Mercedes-Benz GLA × GLB
メルセデス・ベンツ GLA × GLB
メルセデス・ベンツのGLAとGLBを比較インプレッション! コンパクトSUVのベストバイはどちらか?【前編】
メルセデスの新型SUV、GLAとGLBのパフォーマンスを検証
いまやメルセデスの国内販売においてSUVの占める割合は、およそ25%にもなるという。そうした中でさらにSUV比率を高めそうなGLAと、コンパクトながら3列目シートを備えた期待のニューフェイス、GLBという2台の新型モデルを試した。
GLシリーズの末弟、GLAは掛け値なしのSUV
まずはGLAから。GLAは2014年に初代が登場して以来のフルモデルチェンジで2代目となった。先代はいかにもAクラスをベースに車高を高くしてSUV風に仕立てたクロスオーバーモデルのようなスタイリングだったが、新型でもプラットフォーム(MFAII)はAクラスと共通とはいうものの、まったく別物の掛け値なしのSUVになった。
最近流行のSUVクーペスタイルを採用したGLA
スタイリングは前後のオーバーハングを切り詰め、Aピラーをねかせ、リヤにむかってなだらかに下降していくルーフラインと、最近流行のSUVクーペのようだ。これはGLBが追加されたこともあって思い切った棲み分けが可能になったこともあるだろう。先代比では、全長+10mm、全幅は+45mm、全高は+95mmとなっている。また30mm延伸したホイールベースは主に後席を広くすることにあてられている。
後席にも充実した調整機構を搭載
後席のレッグスペースは先代より116mm広くなった。さらに2列目シートは140mmの前後スライドが可能で、バックレストの角度は7段階で調整可能となっている。二段床になったラゲッジスペースや足をバンパー下部に差し込むことでテールゲートを開閉できるEASY-PACK自動開閉式テールゲートを標準採用するなど使い勝手もよい。またサイドシルまでを覆うドアは乗降性を高めるとともに、乗り降りの際に衣服が汚れるのを防ぎ、また側面衝突時の保護性能を高める役割も担っている。
インフォテインメントシステムはSクラス譲り
インテリアはメーターナセルを省き、メーター類とインパネ中央の2つの10.2インチモニターを一体のものとした大型液晶パネルを中心に構成する最新のメルセデスデザインに則ったものだ。ステアリングの左右のスポークに配されたコントロールボタンを使いこなせば、インフォテインメント機能やメーターディスプレイ表示の切り替え、ACCの設定などが即座に行える。「ハイ、メルセデス」と話しかければ起動する自然対話式音声認識機能を搭載したインフォテインメントシステム「MBUX」も標準装備する。
日本仕様のGLAに設定されたパワートレインはいまのところ、2.0リッター4気筒ターボディーゼルに8速DCT、フルタイム4WDを組み合わせた「GLA 200d 4MATIC」の一択のみ。最高出力は150psと驚くほどでもないが、最大トルクは1400rpmから320Nmを発揮するだけあって、1730kgある車体を苦もなく発進、加速させる。そしてDCTにありがちな低速でのギクシャク感もなく、スムーズにシフトアップしていく。
発売前から爆発的な人気を博していたGLB
ここでもう一方のGLBに乗り換える。こちらも同じくMFIIプラットフォームを用いたSUVだ。最大の特徴はGLA比で全長210mm、ホイールベースを100mm伸ばし、全高を95mmあげて、広い室内空間を確保し、3列シート7人乗り仕様を実現したことだ。
実用的な3列目シートはファミリーユースに応える
2列目シートが140mmスライド可能な点はGLAと共通。バックレストは8段階で角度調整が可能だ。そして日本仕様では特にアナウンスされていないが、本国では3列目シートは身長168cm以下の人が座ることを推奨している。身長178cmの筆者も少し無理をすれば座れなくはないのだけれど、これはスペースの問題だけではなく、衝突安全性を考慮しての推奨値というのがなんともメルセデスらしい。3列目シートの剛性感の高さやヘッドレストの作りこみ1つをとっても、安全へのこだわりがみてとれる。
SUVらしいコンベンショナルでスクエアなフォルム
エクステリアデザインは、クーペライクなGLAに対して、SUVらしく全体的にスクエアなフォルムになっている。ほぼ垂直に切り立ったフロントグリルやテールゲートなど、どこかGクラスを彷彿とさせるもので、ヘッドライトやテールライトなども専用のデザインが施されている。
インテリアは、センターに大型液晶モニターを配し、真下にジェットタービン型のエアコン吹き出し口を置き、さらにその下にエアコンの操作パネルを配置する基本構成は共通のもの。ただし、ダッシュボード全体の造形としては、GLAがBクラスと共通したデザインであるのに対して、GLBは助手席の前にドアグリップと同様のアルミ調のパネルを配するなどして差別化を図っている。フロントシートはたっぷりとした座面サイズで包み込まれるような座り心地があじわえる。
試乗車はガソリンとディーゼル、異なるエンジンを搭載
パワートレインは、2.0リッター直列4気筒ガソリンターボに8速DCT、そしてフルタイム4WDを組み合わせた「GLB 250 4MATICスポーツ」と、GLAと同じ2.0リッター4気筒ターボディーゼルに8速DCTで前輪を駆動する「GLB 200 d」という2種類の設定となっている。
試乗車は前者の「GLB 250 4MATICスポーツ」だった。最高出力は224ps、最大トルクは350Nmを発揮するだけあって、GLAに比べると明らかにパワフルさを感じる。車両重量を確認してみたら、GLAとの差はわずかに+30kgのみ。ボディが大きく、3列シートまで装備していてその差ということは、やはりディーゼルエンジン(+補機類)はそれなりに重量がかさむということだろう。
(後編に続く)
REPORT/藤野太一 (Taichi FUJINO)
PHOTO/服部真哉(Shinya HATTORI)
【SPECIFICATIONS】
メルセデス・ベンツ GLA 200 d 4MATIC
ボディサイズ:全長4415 全幅1835 全高1620mm
ホイールベース:2730mm
車両重量:1710kg
エンジン:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
総排気量:1949cc
ボア×ストローク:82.0×92.3mm
最高出力:110kW(150ps)/3400-4400rpm
最大トルク:320Nm/1400-3200rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:4WD
タイヤサイズ:前後235/55R18
車両本体価格(税込):502万円
メルセデス・ベンツ GLB 250 4MATIC スポーツ
ボディサイズ:全長4650 全幅1845 全高1700mm
ホイールベース:2830mm
車両重量:1760kg
エンジン:直列4気筒DOHCターボ
総排気量:1991cc
ボア×ストローク:83.0×92.0mm
最高出力:165kW(224ps)/5500rpm
最大トルク:350Nm/1800-4000rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:4WD
タイヤサイズ:前後235/45R20
車両本体価格(税込):696万円
【問い合わせ先】
メルセデス・コール
TEL 0120-190-610
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みんなのコメント
どちらもベストバイとは程遠い、ベンツブランドで流行りのSUVを取り敢えず欲しいというユーザー向けの商品。
中身はFFベースの安物、パッケージは無理やり急ごしらえ、製造は片や東欧・片やメキシコ、その割にはジャパンプレミアムな高価格設定。。。
これ二車択一で持ち上げるのは、さすがは欧州車チンドン屋のゲンロクさんですね!!