現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【比較試乗】「トヨタ・カローラツーリング vs フォルクスワーゲン・ゴルフ ヴァリアント」ベンチマーチに挑む日本の新鋭

ここから本文です

【比較試乗】「トヨタ・カローラツーリング vs フォルクスワーゲン・ゴルフ ヴァリアント」ベンチマーチに挑む日本の新鋭

掲載 更新 47
【比較試乗】「トヨタ・カローラツーリング vs フォルクスワーゲン・ゴルフ ヴァリアント」ベンチマーチに挑む日本の新鋭

新プラットフォーム「TNGA」を採用し、大きく若返りが図られた12代目トヨタ・カローラのツーリング。ここでは、欧州Cセグメントを代表するゴルフ・ヴァリアントとの比較で確認してみたい。ゴルフもうかうかしていられない!?

走りのクオリティでベンチマークの底力を示す

ずいぶん前、海外のショーでエンジニアに「日本車は軽量化に取り組んでいますがフォルクスワーゲンは重いままですね」と聞いたことがある。その答えは、単刀直入で「重さはクオリティの証です」だった。なるほどその通りと、合点がいったことを覚えている。

とはいえ、ゴルフも進化を繰り返すたびにボディなどの軽量化を実施しているが、カローラと比べると現在でもかなり重い。今回の試乗車で100kgの差があり、ディーゼルエンジンを積むとはいえハイブリッドシステムの方が重量では不利なだけに傾向に変わりはない。同時に、エンジニアによる断言の成果もそのままなのだ。

走りのクオリティをどこで評価するかといえば、まずは路面からの入力による振動の減衰性だ。ゴルフは、路面段差など大きめの入力に対してボディに振動を残すことなくスムーズに吸収。今回はワゴンボディのヴァリアントだったのでサスペンションの設定はやや硬めだが、好印象なことは確かだ。

ただ、ガソリンエンジンを積む一部グレードはリアサスペンションがトレーリングアームなのでドスッという感じの振動を残すことがある。だが、ディーゼルエンジン搭載モデルは全グレードが4リンク(マルチリンク)となる。

そして、減衰性が優れているということは振動としてのノイズにも効果がある。実際に、ザラついた路面通過時にタイヤからボディに伝わる振動を抑えるだけにゴーッというロードノイズの音量が低めで響くこともない。

では、カローラはどうか。トヨタのクルマ造りの構造改革ともいえるTNGAの採用により、新型車が投入されるごとに走りのクオリティは向上している。とはいうものの、Cセグメントのベンチマークとなるゴルフと比べてしまうと振動の減衰性は追いつけない。

特に、ツーリングの場合はセダンとはボディ剛性が異なるのか、少しばかり振動が残りロードノイズも大きめに聞こえてしまう。試乗車のW×Bが17インチタイヤを履くだけに16か15インチならタイヤで振動が減衰できる可能性はあるが、ゴルフも試乗車は17インチタイヤを装着していた。

もちろん、クオリティは振動特性だけでは評価できない。ゴルフよりもカローラが圧倒的に優れているのは、パワーユニットの効率だ。WLTCモード燃費は、ハイブリッドシステムを搭載するカローラが25.6km/Lでゴルフは17.7km/L。環境性能だけではなく、軽油の燃料代を踏まえてもカローラには追いつけない。

走りのパフォーマンスにしてもスペックを比較するとゴルフが勝るのにもかかわらず、カローラも大健闘している。モーターのアシストによりアクセル操作に応じて力強さがスムーズに立ち上がり、エンジン回転数に頼ることなく満足できる加速がこなせる。

さらに、モーターとエンジンの連携が洗練されているだけに日常的な場面では高い静粛性が維持される。発進時や速度を一定に保つと、モーターだけで走る場面もかなり多く静粛性がより向上する。

ゴルフは力強さが充実しているとはいえ、1500rpm以下の低回転域に限ってはディーゼルとして物足りない。むしろ、アクセルを踏み込むとグォーンという迫力あるエンジン音とともに想像以上にパワフルな加速が楽しめる。

