現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 泥系クルマの代名詞「ジープ・ラングラー」まで電動化! それでも「らしさ」は残るのか?

ここから本文です

泥系クルマの代名詞「ジープ・ラングラー」まで電動化! それでも「らしさ」は残るのか?

掲載 更新 5
泥系クルマの代名詞「ジープ・ラングラー」まで電動化! それでも「らしさ」は残るのか?

 この記事をまとめると

■PHEVのラングラーが間もなく日本にも導入される

なんちゃってヨンクだらけの今こそ乗りたい「悪路御用達」の男前国産SUV4選

■4WDの駆動システム自体に大きな変更はない

■ラングラー4xeはPHEV化してもジープ「らしさ」を保ち続けている

 電動化で21世紀でも生き残りを目指すジープ

 英国グラスゴーでCOP26、つまり国連気候変動枠組条約会議で今後のエコロジーの方向性があれこれ話し合われている近頃。CO2排出削減とそのための電動化は自動車にとって大きなテーマとなっているが、もっともプリミティブなオフローダーであるジープ・ラングラーとて例外ではない。

 第二次世界大戦と前後して米軍用ジープを生産供給していたウイリス・オーバーランド社が、1945年に発売した民生用モデルは、以後1987年までシヴィリアン・ジープことCJジープとして販売された。ラダーフレームに前後ともリジッドの車軸をリーフスプリングで懸架し、オープンあるいは簡易トップのボディを載せたごくシンプルな4WDという原型は、こうしてほぼ固定のものとなった。

 ところで1987年は、先にウイリス・オーバーランドと合併していたAMCをクライスラーが買収した年であり、CJをSUVとして、より現代的なSUVとしてブラッシュアップしたYJこと初代ジープ・ラングラーがデビューした年でもある。そして現行モデルたるJLは、ラングラーとして4代目にあたる。

 SUVがスタンダードな車型になって久しいいまや、4WDも星の数ほどあるが、ラングラーは自然にもっとも近いところまで降りていく走破性自慢の一台であり続けている。当然、長年変わらないメカニズム=信頼性の証だった訳だが、CO2削減に前のめりな欧州市場をはじめ、欧米でラングラーはすでに電動化の洗礼を受けている。それがラングラー4xeだ。

 日本でも先頃最終オーダーが締め切られた、アンリミテッドルビコンらが積む3.6リッターV6ペンタスターの284馬力仕様は、WLTPモードでCO2排出値が270g/km。フランス市場では213g/kmを超える新車には販売価格とは別に一律3万ユーロ(約400万円)のペナルティが課されてしまう。

 欧州各国で多かれ少なかれ似たようなCO2ペナルティが施行されているのに加え、1台あたり95g/kmを境にCO2超過量が自動車メーカーに課金される規制もある。いわばオーナーもメーカーも損となるルールなので、電動化はエコが動機とはいえ経済的にも差し迫った問題なのだ。

 PHEV化してもジープ「らしさ」は変わらない

 PHEV化にあたってラングラーはロングボディを選び、17kWhという比較的大きな容量のリチウムイオンバッテリーをリヤシート下に積んでいる。この天地方向に薄いバッテリーをラダーフレームのスキ間に収めるため、燃料タンク容量も本来4ドア用の81リッターから2ドア用の66リッターへ絞られた。結果として、4WDの駆動システム自体に大きな変更はない。

 パワートレインでもっとも大きな変更は、8速ATと一体で開発設計された「eトルク」と呼ばれるベルト・スターター・ジェネレーターで、270馬力・400Nmの4気筒・2リッターターボに組み合わされる。

 従来のオルタネーターを置換しつつ145馬力を発揮するこの電気モーターを加えることで、WLTPによるCO2排出値は79g/kmにまで下げられた。130km/hまでEVモード走行が可能で最大航続レンジは約45km。さらにICEとの協調によるシステム総計出力は380馬力、最大トルクは637Nmにも及ぶという。

 当然PHEVの常として、バッテリーが空になれば2.4トン強ものヘビーな4×4になるという訳だが、バッテリー充電は最大7.4kWのウォールボックスで約2.5時間で満了できるだけでなく、燃料消費は増えるものの、その場でアンプラグド状態でもエンジンを使っての充電が可能なようだ。無論、セレクテレインによって、ラングラー伝統の機能といえる前後のデフロックも可能となっている。

 PHEV化してもジープとして「らしさ」を保ち続けるラングラー4xe。今年後半に日本導入がウワサされながら、半導体不足などの外的要因によって延びているようだが、日本市場でもラングラーの人気が手堅いだけに来年前半が濃厚と思われる。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
乗りものニュース
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
レスポンス
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
AUTOSPORT web
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
motorsport.com 日本版
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
VAGUE
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
くるまのニュース
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
GQ JAPAN
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
レスポンス
メルセデス、ラスベガス初日の好調は「なんでか分からない」予選に向けて”ダスト乞い”?
メルセデス、ラスベガス初日の好調は「なんでか分からない」予選に向けて”ダスト乞い”?
motorsport.com 日本版
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍、日本人初となる『トライアンフトリプルトロフィー』を受賞
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍、日本人初となる『トライアンフトリプルトロフィー』を受賞
AUTOSPORT web
フィアット新型「600e」と暮らしてみたら「500L」との2台体制を夢見てしまい…ファミリーカーとしてオススメの1台です【週刊チンクエチェントVol.47】
フィアット新型「600e」と暮らしてみたら「500L」との2台体制を夢見てしまい…ファミリーカーとしてオススメの1台です【週刊チンクエチェントVol.47】
Auto Messe Web
なんとも物騒な「煤殺し」ってなんだ!? トラックドライバー御用達アイテムの正体とは
なんとも物騒な「煤殺し」ってなんだ!? トラックドライバー御用達アイテムの正体とは
WEB CARTOP

みんなのコメント

5件
  • アンリミテッドは泥臭くない
    単なるファミリーカー
  • アメリカじゃクソ安いのに日本じゃアホみたいな値段なのが気に入らん
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

799.0909.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

53.01798.0万円

中古車を検索
ラングラーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

799.0909.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

53.01798.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村