昨季2022年のFIA RX2e選手権で史上最年少チャンピオンに輝いたヴィクトル・ブランクス擁するVMVレーシングは、即時決行のシリーズスイッチを表明し、今季後半より北米主体の新生Nitrocross(ナイトロクロス)への参戦をアナウンス。最高峰“グループE”クラスの専用車両となるフル電動ワンメイクEV『FC1-X』の2台体制で挑む。
さらなるエクストリーム性の追求とSNSやストリーミングでの情報発信強化を目指し、今季よりNitroRX改めナイトロクロスへとリブランドした北米発のラリークロス・シリーズに向け、ベルギーを拠点とするVMVレーシングは12月9~10日にカリフォルニア州のグレンヘレン・レースウェイで開催される第6戦にて、エントリー車両の1台をブランクスに託すことを決めた。
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「FC1-Xの信じられないほどのパフォーマンスと、グループEのワールドクラスな才能を組み合わせたナイトロクロスは、僕のキャリアの中で最大かつ最もエキサイティングな挑戦になる」と意気込みを語ったブランクス。
「フィールドにいる選手たちは真の世界最高峰だ。僕は彼らの多くをヒーローだと思っているし、彼らとレースする機会があるなんて信じられないほどだね」
この決断は、同時にFIA RX2eからの撤退も意味しており、チームとしては今季のWorldRX世界ラリークロス選手権第4戦となった7月のイギリス・リデンヒルで発生した車両火災と、それに伴う最高峰RX1eコンペティターのステップアップ選手権出場を許可した運営団体への不満を公に表明し、次のように宣言した。
「残念ながら、前回の発表によってタイトル争いに偏りが生じ、チャンピオンシップやこのスポーツの価値が、もはやVMVレーシングのビジョンと一致していないと我々は感じている」
■シリーズの急成長も魅力のひとつに
チーム代表を務めるバート・ブランクスは、北米で始まった新生シリーズの急速な成長も、チームの次のステップにとって魅力的な選択肢になったと付け加えた。
「シリーズで使用するトラックやメディア報道、イベントを含むフェスティバル的な雰囲気、そしてソーシャルメディアでのリーチにより、このナイトロクロスは比類のない財産を築きつつある」と続けたブランクス代表。「このシリーズはモータースポーツの次の進化の方向性であり、我々はそれに参加できることに興奮している」
次戦は11月10~11日にアリゾナ州フェニックスで開催される、おなじみワイルドホースパスでの1戦となるが、このラウンドを経てVMVは最高出力1080PS(800kW)、0-100km/h加速約1.4秒という専用車両2台をスタンバイすることに。
その上で、初代王者兼シリーズ創設者のトラビス・パストラーナ(バーモント・スポーツカー)や、ラリークロス界の“重鎮”たるタナー・ファウスト(XITEエナジー・レーシング)、北欧の雄であるケビン・エリクソン(オルスバーグMSE)や王者ドレイヤー&レインボールド・レーシング・ウィズ・JCレーステクニーク(DRR JC)のアンドレアス・バッケルドやフレイザー・マッコーネル、そしてチャンピオンのロビン・ラーソンらと対峙することになる。
この新カテゴリー創出へ約1100万ドル(約16億3000万円)の投資を行ったというナイトロクロス社長のブレット・クラークも、新規参入に歓迎の意を示し「我々としてもVMVレーシングをナイトロクロスに歓迎し、グループEでヴィクトルがステアリングを握る姿が見られるのを楽しみにしている」と語った。
「代表のバートとVMVレーシングが、我々ナイトロクロスに信頼を寄せてくれたことを光栄に思う。また、ヴィクトルのような次世代の才能が、キャリアを次のレベルに引き上げるためのプラットフォームを提供できることに興奮しているよ」
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