているものの、プレミアム価格というほど高くないし、最安値は順調に値落ちが進んでいた。
そして、5年後の2007年12月は、10月に現行型GT-Rが販売開始された直後のタイミングだが、この時点でのR34型スカイラインGT-Rの中古車の価格帯は約309万~約728万円。平均価格は2002年よりグンと上がって約495万円となっている。
最安値は2002年当時より安くなっている一方で、最高値は728万円と新車時価格を上回っている。
当時は、走行距離の少ないR34型スカイラインGT-Rと登場したばかりの現行型GT-Rのどちらを購入するかというユーザーが多かった。
現行型GT-Rを見たり、乗ったりしたユーザーがR34型スカイラインGT-Rの高品質車を選ぶケースが多くなったタイミングだ。
さらに5年が経過した2012年3月当時のR34型スカイラインGT-Rの中古車相場は約239万~約1480万円と最安値は200万円台まで下がっているものの、最高値は1000万円の大台を超えて約1480万円となった。
R34型に搭載されるRB26DETT型直6ツインターボエンジン。過給圧アップ等の改良により、最高出力は280ps/40.0kgmにトルクアップ
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しかし平均価格は2007年より若干下がり約470万円となっていて、この時期は走行距離の少ないクルマの価格は高く、走行距離の延びていたクルマは安いと価格の二極化が進んだタイミングだった。
そしてそして時代は進み、今から5年前の2016年3月当時の平均価格は約592万円と大きく値上がりし、現在は平均価格も約3倍と高騰している。
こうして見ると、R34型スカイラインGT-Rを安く手に入れられたのは、約10年前の2012年頃だったことがわかる。その後はご存じのとおり、価格の安いクルマから姿を消して、中古車相場が高騰していくわけだ。
中古車は欲しいと思ったときが買い時……とよく言われるが、R34型スカイラインGT-Rも300万円で購入できた時が狙い目だった。あぁあの日に帰りたい。
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みんなのコメント
たまに額面だけ見て『あの頃34Rは200万円台でオレでも買えたのになぁ~』とか言う奴いるけど、そんなショボい事言う奴が事故歴や過走行に目を瞑って車を購入するとはとても思えない。
欲しい奴は500万でも800万でも事故歴あろう過走行だろうと黙って買ってるし、持つべくして持ってる。
RB26やアテーサのことを言いたいんだろうけど。