ツインリンクもてぎで行われている2019スーパーGT第8戦。GT300クラスに今季から参戦している#720 McLaren 720Sの荒聖治とアレックス・パロウは、今季前半は特に苦しんでいただけに、最終戦での初ポールポジションに感慨深い表情を見せた。
今シーズンからスーパーGTに参戦を開始しているマクラーレン・カスタマーレーシング・ジャパン。日本ではマクラーレン720S GT3が初登場するということもあり開幕前から大きな注目を集めていた。
■第8戦GT300予選:マクラーレン720Sが初ポール獲得! ランク首位の55号車は5番手
しかし、いざ開幕戦を迎えてみると、いきなりGT300クラス最下位という苦い経験をしてしまった。もちろん厳しく調整されているBoP(性能調整)の影響もあったのだが、そこからチームがセッティング面を細かく見直し、シリーズ最終戦の舞台でポールポジションという栄冠を勝ち取った。
「2019年の開幕戦は……我々は全力で走って“ビリ”でした。今回もそうですが、アタックすると本当に速いチームメイトのアレックス選手が全力で走ってもビリでした」
「それが最終戦にきて、こうしていい位置で戦えるようになって嬉しいですし、驚いているというのが正直なところです」
開幕戦での悔しさを思い出すかのようにそう語った荒。BoPのせいにするのではなく、ヨコハマタイヤをベースにしたセッティングの煮詰めなどを徹底的に行い、パフォーマンスを上げていったという。
「もともとクルマのパフォーマンスは非常に高いですが、なかなかそれを発揮できなくて苦しい戦いをしてきました。結果的にポールポジションを獲得できたということで、僕の仕事としてはQ2に進められて良かったし、ホッとしています」
「(今シーズンを通じて改善したのは)日本のヨコハマタイヤに合わせた車体面のセッティングですね。そこの合わせこみをチームが頑張ってくれて、格段にクルマが乗りやすくなりました。さらにBoPとのバランスが取れてきた段階で、良いレースができるようになってきました」
Q2でコースレコードを塗り替える走りをみせたパロウも、荒と同じく今シーズンの努力の積み重ねが今回の結果に結びついたと語った。
「今日は本当にパーフェクトな1日だった。これまで予選で苦戦していたけど、7レースを経て、どれだけの成長ができたかというのを証明できた予選だったと思う。BoPが入った状態でのセッティングで良いバランスを掴むことができなかったけど、やっと結果を出すことができた」
「今シーズンの最終戦で、こうしてポールポジションを獲得できたことに対して、本当にチームに感謝したいし、チームのためにベストを尽くせて本当に嬉しく思っている」
改めてチームの努力を讃えたパロウは、決勝レースでは最低でも表彰台を獲得したいと意気込みを見せた。
「天気がどうなるか分からないけど、僕たちは雨でもドライでも大丈夫だと思っている。決勝レースはどうなるか分からないけど、優勝できればすごく嬉しいと思っている。まずは表彰台を現実的な目標として目指していきたい」
そして荒も、今回のマシンの仕上がりに自信をみせていた。
「レースになると、また違う難しさもありますが、クルマとしては今シーズン一番の仕上がりで今回のもてぎを迎えられていると思うので、精一杯頑張りたいです」
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