ホンダが続々と発表を行い未来に向けて動き出している。しかしその一方で「あれ? そういえばどうなってるの?」という課題や疑問といった気になる点がいっぱいある!! 特に注目したい問題を5つに絞って考えてみた。
※本稿は2023年2月のものです
文/鈴木直也、井元康一郎、遠藤徹、ベストカー編集部、写真/HONDA、ベストカー編集部、AdobeStock
初出:『ベストカー』2023年3月26日号
EV戦略もいいけど……次期型シビックタイプRはどうなる? ホンダが抱える5つの課題
■レベル3まで市販化した自動運転技術はどうなる?
2021年3月にレジェンドで市販化したレベル3の自動運転技術だが、今後ホンダが続けるのかは不透明?
メルセデスがアメリカで自動運転レベル3を市場導入すると発表して話題だけど、ホンダは2年も前にレジェンドでレベル3自動運転を実現している。
まぁ、そのニュースがほぼ忘れられちゃってるのは、限定100台という、いわば実験的モデルだったせいもあるのだが、より本質的な問題は「費用対効果がイマイチ」という点にある。
レベル3を達成したことで得られる「自動運転体験」というのは、高速道路限定で、しかも30km/h以下で稼働、50km/hで解除というもの。
その条件下では前方監視義務から解放されてDVDを見たりできるのだが、アイサイトXなど出来のいいレベル2に対して、あまりにもアドバンテージが少なすぎる。
車両価格の1100万円は富裕層にとっては大したことないコストかもしれないが、高度な信頼性と製造責任を求められるメーカーのリスク負担は限りなく重い。
要するに、現状でレベル3自動運転の商品化は、メーカーにとって「労多くして実り少ない」プロダクトなのだ。
今後、完全自動運転はGMクルーズとの協業に移行し、ホンダは運転支援技術のホンダ・センシングの性能向上に集中するんじゃないかな?
(TEXT/鈴木直也)
■純エンジン車のシビックタイプRは今後どうなるのか?
エンジン搭載最後のタイプRとなるのか?
ホンダは三部敏宏社長が就任時に脱エンジン宣言をした。もちろん、直ちにホンダが内燃機関を全廃し、モーター駆動車「だけ」にシフトする、ということではないが、2030年、さらに2050年に向けて純内燃機関で走るクルマは姿を消していく方向性になる。
ホンダはカーボンニュートラルの実現のため、ゼロエミッション化を掲げている。つまり、内燃機関を発電に使うe:HEVはあくまでもZEVに向けた過渡的技術で、究極的には純電気自動車(BEV)、そして2023年2月2日に発表したように、水素を燃料とした燃料電池車(FCEV)へと進んでいくことになる。
次期型シビックにタイプRが設定されるかは、現時点ではわからない。しかし、新たな「内燃機関」を開発するということは考えにくい。
さらに言えばEV、FCEVへ向けた新プラットフォームを開発するのなら、エンジン搭載を念頭に置くことは考えにくい。タイプRのようなスポーツモデルが計画されるとしても、それはEVで実現することになろう。
(TEXT/編集部)
■JAXAとの研究開発でホンダが目指すものとは?
ホンダとJAXAとの研究開発で進めている、月面での循環型再生エネルギーシステムを活用したイメージ図
2023年1月、ホンダは有人月面探査計画を進めるJAXA(宇宙航空研究開発機構)と宇宙空間における「循環型再生エネルギーシステム」の研究開発契約を締結した。
ホンダが受託したのは2018年からJAXAと先行研究を重ねてきた月面基地や輸送・探査用車両に電力を供給するシステムの開発。
ベース技術となるのは燃料電池を用いた水素プラットフォームで、真空、強烈な宇宙放射線、昼110℃、夜マイナス170℃という寒暖差など、地球上とは比べ物にならない過酷な環境で長期安定稼働させるためのシステム設計やメンテナンス法などを確立させるものだ。まさにプラントエンジニアリングの最先端である。
「ロボットもやる、垂直離着陸機もやる、宇宙もやる。モビリティを3次元、4次元へ」
ホンダの三部敏宏社長は2021年に就任して早々に、こんな途方もない経営ビジョンを披露して世間を驚かせたが、これもそのひとつ。環境問題に端を発した社会の根本的な変革“グレートリセット”を前に自動車メーカーは将来どう生きていけばいいか、道をなかなか見出せないでいる。
その閉塞状況を打開する方法として、ホンダはやったことのないことをやってみるという道を選んだということ。身を捨てた八方破れの戦術がホンダをどう変えるのか、面白くなってきた。
(TEXT/井元康一郎)
■車種整理が進むホンダの販売店への影響は?
エンジン車を全廃する予定のホンダだが、BEV&FCV化に販売店は不安があるという
ホンダは電動化を急加速させるために、この2年間ほどで国内車種のラインナップを大幅に整理している。2021年からこれまでCR-V、インサイト、シャトル、S660、NSX、レジェンド、オデッセイアコード、クラリティなど9車種ものモデルを廃止した。
このうちオデッセイは国内生産を廃止したが、中国からの輸入モデルは2023年10月頃から復活させる。
こうした商品ラインナップの整理、再編に対してホンダ販売店の営業担当者はどのような考えを持っているのか? 大方は「販売店にとっては、多くのユーザーニーズに応え、1台でも多くのホンダ車を売る必要があるから、扱う車種の削減は困る状況にある」と受け止めている。
今回の場合、「あまり売れていなかったCR-V、インサイト、NSX、レジェンドはあまり影響がないが、シャトル、オデッセイ、S660などはモデルチェンジや改良によって商品強化すれば人気が回復するだろうから残念」と言う営業担当者が多い。
今後は2030年頃までに内燃機関を廃止し、電気自動車や燃料電池車に切り替えるというホンダの方針には不安を隠せないという販売店がほとんどのようだ。
(TEXT/遠藤徹)
■次期NSXはEVで開発している?
2022年4月に公開されたEVスポーツカー。NSXを思わせるプロポーションだ
この写真は2022年4月にホンダが電動化自働車ビジネスに関する発表をした際に示されたスポーツモデルだ。三部敏宏社長は2020年代半ばに投入する計画であると説明。EV時代でも走りの楽しさを味わえるクルマを提供することを力説した。
このシルエットを見る限り、NSXのポジションを受け継ぐスポーツモデルであることがうかがえる。
ホンダが電動化に向けて新たに開発する「Honda e:Architecture」がそのベースになる。電動車に特化したプラットフォームで、そこにはスポーツモデルも含まれ、「スペシャルティ」と「フラッグシップ」の2モデルが用意される計画だ。
果たしてNSXという名称が与えられるかは現時点ではわからない。しかし、初代NSXが目指し、2代目NSXがさらに進化させたフラッグシップスポーツモデルとしてのポジションはEVにも受け継がれることになる。
NSXは北米ではアキュラブランドで販売されるが、アキュラでは2代目NSXが販売を終了するにあたり、今後は電動化されたスポーツカーを目指す、という趣旨のコメントを発している。ホンダはEVでのスーパースポーツの開発の手を緩めることはない。
(TEXT/編集部)
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みんなのコメント
リスクは、分散するのが鉄則では?車の排気ガスをどうのこうの言うなら、ミサイルとかの武器は、さぞかし綺麗な排気ガスなんでしょうね。
要は4輪事業は二の次になってるって事だよね。