この記事をまとめると
■2023年6月25日に福島県エビスサーキットで「フォーミュラジムカーナ」が開催された
GRMNヴィッツのイコールコンディションで闘う大学対抗ジムカーナ大会! その名も「フォーミュラ ジムカーナ」が開催
■東日本地域の4年制大学の自動車部全10チームが参戦
■クルマやタイヤなどを同じ条件にしたことで各チームのドライバーの腕が試される
全国大会進出をかけた大学生による熾烈な戦い
6月25日、福島県エビスサーキットで新たなモータースポーツカテゴリーである「FORMULA GYMKHANA(フォーミュラジムカーナ)」が開催された。各大学の自動車部で争われるこのカテゴリー、6月25日のEAST戦は東日本エリアの4年制大学10校で争われた。この新たなカテゴリーの詳細と会場の様子をリポートする。
大学の自動車部間で争われる「FORMULA GYMKHANA」は完全なるイコールコンディションでのモータースポーツだ。今回のEAST戦には、駒澤大学・中央大学・東京大学・東京理科大学・東北大学・長岡技術科学大学・法政大学・日本大学・北海道大学・横浜国立大学の東日本エリア10校が参戦したが、7月2日に行われるWEST戦には西日本エリアの10校が参戦する。それぞれのエリアの上位5校が決勝ラウンドに進出する。決勝ラウンドは9月24日に滋賀県の奥伊吹モーターパークで開催される予定だ。
そして、「若いクルマ好きを応援したい!」という考えを持つ各企業がこの大会を支援している。協賛企業は以下の16社だ 株式会社アールエス・アール/株式会社アイセロ/株式会社アドヴィックス/小倉クラッチ株式会社/株式会社キャロッセ/住友ゴム工業株式会社(ダンロップ)/日本グッドイヤー株式会社/GRガレージ(大阪八尾・大阪箕面・滋賀大津)/TOYOTA GAZOO Racing/株式会社 昭和トラスト/株式会社トレジャーワン・カンパニー/日産自動車株式会社/株式会社ブリヂストン/ブリッド株式会社/マツダ株式会社/株式会社トライボジャパン(Moty‘s)/横浜ゴム株式会社 当日は各企業のブースも出展され、昼食時は各社の社員と学生たちが交流を深めていた。リクルート活動的な面もあるが、各自動車関連企業の社員たちもクルマ好きな学生たちとフレンドリーにコミュニケーションを楽しんでいる様子であった。クルマ好きの若い人たちが皆大好きなのだ。
イコールコンディションを実現するために、車両はTOYOTA GAZOO Racingから提供されたトヨタ・ヴィッツGRMNを使用。どの個体を使用するかは抽選によって決まる。また、車両には協賛各社のパーツが装着されている。EAST戦では、タイヤはグッドイヤーの「EAGLE F1 SPORT」を装着。シートはBRIDEのZETAIVで、そこにCUSCOの4点ハーネスが組み合わされる。
ハードな走行に対応するため、エンジン、ミッション、ブレーキフルードといった液体類はMoty’s製のアイテムに変更。また、TRUSTからワークグローブとピットマットが提供された。
24日の土曜日に3時間の練習走行、25日の日曜日にヒート1とヒート2が行われた。1チームA・B・Cの3名のドライバーで争われる「FORMULA GYMKHANA」は、午前のヒート1、午後のヒート2で走行した各ドライバーのベストタイムを合計したタイムで順位が決まる。ただし、途中にある一時停止エリアでのパイロンタッチなどを行うとペナルティが加算され、ミスコースをするとワーストタイムに+5秒加算のタイムがリザルトとなる。そのため、1本は確実にミスなく走り終えたいところだ。
また、練習走行からヒート2終了まで、タイヤの交換と燃料の追加給油(ローテーションとエア調整は可、燃料は満タンで貸し出される)はできない。練習走行をどれくらい行うべきかという戦略も初開催ということもあり、各大学手探り状態であった。
また、昼休みにはデモランも実施された。デモランはTRUSTのターボ仕様のGR86と、SUPER GTやSUPER FORMULA LIGHTSなどに参戦する野中誠太選手がドライブするGRスープラで行われた。幸運にも抽選で同乗権利をゲットした学生たちは、その性能の高さとプロドライバーの高い速度域でも落ち着いた操作に驚いている様子であった。
全国大会出場に向けて各大学が攻めた走りを披露!
午前のヒート1が終わった段階では東京大学がトップであったが、午後のヒート2では目まぐるしく順位が入れ替わる展開となり、優勝校と決勝トーナメント進出校がまったく読めない状況であった。学生たちも自チームはもちろん、順位が読めない状況というだけあって、各大学の走りを緊張した様子で見守っていた。
そして運命のヒート2、Cドライバーの走行。Cドライバーの走行で大きく順位を上げる大学も見られた。そのなかでも目立っていたのが中央大学だ、下位から一気に暫定2位(最終結果は3位)につけ、会場を大いに沸かせた。これにより、駒沢大学は掴みかけていた決勝への切符を逃してしまう結果となった。
最終的に優勝したのは長岡技術科学大学であった。長岡技術科学大学は、装着タイヤが発表された段階で「グリップダウンの心配は少ないからガンガン練習した方が良い!」と判断。実際にグッドイヤーのスポーツタイヤのなかでもエントリーモデルとなる「EAGLE F1 SPORT」は練習走行からヒート2まで、グリップレベルが変化するフィーリングは無かったそうで、「むしろ路面温度が上がって、午後のヒート2はグリップが上がった感触がある」と長岡技術科学大学のドライバーたちは話していた。
また、練習走行で速いチームの動画を部員たちが撮影し、コース攻略の分析も実施していたそうだ。このような勝利への貪欲な思考のアプローチが優勝という結果をもたらしたのであろう。
「FORMULA GYMKHANA」東日本予選の結果は以下の通り。
「FORMULA GYMKHANA」東日本予選結果
1位:長岡技術科学大学 4分15秒255 2位:法政大学 4分21秒689 3位:中央大学 4分22秒458 4位:東北大学 4分25秒210 5位:東京大学 4分26秒062 6位:駒沢大学 4分37秒255 7位:横浜国立大学 4分44秒884 8位:日本大学 4分48秒299 9位:北海道大学 4分48秒590 10位:東京理科大学 5分28秒329 参戦した学生たちに話を聞くと「イコールコンディションで戦うことが出来たのがうれしい!」と語っている学生が多くいた。また、「この大会を用意してくださった方々に感謝したい」という気持ちも各所で聞かれた。事実、競技後に各関係者やオフィシャルなどにお礼の挨拶をしている学生が多くみられ、学生たちの礼儀正しさを見ることができた。
新たなモータースポーツカテゴリーとして始まった「FORMULA GYMKHANA」(フォーミュラジムカーナ)。初開催となったEAST戦はクラッシュやトラブルもなく、晴天に恵まれ成功に終わったのは会場にいた誰もが実感できたところだ。7月2日のWEST戦もWEB CARTOPでリポート予定だ。この新たなカテゴリーに注目していきたい。
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