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レクサス新型車「RZ」、ついに初公開 BEV専用モデルの内装/サイズ/航続距離を解説

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レクサス新型車「RZ」、ついに初公開 BEV専用モデルの内装/サイズ/航続距離を解説

EVは、専用プラットフォームの時代に

執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

【画像】「レクサスRZ」のデザイン/内装【新型EV】 全119枚

画像は海外仕様のものを含みます。

4月20日。レクサスは、初のバッテリーEV専用車となる「レクサスRZ」の詳細を世界初公開した。

2005年に発売されたRX450h以来、レクサスではハイブリッドの電動車を導入してきたが、ピュアEVは、2020年に発表された小型SUV「レクサスUX」の「UX300e」のみしか設定されていない。

だが、今回発表された「RZ」は、既存のラインナップに追加されたBEVではなく、BEV専用モデルだ。

詳しくは後述するが、プラットフォームは既存のものではなく、BEV専用のものを開発して採用している。

RZは、いわゆるクーペSUVタイプのBEVだ。

世界的に見ても、BEV専用車にはクーペ・スタイルも含めたSUVタイプのものが多く、日本車では日産アリア、トヨタbZ4X、スバル・ソルテラが登場。輸入車でもBMW iX、アウディeトロン、ボルボC40リチャージなどが挙げられる。

なぜ、BEV専用モデルにはSUVが多いのか。まず第一に、日本でも世界でも、SUV人気が今もなお継続しているということ。売れるクルマであれば、さまざまなバリエーションを出しやすい。したがって、BEVの比率も高まるというものだ。

また、BEV専用で作るSUVなら、セダン型に比べてボディ空間に余裕があり、大きな駆動用バッテリーを搭載しやすい点が挙げられるだろう。

では、レクサス初のBEV専用モデル「RZ」の概要を紹介していこう。

スピンドル「グリル」から「ボディ」へ

スペックは日本仕様プロトタイプの数値となります。

現段階では日本仕様のプロトタイプの情報となるが、RZのサイズは、全長4805×全幅1895×全高1635mm、ホイールベースは2850mm。

同じレクサスの「RX」が4890×1895×1710mm、ホイールベースが2790mmだから、全長はRZが少し短く車高も低いが、ホイールベースは長いといったサイズ感だ。

そのスタイルは、高出力モーターの力を路面に伝える大径タイヤを四隅に配置し、リアタイヤをワイドトレッド化した前後異径タイヤ採用による低重心なスタンス。

走りの良さを表現し、ひと目でレクサスのBEVと分かるデザインを実現した。

エンジン冷却用のグリルを必要としないBEVだから、レクサスの特徴であるスピンドルをグラフィックではなく立体の塊で表現した「スピンドルボディ」へと進化。フロントまわりでは立体的なフェンダーやバンパーがスピンドルボディを強調している。

サイドは、フロントフェンダーのタイヤをつかみ後方に連続する造形に。車両を牽引する力強さと、リアフェンダーのタイヤを強調する力強い立体により、躍動感ある走りのイメージを表現。

リアはクリーンでシンプルな水平基調のデザインに、張り出したタイヤを強調する造形とし、BEVのトルクフルな走りを支える力強いスタンスが際立つデザインとしている。

パワートレイン/充電について

パワースペックについては、容量71.4kWhの駆動用バッテリーを搭載し、モーターは前・後に搭載。最高出力は、フロントが150kW(204ps)、リアが80kW(109ps)。

約450kmの航続可能距離(開発目標値)とレクサスならではの走りの味を両立するため、専用プラットフォームの良さを最大限に引き出すシステムを開発。

BEV専用の大容量電池や、シリコンカーバイドのパワー半導体素子をインバーターに採用し、航続可能距離の伸長に貢献している。

また、充電機能の高出力化対応により、各国のニーズに応じた充電を可能にした。

電池昇温システムも搭載し、冬季や寒冷地でも短時間でのチャージを可能に。制御技術の向上により、10年後でも90%以上という電池容量維持率を確保し、長く安心して使うことができる。

走りの面では、新開発した四輪駆動力システム「DIRECT 4」と、新開発した高出力モーター「eAxle」により、路面・走行状態を問わず接地加重に応じて四輪の駆動力を常に緻密に制御。

DIRECT 4は、車輪速、加速度、舵角などのセンサー情報を用いて、駆動力配分を前輪:後輪=100:0~0:100の間でコントロールする。

ステアリングの切り始めはフロント寄りの75:25~50:50に、コーナー脱出時はリア寄りの50:50~20:80とすることで、スッとクルマが曲がる旋回を実現。

そして、モーター/トランスアクスル/インバーターを完全一体化したeAxleは、航続距離や広い室内空間、優れたデザイン性に貢献している。

異形ステアリングも どんな内装?