なおかつ、荷物スペースはゴルフの方が圧倒的に広く213Lが上乗せされ605Lを確保。ワゴンボディを備えるクルマとして、機能最優先のフォククスワーゲンらしいクルマ造りをしている。

【Specification】VOLKSWAGEN GOLF VARIANT TDI HIGHLINE MEISTER
ステアリングの切れ味とサスペンションの動きはスムーズそのもの。2Lのディーゼルターボエンジンは中高回転域がパワフルでレブリミットの5000rpmまで引っ張ることも可能。荷物容量はカローラよりも圧倒的に広く通常時605L、最大で1620Lまで拡大可能。
■全長×全幅×全高=4575×1800×1485mm
■ホイールベース=2635mm
■車両重量=1490kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1968cc
■最高出力=150ps(110kW)/3500-4000rpm
■最大トルク=340Nm(34.7kg-m)/1750-3000rpm
■トランスミッション=7速DCT
■サスペンション(F:R)=ストラット:トレーリングアーム
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク
■タイヤサイズ(F:R)=225/45R17:225/45R17
■車両本体価格(税込)=4,080,000円
お問い合わせ
フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン 0120-993-199

【Specification】TOYOTA COROLLA TOURING HYBRID W×B
乗り心地はサスペンションの初期の動きがしなやかなのでゴルフよりも快適に感じるが鋭い入力に対してはボディに振動が残ることも。ステアリングの手応えが軽くフットワークは小気味よい。足下のスペースはゴルフと同等だが頭上は少し狭い。
■全長×全幅×全高=4495×1745×1460mm
■ホイールベース=2640mm
■車両重量=1390kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+モーター/1797cc
■最高出力=98ps(72kw)/5200rpm
■最大トルク=142Nm(14.5kg-m)/3600rpm
■モーター種類/交流同機電動機
■モーター最高出力=72ps(53kw)
■モーター最大トルク=163Nm(16.6kg-m)
■トランスミッション=電気式無段変速機
■サスペンション(F:R)=ストラット:Wウイッシュボーン
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク
■タイヤサイズ(F:R)=215/45R17:215/45R17
■車両本体価格(税込)=2,799,500円
お問い合わせ
トヨタ自動車 0800-700-7700

【BREAK THROUGH POINT】TOYOTA COROLLA

世界のベンチマーク/トヨタが長年にわたり完成度に磨きをかけてきたTHS(トヨタハイブリッドシステム)IIにはもはやどのメーカーも追いつけそうにない。パワーユニットの高効率化という意味ではまさに世界のベンチマークだ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

