焦げるような異臭がしたら危険なサイン
長い下り坂が続く道ではブレーキを頻繁に利用するので、ローターやパッドが高温になり、やがてフェード現象を起こして、ブレーキの利きが悪くなってくる。
簡単にいうと、ブレーキは「運動エネルギーを熱エネルギーに変換する装置」なので、ブレーキに熱を蓄えられる容量があるうちは制動力を発揮できるが、お腹いっぱいになってもう熱が蓄えられない状態になると、いくらブレーキペダルを踏んでも、クルマは止まってくれなくなる。
いうまでもなく、これはとても危険な状態だ。こうしたフェード現象を起こさないためには、どうすればいいか。 (1)熱が溜まり過ぎないように冷却する
(2)熱をためる容量を大きくする このうち(2)は、より高温でも制動力が得られるパッドに交換するとか、ローター径を大きくしたり、カーボンやセラミックなどに材質を変える必要があるので、ひとまず置いておく。
より身近で重要なのは、(1)のブレーキの温度を下げる方法。
ブレーキの温度を下げるには、ブレーキの使用頻度を減らすしかない。一番有効なのは、走り続けるのをやめて、安全な場所に停車して、ブレーキが常温に戻るまで休憩すること(30分ぐらいが目安)。
ブレーキが高温になってくると、パッドに含まれるレジン(有機物)の焼ける臭いがしてくる。これがフェード現象の兆候なので、焦げるような異臭を感じ、ブレーキの利きが悪くなってきたら、ブレーキが利くうちに停車して、ブレーキを休ませよう。
煙が出ていても水をかけるのは絶対NG!
停車中は、AT車ならPレンジ、MT車なら1速かRにギヤを入れ、サイドブレーキはかけないほうがベター。このとき少々煙が出ているからといって、水などをかけるのはNG。真っ赤になった鉄に水をかけたりすると、急激な温度変化で、ローターが歪んだり、クラックが入ったりするので要注意。ブレーキは空気で冷やすのが基本。
そういう意味では、ゆっくり走りながら冷やしたほうが、ブレーキに風も当たって効率がいいのだが、ゆっくり走るためにブレーキをかけっぱなしにするのでは本末転倒。
長い下り坂では、AT車なら、Dレンジから2レンジやLレンジ、MT車なら3速か2速にギヤを落として、エンジンブレーキを多用し、直線ではアクセルを戻して速度を調整し、コーナーの直前だけフットブレーキを使うようにすれば、フェード現象が起きる心配はほとんどないはず。
なお、下り坂だからといって、エンジンを切ってしまったり、ギヤをニュートラルに入れて走ろうとする人がごく稀にいるようだが、そんなことをするとブレーキのブースター(真空倍力装置)が利かなくなり、普通にブレーキを踏んでもまったく利かなくなるので、非常に危険。
燃費の面でも、最近のクルマの場合、アクセル全閉ならギヤが入ってある程度回転が上がっていたほうが燃料の完全カットをするので、ニュートラル=アイドリングよりも効果があることが多い。
ちなみに、車重が1.5トンのクルマが、100km/hから完全停止するのには、1.5リットルのペットボトルの水を、一瞬で沸騰させるほどの熱量が必要になる。
ブレーキの仕事量は非常に大きく、常にそれだけの熱を大気に開放し続けないと制動力が失われるので、ブレーキの冷却はとても重要なのだ。ちなみに、風通しのいいデザインのホイールに交換することでも、ブレーキの耐フェード性はある程度向上できる。
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