現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 24番手から追い上げを見せた琢磨。アクシデントで今季初リタイアに「今日は最後まで走りたかった」

ここから本文です

24番手から追い上げを見せた琢磨。アクシデントで今季初リタイアに「今日は最後まで走りたかった」

掲載 更新
24番手から追い上げを見せた琢磨。アクシデントで今季初リタイアに「今日は最後まで走りたかった」

 NTTインディカー・シリーズはおよそ1カ月の夏休みを終え、第11戦のナッシュビルのレースを迎えた。

 本来であれば昨年1回目が開催されていたはずだが、新型コロナウイルス感染拡大を受けて中止となっていた。

イエロー多発のレースをエリクソンが逆転勝利。佐藤琢磨は多重クラッシュの餌食に/インディカー第11戦ナッシュビル

 今年もカレンダーに組み込まれ、無事に開催される運びとなった。ミュージックシティグランプリと名付けられナッシュビル市の全面的なサポートで音楽の祭典と併催されるような形となって、週末のサーキットは大いに盛り上がった。

 NFL日産スタジアムの駐車場に巨大なパドックとピットエリアを設け、隣接の橋を往復するというユニークなレイアウトを持つコースだったが、その橋を往復する度に発生するバンプと狭いコースが悩みの種で、金曜日のプラクティスからイエローコーションと赤旗が続出する形となった。

 レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨は夏休みの間日本に帰ることもままならなかったが、シミュレーターでこのナッシュビルのコースを予習し、ナッシュビルへと向かった。

 金曜日プラクティスはいつもより多めの75分のセッションが設けられる。コース初走行の感想は「思ったよりも橋を渡ったところのバンプがすごくてマシンの底打ちがひどいですね。フロアを擦るとかではなくて、モノコックまでダメージがありそうなくらい。デトロイトとかブラジルとかよりもさらに車高を上げていて、こんなに上げたことはないくらい。まだクルマと戦っているような状態です」と言う。

 タイムは1分18秒2167で17番手。トップのコルトン・ハータは1分16秒5875をマークしている。


 初日の走行の後、バンプのダメージが少なくなるよう路面の表面を削る作業が施される。

 土曜日は45分のプラクティスがあったが、セッションの後半に予選を見据えてタイムアップを図ろうとするマシンがスピン、接触を続出。レッドタイヤを履いてタイムアップを狙っていた琢磨は、その機会を失って1分18秒台にとどまり25番手となっていた。

 グループ2に振り分けられた予選では、レッドタイヤを最初から使い積極的に攻めたが、2度目のアタックの際にピットレーンスピード超過でピットスルーペナルティを命ぜられ、万事休す。グループ12番手、総合24番手となった。

 Q1を終えてライバルの予選を見ていた琢磨はポールポジションを取ったハータの様子を見て「ステアリングを切るとマシンがスッと向きが変わって修正も少ない。いい動きですよね。1分13秒?信じらんない(笑)」とコメント。


 今年の傾向として予選で苦戦し、決勝で追い上げるという展開が続いている琢磨だが、そのきっかけを日曜朝のウォームアップで掴むことも多かった。今回も例に漏れず「朝はグラハムが使っていていたアイテムを試めせなかったんですが、それを使えばもう少し良いペースで走れるはず‥‥」と期待をのぞかせた。

 琢磨に限らずレースでの最大の懸念は、アクシデントだった。新コースでは未知の要素も多い。橋を折り返し戻ってくるポイントでグリーンフラッグとなり、ターン9の進入が注目だったが、先頭のハータから無難に通過。その後でダルトン・ケレット(AJフォイト)がストップし最初のイエローコーションが出される。琢磨は2つポジションを上げ22番手に。

 その後グリーンとなると今度はマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ)がセバスチャン・ブルデー(AJフォイト)に追突するという波乱。琢磨はここでもポジションを上げて18番手となる。

 再度グリーンとなった時にスコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)とのバトルを制して17番手に浮上。序盤から追い抜きモードだった。13周目にベストラップをマークすると次の標的エリオ・カストロネベス(メイヤー・シャンク・レーシング)をターン4の進入で攻略16番手まで上がった。

 3度目のイエローコーションとなった時には早めにピット入るマシンもあり琢磨は一時13番手となる。


 その後のグリーンで悲劇が襲う。琢磨の目前を走るウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)とターン12で接触。琢磨はそこに追突して止まった。ここで赤旗となり琢磨はなんとかダメージを負ったマシンでピットに戻ったが、マシンはステアリングコラムにダメージを負っており、マシンを降りた。今年初のリタイアだった。

「マシンもだいぶ良くなっていたし、ダウンフォースをトリムしていたから、前のマシンも抜けていけた。接触の時は用心していたんだけど、いき場所がなくてどうしようもなかったですね」

「ピットに戻って直るかなと思ったんだけど。今日は最後まで走りたかったですね。レースでわかることも多いし、データも残したかった。ナッシュビルは町中で盛り上がっていたし、30のシャツを着たファンも多くてうれしかったですね。もうコロナなんかどっかへ行っちゃった感じ(笑)。レースは大荒れだったけどレース見に来てくれた人も喜んでくれたと思います」と振り返る。

