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マセラティ MC20に試乗──サーキットからリゾートまで何にでも使える万能スーパースポーツ|Maserati

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マセラティ MC20に試乗──サーキットからリゾートまで何にでも使える万能スーパースポーツ|Maserati

マセラティは、ミッドシップレイアウトのスーパースポーツ「MC20」のスパイダーモデル「MC20チェロ」を、イタリア・モデナの本社でワールドプレミア。現地に赴いたモータージャーナリスト小川フミオ氏がその模様と、MC20の試乗リポートをお届けする。

Maserati MC20 Cielo|マセラティ MC20 チェロ

マセラティ、新型スーパースポーツカー「MC20」をワールドプレミア|Maserati

Maserati MC20|マセラティ MC20

マセラティの最新スパイダー MC20チェロがワールドプレミア

マセラティは、ミッドシップレイアウトのスーパースポーツ「MC20」のスパイダーモデル「MC20チェロ」を、イタリア・モデナの本社でワールドプレミア。現地に赴いたモータージャーナリスト小川フミオ氏がその模様と、MC20の試乗リポートをお届けする。

Text by OGAWA Fumio|Photographs by Maserati

ルーフ部分は電動で開閉可能なハードトップを採用

攻めに入ったマセラティから、いま目が話せない。2020年にF1マシンと同様の燃焼技術を採用したクーペ「MC20」を発表。22年5月25日に、フルオープンモデルの「MC20チェロ」をモデナの本社工場を使った特設会場でお披露目した。

私が参加したのは、このプレス向けプレミア。チェロって変わった名前だなと思うかもしれない。イタリア語だとcieloって書く。空のことだ。マセラティでは「エンジョイ・ザ・スカイ」オープンを楽しむクルマなんてキャッチコピーも使っている。

MC20を生産しているモデナ工場の一角に設けられたステージ。目を引いたのは、天井だ。空の映像が投影されていて、それがまるで一日を早送りするように、めまぐるしく変化していく。

やがて時間がくると、舞台が暗転。そして630psの3リッターV6の「ネットゥーノ」エンジンのいさましい音とともに、MC20チェロが、マセラティのダビデ・グラッソCEOの運転でステージ中央へと登場したのだった。

「マセラティのブランドヒーローはスポーツカーです。イノベーション、エクスペリエンス、デザインといったすべての要素で顧客の期待に応えます。一時期マセラティは品質も性能もやや低迷した時期がありました。いまは、かつての栄光を取り戻す時期なのです」

グラッソCEOは、インタビューに応えて、誇らしげにそう語ってくれた。

MC20の特徴は、カーボンバスタブ型のシャシーによる高剛性かつ軽量シャシー。それに、先に触れた通り、プリイグニションチャンバーという点火技術を採用した3リッターエンジンをミドシップしたレイアウトだ。

車名はマセラティ・コルセ(レーシング)に由来。数字は、マセラティが大きなターニングポイントとして設定した2020年。

ルーフ部分はハードトップで、電動で開閉。その際、リアのルーフ格納部分には大きなマセラティの「トライデント」マークが描かれている。街中でルーフの開閉をするたびに、後続車や通行人にそのトライデントを見せつけることに。開閉時間はいずれもわずか12秒だそう。

このハードトップには特殊なガラスがはめこまれている。車内からスイッチ操作で、透明度が変わる。マクラーレンのように多段階ではないものの、ほとんど透明か、日光を遮断するぐらいのシェイドかが選べる。

マセラティでは「スマートグラス」と名づけている。低電圧駆動が可能なPDLC(ポリマー分散液晶)フィルムにより、この機能が可能になっているのだ。

往時のイタリアンスポーツカーの伝統をいま再現

往時のイタリアンスポーツカーの伝統をいま再現

オープン化するとたいてい、大きな重量増が避けられない。マセラティのエンジニアの努力で、重量増は65kgにとどめられた。重心高もクーペと同じということで、スタイルのために走りの機能が犠牲になってはいないようだ。

マセラティ MC20チェロに試乗──サーキットからリゾートまで何にでも使える万能スーパースポーツ|Maseratiマセラティのヘッドオブデザイン、クラウス・ブッセ氏via Web Magazine OPENERS

「実は格納式ルーフのため、全高はクーペより若干上がっているんです。でも、ウインドシールドからルーフを経由してリアクォーターパネルにいたるラインを入念に作り込むことで、プロファイル(側面)を見たとき、まったく高さを感じさせないと思います」

アルファロメオをはじめ。FCA(当時)の車両の多くを手がけてきたマセラティのヘッドオブデザイン(デザイン統括)のドイツ人、クラウス・ブッセ氏は、見どころを教えてくれた。

地をするんじゃないかと思うぐらい低い位置にかまえたフロントグリルをはじめ、前へ前へと進もうとするようなノーズはアグレッシブ。全長4,669mm、全高1,224mmのボディと、20インチの大径タイヤとの組合せも、スポーティでありながら、ラインが整理されていることもあるのだろう、いい感じのエレガントさを感じさせる。

「このクルマは、たしかにスポーツモデルでありますが、しかしグランドツーリングカーでもあります。いってみれば、1930年代のミッレミリア公道レースの時のように、自宅から乗っていってレースを走り、そのまま自宅へとドライブして帰れる、往時のイタリアンスポーツカーの伝統をいま再現しているモデルなのです」

グラッソCEOは、私も参加したメディア向けラウンドテーブル(小規模のインタビューセッション)の席上で、MC20チェロのキャラクターを分析。

実際に私は、MC20クーペを運転したが、サーキットでは驚くほどスムーズという印象だ。すべてに無理がない。ひらりひらりと高速で連続するコーナーをこなしていく操縦性能は、よく出来たスポーツカーだと感心するほど。

一方、運転のしやすさから考えると、MC20チェロは、リゾートだろうと市街地での買い物だろうと、ゴルフだろうと旅行だろうと、何にでも使えそうだ。

このあと、3台めのMC20として電動車が予定されている。「新時代の幕開けです」とグラッソCEOは言う。でもその前に、自動車好きには今回のネットゥーノエンジンをぜひ試してもらいたいと思うのだった。

日本での価格は3385万円が予定されていて、デリバリーの開始は2023年の春の早い時期からだそうだ。

マセラティ コールセンター

Tel.0120-965-120

http://www.maserati.com

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