【スーパーGT】片山義章に訊く、メルヒ獲得の理由「オーストラリアで助けてもらった。今度は僕がサポートする」

　今週のスーパーGT第2戦富士450kmレースで、6号車Team LeMans Audi R8 LMSのドライバーとしてスーパーGTデビューを果たすロベルト・メルヒについて、チームメイトとなる片山義章にその印象を訊いた。

　当時は”メリ”と呼ばれることが多かったメルヒは2014年、当時小林可夢偉が所属していたケータハムF1のテストドライバーとなり、翌2015年にはマノー・マルシャからF1デビューを果たした。F1を離れた後はWEC（世界耐久選手権）のLMP2や、FIA F2にも参戦するなど、様々なカテゴリーでその手腕を振るい、そして来日することになった。

　彼がスーパーGTに参戦するきっかけは、昨年末のオーストラリアS5000、タスマンシリーズにあった。このシリーズでのメルヒのチームメイトのひとりが片山であり、その片山から直接メルヒに、スーパーGT参戦の打診があったという。

　なぜメルヒにオファーすることになったのか？　今回から改めてチームメイトになる片山に話を聞いた。

「彼とは、S5000の時のチームメイトでした。その時は僕としては（馴染みのない）海外のサーキットが舞台でしたし、良いタイヤではなく、ダウンフォースは小さくもパワーが大きいというマシンでした。F3よりもローダウンフォースなのに、ハイパワーなんです。その時に、経験豊富なロベルトが、色々と教えてくれました」

　片山はそう明かした。

「その時、ロベルトが速い選手であるということが分かりましたし、非常に親切なドライバーだなという印象もあります」

「雨が降ったりしましたし、バサーストという難しいコースでもありました。そんな中でも彼は結局シリーズ2位……もう少しでチャンピオンになれそうでした。さらにバサーストでは、アウディのGT3マシンにも乗って、そのパフォーマンスも見ていました。素晴らしいドライバーであるということは、チームの首脳陣にも伝えていました」

「そしてチームの意向を踏まえて、僕が彼にコンタクトを取りました。僕しかコンタクトを取れなかったんです」

　メルヒは、WECの時にLMP2マシンで富士スピードウェイを走ったこともあるし、F1の時には鈴鹿サーキットにも訪れている。ただ、日本国内を主戦場とするドライバーたちと比較すれば、その経験の差は大きい。スーパーGTは初経験だ。そこについては、今度は片山がサポートしていくという。

「このレースのことは何も知らないでしょうし、日本のサーキットのこともあまり知らないと思います。そういう部分では、僕がサポートしていきます」

　そう片山は説明する。

「でも、僕らには固定概念があるかもしれません。そんな中で新しい外国人ドライバーが来たら、また違う目線で見られることもあると思うので……良いチームに仕上がったなと思います」

　なおメルヒはインタビューの中で、片山のことを”ヨッシー”とあだ名で呼んでいた。そこからも関係性の良さが垣間見えるが、これについて片山に尋ねると、次のように笑いながら語った。

「僕のヨシアキっていう名前は、海外では言いにくいので……なので”ヨッシー”ということでやっています」