ボディを洗車してもなんだかイマイチすっきりしない、そんな時はタイヤの汚れを疑ってみると良いだろう。クルマの中でもっとも汚れやすいタイヤをリフレッシュすれば愛車は一気に美しく蘇る。
◆洗車するときはどこから洗う?
クルマを洗車する際、ボディの上からシャンプーをはじめて順にボディの下部、さらには最後にタイヤまわりを洗っている読者も多いのでは無いだろうか。
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これは汚れを上から下方向に落としていく目的と共に、汚れが激しいタイヤまわりは最後に洗おうと思っているユーザー心理の現れだろう。しかしせっかく念入りに洗車しても“なんだかスッキリしない”“クルマがくすんでいるように見える”という経験があるのでは無いだろうか? その原因のひとつがタイヤ周辺の薄汚れにあるのだ。
もちろんタイヤ周辺の汚れは水洗いやボディに用いるシャンプーで洗い流せるのだが、タイヤはとにかく汚れが激しい部分。路面に直接触れている唯一のパーツであることから、土や泥などの路面の汚れはもちろん、ピッチやタール、さらには自車のブレーキダストもタイヤに付着して堆積していく。加えてタイヤワックスの残りやタイヤ自体の成分が劣化したものも付着し、これも汚れの要因になる。これらの堆積した汚れは単純な素材では無いため、ボディと同じシャンプーだけではすべて洗浄しきれないことも多い。
◆愛車を綺麗に見せるにはタイヤの黒さが重要!
タイヤの洗浄が行き届きにくい原因のひとつがタイヤは黒い塊なので汚れがあまり目立たない点がある。つまりなかなか汚れに気づきにくいのだ。しかし洗浄前のタイヤに触れてみるとかなり汚れていることに気づくだろう。これが目立たない汚れになってタイヤをぼやけて見せているのだ。それらの汚れが洗車しても“スッキリしない” “くすんで見える”感覚につながっている。
そこで用意したいのがタイヤ専用のクリーナーだ。カー用品店でシャンプーのコーナーの近くにタイヤクリーナーのコーナーができるほど今では人気のジャンルとなっている。タイヤクリーナーの特徴はとにかく強力な洗浄力だ。洗浄力が強いことから作業時には手袋を推奨している製品もあるほど。先に紹介したタイヤに付着することが想定される、さまざまな種類の汚れに対応しているのでタイヤ洗浄には最適。またタイヤを傷めない素材となっているのも魅力。他用途の強力な洗浄剤を使ってタイヤの表面にダメージを与えてしまっては本末転倒。その点、タイヤ専用のクリーナーなら安心だ。
タイヤクリーナーの多くはスプレータイプで、直接タイヤにクリーナーを噴霧して汚れを洗い流すスタイルが多い。これだとタイヤだけをピンポイントで洗うことができるので効率も良い。タイヤに付着する汚れは油汚れなどの酸性のものが多いため、洗浄の効果を考えた上でアルカリ系の洗剤をベースにしている場合が多いようだ。
そんなタイヤクリーナーのひとつ(試したのはソフト99のディグロス 神トレ ホイール&タイヤクリーナー)を実際にタイヤにスプレーしてみると、タイヤに付着した汚れが徐々に浮き出してくる(商品ごとに使用方法や効果は異なるので取扱説明書をよく読んで使用しよう)。このようにタイヤのトレッドやサイドウォールの凹凸の隙間から茶色い汚れが浮き出してくるのを見ると、想像以上にタイヤが汚れていたことに気づくだろう。
汚れが浮き出してきたらブラシでていねいにタイヤを洗浄していこう。その際にも他の部分とブラシを共用するのではなく、タイヤ専用のブラシを使うと作業効率も良く他の部分にタイヤ汚れを持ち込んでしまうことも無い。やや硬めのブラシでタイヤのトレッドやサイドウォールの凹凸部分にも入り込んできれいに汚れをかき出せるタイプがオススメ。タイヤ専用に用意されているブラシならこれらの要件をクリアしているので安心して選べるだろう。
こうしてタイヤを洗浄すると、洗浄前のモヤモヤ感がスッキリして真っ黒なタイヤが蘇ってくる。タイヤがきれいになるとクルマ全体が引き締まって見えてくるから不思議。“おしゃれは足もとから”と言われるのはクルマでも同様のようだ。愛車の洗車と合わせてタイヤの洗浄を実施して、洗車後の完成度を一気に高めてみよう。洗車後の満足感はこれで大幅アップすること間違いなしだ。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
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