 レースは序盤に宙を舞ったマーカス・エリクソンが追い上げて優勝という波乱の展開。琢磨も完走していれば上位入賞は間違いなかっただけに、運の無さが悔やまれる。

 来週のインディGPではその運に見放されないように願うばかりだ。

こんな記事も読まれています

パンク知らずで空気圧チェックも不要! ブリヂストンの夢のタイヤ「AirFree」に乗ったらアリだった
パンク知らずで空気圧チェックも不要! ブリヂストンの夢のタイヤ「AirFree」に乗ったらアリだった
WEB CARTOP
【オープントップ ランクル】ピックアップトラックにも転換可能!トヨタ、SEMAでオープントップ ランドクルーザー コンセプトを初披露!
【オープントップ ランクル】ピックアップトラックにも転換可能!トヨタ、SEMAでオープントップ ランドクルーザー コンセプトを初披露!
AutoBild Japan
「日本一大きい交差点」立体化完成いよいよ“秒読み段階”へ!? 「合計40車線」で“大渋滞エリア”の仙台バイパスに悲願の高架道路
「日本一大きい交差点」立体化完成いよいよ“秒読み段階”へ!? 「合計40車線」で“大渋滞エリア”の仙台バイパスに悲願の高架道路
くるまのニュース
トヨタ『カローラツーリング』などリコール…後方カメラが映らなくなるおそれ
トヨタ『カローラツーリング』などリコール…後方カメラが映らなくなるおそれ
レスポンス
【新車価格情報】国産車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年11月20日時点
【新車価格情報】国産車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年11月20日時点
カー・アンド・ドライバー
トライアンフの大排気量バイク「ロケット3」に“伝説のスタントマン”に敬意を込めた特別仕様車が誕生! 日本限定15台の超貴重モデルです
トライアンフの大排気量バイク「ロケット3」に“伝説のスタントマン”に敬意を込めた特別仕様車が誕生! 日本限定15台の超貴重モデルです
VAGUE
DSの新型電動SUVクーペ、年内デビューへ…ボディに描かれた「750」の意味
DSの新型電動SUVクーペ、年内デビューへ…ボディに描かれた「750」の意味
レスポンス
いま路線バスのサバイバルが始まっている! 電動バス・小型バス・二階建てバスで細かなニーズに対応することが鍵か
いま路線バスのサバイバルが始まっている! 電動バス・小型バス・二階建てバスで細かなニーズに対応することが鍵か
WEB CARTOP
トヨタ新型「ハイラックス“ミカン”」公開! タフ顔&オシャベージュ幌の「チャンプ」! 大注目の「新モデル」日本導入ありそう!?
トヨタ新型「ハイラックス“ミカン”」公開! タフ顔&オシャベージュ幌の「チャンプ」! 大注目の「新モデル」日本導入ありそう!?
くるまのニュース
大人の遊び心をくすぐるクラシックデザイン!「CRONOS」と「YADEA」がコラボ車両を発売
大人の遊び心をくすぐるクラシックデザイン!「CRONOS」と「YADEA」がコラボ車両を発売
バイクのニュース
アウディ Q7/SQ7【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
アウディ Q7/SQ7【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
ROTARY-EVも設定するマツダMX-30が商品改良。特別仕様車Retro Sports Editionも新登場
ROTARY-EVも設定するマツダMX-30が商品改良。特別仕様車Retro Sports Editionも新登場
カー・アンド・ドライバー
新車で買える「“4人乗り”軽トラ」が存在! 斬新すぎる「個性派トラック」が凄い! 悪路に強く「仕事×アウトドア×日常用」まで毎日使えるダイハツ「商用モデル」に注目あり!
新車で買える「“4人乗り”軽トラ」が存在! 斬新すぎる「個性派トラック」が凄い! 悪路に強く「仕事×アウトドア×日常用」まで毎日使えるダイハツ「商用モデル」に注目あり!
くるまのニュース
トヨタ最強「6m超え×9人乗り」バンに大反響! 「MT欲しい」「ハイエースよりオシャレ」「アルファードより好き」の声も! ラインナップ豊富な欧州「プロエース」に熱視線!
トヨタ最強「6m超え×9人乗り」バンに大反響! 「MT欲しい」「ハイエースよりオシャレ」「アルファードより好き」の声も! ラインナップ豊富な欧州「プロエース」に熱視線!
くるまのニュース
「なんで“鳴らした”!?」 後続車の「クラクション」に“イラ”っと! 一度は感じる「ブレーキ問題」! 見直すべき“ブレーキ技術”とは
「なんで“鳴らした”!?」 後続車の「クラクション」に“イラ”っと! 一度は感じる「ブレーキ問題」! 見直すべき“ブレーキ技術”とは
くるまのニュース
BMW「G 310 GS」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
BMW「G 310 GS」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
webオートバイ
軽だけど広い! フラットスペースが魅力のスズキ エブリイがベースの軽キャンパー
軽だけど広い! フラットスペースが魅力のスズキ エブリイがベースの軽キャンパー
月刊自家用車WEB
えぇ!? 攻めたワゴンの高級車!? 懐かしきホンダ[アヴァンシア]
えぇ!? 攻めたワゴンの高級車!? 懐かしきホンダ[アヴァンシア]
ベストカーWeb

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村