タイトルに王手のフェルスタッペンが苦戦、ミディアムで17番手「タイヤが機能せず氷の上を走っているよう」/F1第22戦
タイトルに王手のフェルスタッペンが苦戦、ミディアムで17番手「タイヤが機能せず氷の上を走っているよう」/F1第22戦
AUTOSPORT web
見かけ倒しでもいいじゃん! ルックスと性能が釣り合わないスポーツモデル5選
見かけ倒しでもいいじゃん! ルックスと性能が釣り合わないスポーツモデル5選
ベストカーWeb
2025年WEC暫定エントリーリストが発表。ハイパーカーは2社が撤退もLMGT3と同数の18台が参戦
2025年WEC暫定エントリーリストが発表。ハイパーカーは2社が撤退もLMGT3と同数の18台が参戦
AUTOSPORT web
【角田裕毅F1第22戦展望】昨年の反省をもとにセットアップを2種類用意。FP2で「だいたいの方向性は見つかった」
【角田裕毅F1第22戦展望】昨年の反省をもとにセットアップを2種類用意。FP2で「だいたいの方向性は見つかった」
AUTOSPORT web
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
ベストカーWeb
勝田貴元、パンクで後退も挽回「まだ諦められない。ファンの声援が力になる」/ラリージャパン デイ2
勝田貴元、パンクで後退も挽回「まだ諦められない。ファンの声援が力になる」/ラリージャパン デイ2
AUTOSPORT web
いよいよ正式発表!? デザイン一新の[新型フォレスター]登場か! トヨタHV搭載でスバル弱点の燃費は向上なるか
いよいよ正式発表!? デザイン一新の[新型フォレスター]登場か! トヨタHV搭載でスバル弱点の燃費は向上なるか
ベストカーWeb
荒野にポツンと1軒のカフェ!?…25ドルでキャンプサイトを確保。オーストラリアはトレイルも何もかもナメてかかってはいけません!【豪州釣りキャンの旅_10】
荒野にポツンと1軒のカフェ!?…25ドルでキャンプサイトを確保。オーストラリアはトレイルも何もかもナメてかかってはいけません!【豪州釣りキャンの旅_10】
Auto Messe Web
ローソン初日15番手「路面コンディションに苦労。今日の学習を役立て、トップ10に食い込みたい」/F1第22戦
ローソン初日15番手「路面コンディションに苦労。今日の学習を役立て、トップ10に食い込みたい」/F1第22戦
AUTOSPORT web
ボッタス、PUエレメント交換で5グリッド降格が決定。RB勢はエキゾーストを交換/F1第22戦
ボッタス、PUエレメント交換で5グリッド降格が決定。RB勢はエキゾーストを交換/F1第22戦
AUTOSPORT web
タナクが王座目指して猛加速。僚機2台はクラッシュ&失速、トヨタに選手権逆転の光明【ラリージャパン デイ2】
タナクが王座目指して猛加速。僚機2台はクラッシュ&失速、トヨタに選手権逆転の光明【ラリージャパン デイ2】
AUTOSPORT web
燃費と運転体験の両立 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTEへ試乗 電気で最長130km走れるHV!
燃費と運転体験の両立 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTEへ試乗 電気で最長130km走れるHV!
AUTOCAR JAPAN
北米の自動車博物館ハシゴ旅! 往年のF1GPカー「ペンスキーPC-1」に出会えて大感激!!…が、展示車両数の多さにすべてを見ることができずに大後悔…
北米の自動車博物館ハシゴ旅! 往年のF1GPカー「ペンスキーPC-1」に出会えて大感激!!…が、展示車両数の多さにすべてを見ることができずに大後悔…
Auto Messe Web
角田裕毅 初日10番手「一日のなかで状況を好転させ、方向性を見出した。Q3進出のため調整を続ける」/F1第22戦
角田裕毅 初日10番手「一日のなかで状況を好転させ、方向性を見出した。Q3進出のため調整を続ける」/F1第22戦
AUTOSPORT web
イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
くるまのニュース
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
AUTOCAR JAPAN
「柏の杜オークション」会場で「パラモトライダー体験走行会」開催! 参加者だけでなくボランティア活動にも興味を持ってもらえた1日でした
「柏の杜オークション」会場で「パラモトライダー体験走行会」開催! 参加者だけでなくボランティア活動にも興味を持ってもらえた1日でした
Auto Messe Web
WRCラリージャパンで発生した“一般車両コース侵入事件”、FIAは「非常に深刻な問題」として調査へ。来季大会にも暗雲
WRCラリージャパンで発生した“一般車両コース侵入事件”、FIAは「非常に深刻な問題」として調査へ。来季大会にも暗雲
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

47件
  • 日本とヨーロッパではカローラツーリングは仕様が異なるので話にならないのでは?
    日本のカローラツーリングにはパワーシートやデュアルエアコンの設定ないし
  • ツーリングワゴンってワゴンって名前が付く位だから荷室使えてなんぼの世界
    個人的には普段の車の使用条件から考えてもカローラはツーリングワゴンの部類に入らない
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

210.9256.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

99.0346.2万円

中古車を検索
カローラツーリングの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

210.9256.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

99.0346.2万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村