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1000台目のビスポーク誕生! ベントレー マリナーの超絶技巧とは

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1000台目のビスポーク誕生! ベントレー マリナーの超絶技巧とは

■1000台目のビスポーク車を注文したのはヨーロッパのカスタマー

 ベントレー マリナーは、パーソナライズされたビスポーク車の需要が高まった2014年に、専門のデザインチームを設立。そして2021年7月9日、記念すべき1000台目のビスポーク車を製作したとの情報が発表された。

【画像】ベントレー マリナーが手掛けたビスポークモデルを見る(15枚)

 ベントレー マリナーの記念すべき1000台目のビスポークモデルとは、いったいどのような1台なのだろうか。

●1000件目のオーダーメイドプロジェクトの内容とは

 1000台目のビスポーク車は、ヨーロッパのカスタマーが注文したクルマで、ベントレーをよりパーソナライズするために、インテリアにふたつの特別なオーダーを出したという。

 ひとつは、「ベンテイガ」のインテリアにミュルザンヌの歴史を感じさせるオリーブアッシュのウッドパネルを使うこと、もうひとつは、インテリアのコントラストをより強調するようシートとドアトリムの上部に、ハイドに映えるツインステッチを施すことだった。

●ベントレー マリナーの歴史とは

 7年前にマリナーが手掛けた初めてのプロジェクトは、乗員の乗り心地にフォーカスを当てた、たった15台の限定モデル「フライングスパー・セレニティ」だった。

 シートとヘッドレストを一から作り直し、特別感を演出するために、新しくユニークなダイアモンドキルティングをキャビン全体に施すなど、様々なデザイン変更が施された。この独特なレザーのデザインは、現在のコンチネンタルGT マリナーでも使用されているダイアモンドデザインのもととなっているという。

 今回のマイルストーンを祝し、マリナーデザインチームは、この7年間に手掛けたクルマのなかでも、とくにお気に入りのクルマたちを公表。ジェット機にインスパイアされた「コンチネンタル」や、6 3/4リッターV8エンジンを誇る「ミュルザンヌ」、運転席側と助手席側に異なるトリムを配したベンテイガなどの、彼らが手掛けてきた作品が挙げられた。

 そして2014年からスタートした1000台のビスポークプロジェクトは、トレッドプレートをパーソナライズするものから、「マリナーバカラル」のような完全なコーチビルド車を作るもの、また、国内外からの依頼や限定モデル、レースカーのデザインなど多岐にわたっており、デザイナーやデジタルアーティストで構成されるベントレーのデザイン部門を兼ねる専門チームは、製作前にカスタマーの希望するデザインを写真のようなリアルな画像にして見せることができると説明している。

 この7年間で、ベントレーのコアなデザインDNAは、より深く統合されると同時に、カスタマーに幅広い可能性を示してきた。そして、そんなマリナーのカスタマーには、いまや想像と法律のふたつの制約しかないという。

 マリナーデザインをカスタマーに提示することは、ベントレーのマリナー戦略の中心であり、チームはベントレーの3つのビスポーク部門と深く協力。マリナーバカラルの12名のカスタマーにはパンデミックの間はZoomでデザインを決定する手助けをし、「ブロワー・コンティニュエーション・シリーズ」の12名のカスタマーにはスペシフィケーションを決める支援をおこなってきた。

 そして「コンチネンタルGTクーペ」と「コンバーチブル」のマリナーバージョンを製作し、すべてのカスタマーが様々なレベルのビスポークをおこなうことができるマリナー・パーソナル・コミッショニング・ガイドを創り上げてきたのだ。

 また、マリナーの仕事が少量生産であることは、デザインチームにさらなる自由をもたらしている。例えば、マリナーのストーンパネルは、厚さ1ミリ以下の石のシートを成形して仕上げるというが、非常に複雑で困難な製造工程のため、少量しか供給することできないのである。

 デザインチームはベントレーデザインの他の部門と密接に協力し、ベントレーの量産車では実現不可能な新しいアイデアやコンセプトを開発してきたのだ。

※ ※ ※

 マリナーとモータースポーツ部門担当取締役であるポール・ウィリアムズ氏は、次のようにコメントしている。

「2014年以降、当社のマリナーデザインチームは、週に平均3件のお客様からの依頼を受けており、いかにオーダーメイドのベントレー人気を博しているかを示しています。デザインマネージャーのフィリップ・ディーンが率いるチームは、コンチネンタルGT3の外装から、コンティニュエーションシリーズのブロワーの12台の仕様やディテールに至るまで、あらゆるデザインを手がけてきました。

これらのデザインに共通しているのは、個々のお客様のためのものであるということだけで、どれも唯一のものです。マリナーの専用ビジュアライザーを使用することで標準的に生産されるベントレーで実現可能な選択範囲に、新たな命が吹き込まれます。このビジュアライザーでは、お客様がクルマのカラーとトリムの仕様を選択し、その結果をリアルタイムで写真のように視覚化することができます。マリナーのデザイナーとの共創プロセスは、いまや誰にでも可能なのです」

■ベントレー マリナーが誇る数々の実績とは

 カスタマーからの依頼には、特注の象嵌を含むユニークなウッドや、鮮やかなレザーカラーと個別にデザインされたカラースプリットの組み合わせなどがあるという。ほかにも、カスタムメイドのステッチや刺繍を施したもの、オリジナルのトレッドプレートやウェルカムランプを製作したものなどの依頼もあったとも説明されている。

●ベントレー マリナーの手仕事とは

 使用された特別な素材のなかには、個人的にデザインしたツイードや、木の代わりに石材を使用したもの、さらにはベントレーの過去の部品を使った小さなアーティファクト(人工物)などもあったという。

 そしてプロジェクトのなかには、1台のクルマをシリーズ化して、ひと桁台の幸運なカスタマーに割り当てるものもあり、有名なブライトリングジェットチームを記念して製作された7台のシリーズは、インスピレーションを得た航空機の色に合わせて、ブラック、シルバー、イエローで仕上げられた。

 地域限定エディションは、特定の販売店やカスタマーのためのものであったり、ベントレーの成功を祝ったモデルがある。具体的にはパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムでのベントレーのプロダクションカーレコードを記念して2019年に制作された「コンチネンタル GT パイクスピーク・エディション」などがそれに当たるモデルである。

 マリナーデザインチームの才能は、車内の装備品、スケールモデルやデザインをテーマにした彫刻まで、クルマそのものにとどまらず、様々な分野で発揮されている。冷蔵庫、特注の陶器製カトラリー、食器、クリスタルグラス、収納スペースを備えたベンテイガ用の極上ピクニックハンパー(オプション)の製作にも、同チームが貢献しているのだ。アウトドアで快適に過ごすために、ハンパー自体を取り外してシートとして使用することもできる。

 ブロワー コンティニュエーション シリーズとベントレー マリナー バカラルのカスタマーには、オーダー品を納車する前に、それぞれの仕様を再現するためにマリナーが作成した特別な「スピードフォーム」を届けしているという。

 ベントレー マリナーは現在、3つのポートフォリオすべてでクルマを製作しており、パーソナルコミッショニングガイドではカスタマーがビスポークのベントレーを製作できる範囲をさらに拡大しているため、マリナーデザインチームは今後数か月から数年は、さらに忙しくなることが予想されている。

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