インテリアは、低く配置したインパネを組み込み、運転席・助手席へと抜ける空間を設けたコンソール、シンプルなドアトリムが開放的。クリーンな印象を与える。

センターディスプレイは大型のタッチディスプレイとし、多くの機能を画面のソフトスイッチに集約。スイッチのサイズや形、レイアウト、表示情報など、細部までこだわり、直感的に操作できる配置・形状を追求した。

ステアリングは従来の円形に加え、飛行機の操縦桿風の新ステアリングとステアバイワイヤもレクサスで初採用。操舵角を約±150°に設定し、交差点、Uターン、車庫入れ、ワインディングなどでステアリングを持ち替える必要がなく、ドライバーの負荷を大きく低減する。

シフトノブはレクサス初のダイヤル式をセンターコンソールに配置。ワンアクションでのスマートなシフト操作に貢献している。

後席空間は、2850mmというホイールベース(RX比60mmプラス)により、前・後席のヒップポイント間に1000mmの間隔を確保。また、後方にピークを持たせたキャビンシルエットにより、圧迫感のない後席ヘッドクリアランスが乗員に開放感を提供する。

「e-TNGA」の作り込みとは

RZではレクサス初のBEV専用プラットフォーム「e-TNGA」を採用。

フロア下へのバッテリー搭載による低重心・低慣性モーメントという運動性能の素性の良さを活かし、安定性と乗り心地を両立した。

ボディ骨格の接合にレーザースクリューウェルディング(LSW)や構造用接着剤、レーザーピニング溶接を積極的に採用。

リアの荷室開口部では、変形をおさえるために、二重環状構造に加え、高剛性発泡剤を取り入れ歪みにくい構造とした。また、航続距離の伸長へ貢献するため、フロント/センターピラー、フロントレールへ高張力材を重ね合わせたパッチワーク工法を採用。

さらに、ルーフセンター・レインフォースメントに冷間圧延鋼板、フードに軽量アルミ、ドア/ホイールアーチの両モールディング、バックドアガーニッシュに発泡樹脂成型を採用するなど、徹底した軽量化にも取り組んだ。

サスペンションは、フロントにマクファーソンストラット式、リアにトレーリングアーム式ダブルウイッシュボーンを採用。路面入力の周波数に応じて伸び側ストロークの減衰力を変化させ、乗り心地を損なわずに高い操縦安定性を提供する周波数感応アブソーバーをレクサスで初採用した。

ブレーキには前・後の独立油圧制御により前後回生強調が可能な新加圧ユニットを採用。回生ブレーキシステムを進化させ、違和感のないブレーキフィーリングと制動のシームレスなつながりに加え、回生エネルギーの高効率化により航続距離の伸長に貢献している。

装備/ADASについて

予防安全技術では、最新の「レクサス・セーフティシステム+」を採用。

プロアクティブ・ドライビングアシストでは、従来の機能に加え、信号交差点に対する右・左折時の減速支援、車線内走行時には常時支援し、幅広い運転状況に応じた適切なサポートで安全運転に寄与する。

プリクラッシュセーフティ、レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き)、レーンデパーチャーアラート、ドライバー異常時対応システムなども、最新バージョンのものが備わる。

高度運転支援技術「レクサス・チームメイト」では、新機能のアドバンストドライブ(渋滞時支援)や、アドバンストパーク(リモート機能付き)も装備した。

快適装備では、冬季における航続距離の最長化に向けて、高効率ヒートポンプシステムと輻射熱ヒーター(フィルム式)を採用。後者は最高約100℃まで昇温可能で、素早く乗員の足下を温め、人体が接触すると同時に温度を下げる技術で安全性を両立している。

パノラマルーフは、床下へのバッテリー搭載による床面上昇で乗員のヘッドクリアランスが狭まるのを避けるため、サンシェードを廃止し、遮熱・断熱・紫外線99%カット効果のある「Low-Eガラス」に。これは調光機能も備えており、乗員のニーズに合わせて瞬時に遮光できる。

また、OTAアップデートにより、常に最新のソフトウェアに更新が可能。購入後も機能が追加されるとともに性能が向上することで、最新の運転支援技術を備えた、より安全・安心なクルマへ進化していく。

いま分かっているスペック

レクサスRZ 日本仕様プロトタイプ

全長:4805mm
全幅:1895mm
全高:1635mm
ホイールベース:2850mm
タイヤサイズ:18/20インチ
航続距離:約450km(J-WLTCモード・開発目標値)
電池容量:71.4kWh
出力:フロント150kW、リア80kW

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