カワサキが誇るスーパースポーツマシン「Ninja ZX-10R」は異例の早さでモデルチェンジを受けた。スーパーバイク世界選手権での勝利を第一に、開発のフォーカスを絞った「大胆戦略」や、新型にかける想いを開発メンバーに伺った。
文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸
【開発者インタビュー】カワサキ「ニンジャ ZX-10R」
Ninja ZX-10R開発陣
「速いバイクは乗りやすい」それを体現するのがZX-10R
「レースで勝っているマシンを変えるのはリスクです。不安もありましたが、勝つことに集中して、これまでのレース車で変更できなかったところを変えよう、となりました」
そう語るのは山本さん。スーパーバイク世界選手権(SBK)6連覇マシンであるZX-10Rの「課題」となったのは空力面だった。開発リーダーの西山さんが語る。
「車体とエンジンのパッケージは完成に近いレベルにあったので、今回は空力にこだわっていこう、ということになりました。一般の方にも良さを体感していただけるレベルに仕上がっていると思います」
その空力だが、ウイングレット内蔵のカウルと大胆なマスクが印象的だ。再び山本さんがこうなったいきさつを教えてくれた。
「4年ほど前、GPマシン風のウイングを付けてテストをしたら結果が良かったんです。ただ、単に羽を付けただけでは面白くない。そこでデザインとの融合を図り、このようなトンネル形状としました」
レースで勝つために、変えなくていいところは変えない。大胆な「戦略」だが、それは一般のライダーへのメリットにもつながるようだ。山本さんはこう教えてくれた。
「SBKにフォーカスしてはいますが、スキルの高いライダーと一般のライダーで、求める物は大きくは違わないと考えています。スムーズに素直に回るエンジン、ニュートラルなハンドリング、空力も良い方がいい。こうして作られた新型ZX-10Rに乗ると、ビギナーでもうまくなったような感動を味わえます。たとえばUターンひとつを取っても、すぐにわかるはずです」
開発ライダーの苅田さんも続けてこう教えてくれた。
「10Rはもともと他社のモデルと比べても前傾姿勢は強くないんです。新型はニュートラルなハンドリングでマシンとの一体感を向上させ、トータルで乗りやすく、扱いやすいマシンに仕上げています」
エンジン設計の阪口さんもこのように語る。
「サーキットだけでなく、初心者でも、雨天でもその良さを体感できるよう、ライディングモードも見直しています」
SBK最強マシンの名を欲しいままにしているZX-10Rだが、同時にそれは一般ライダーにとっても「最強マシン」なのだ。
「速いバイクは乗りやすい、というのを体現しているのが10Rだと思います。クルーズコントロールも標準装備し、グリップヒーターやETCも付けられ、大型ビギナーの方でも楽しいバイクです。期待してください!」(山本氏)
カワサキ「ニンジャ ZX-10R / RR」主なスペック・価格
Ninja ZX-10R
[ 表が省略されました。オリジナルサイトでご覧ください ]
Ninja ZX-10RR
[ 表が省略されました。オリジナルサイトでご覧ください ]
[ アルバム : 【写真6枚】Ninja ZX-10R開発者インタビュー はオリジナルサイトでご覧ください ]
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