東京オートサロン2023で世界初公開された、三菱「デリカミニ」。1月13日より、全国の三菱販売店にて予約注文の受付が開始となっており、正式発売日は5月の予定だ。
デリカミニは、三菱の軽スーパーハイトワゴン「eKクロススペース」をベースに、SUVテイストのカスタムが施されたモデル。「SUV風味の軽スーパーハイトワゴン」といえば、2022年10月に登場したダイハツ「タントファンクロス」や、スズキ「スペーシアギア」など、いま注目のカテゴリだ。ここに今回、デリカミニが加わったわけだが、今後この3モデルの販売合戦は非常に気になるところ。
おおーー売れそう!! 三菱新型デリカミニ登場で波乱のSUV風軽スーパーハイトワゴン3強決戦!!!
はたして、この3モデルで、もっとも「SUV度」が高いのはどのモデルか!?? デリカミニの詳細をご紹介しつつ、3モデルの「SUV度」についても、考察しよう。
文:吉川賢一
写真:MITSUBISHI、DAIHATSU、SUZUKI、ベストカーWEB編集部、エムスリープロダクション
デリカの血を継いだデザインと、4WDの走りで勝負
前述したように、デリカミニは、eKクロススペースをベースに、SUVテイストのカスタムが施されたモデル。確かに前後のバンパーを除いたボディパネルやインテリアは見慣れたデザインだが、フロントとリアのバンパー、そして大径タイヤの装着とホイールデザインを変わったことで、印象がだいぶ変わっていた。特に、やんちゃな目つきのヘッドライトや、格子状模様が入ったフロントグリルが印象的で、「デリカ」の名に恥じない、三菱らしさに溢れたモデルに仕上がっている。デリカミニの商品開発責任者である藤井康輔氏も、このデザインを、デリカミニの強みとして挙げていた。
そしてもうひとつ、藤井氏がデリカミニの強みとして挙げたのが、テストコースで念入りにチェックしたという4WD専用の足回り(リアのショックアブソーバー特性を変更)だ。藤井氏は、「アウトドア系の雰囲気を持つスーパーハイト軽ワゴンは、ライバルがたくさんいるが、デリカミニは、大径タイヤと専用チューニングのショックアブソーバーによって、ライバルとはかなり異なった乗り味に仕上がっている。ぜひ乗り比べていただきたい。」と、自信たっぷりに語っていた。
走りのポテンシャルが高いeKクロススペースを起点としていることもあり、その走りは十分期待できる。なお、現時点で判明している、グレード構成とおおよその価格帯は、グレード構成としては「標準」と「プレミアム」の2種類、駆動方式は2WDと4WD、パワートレインはターボとNAを設定、価格帯は約180万~225万円(税込)の予定、といった内容だ。
TAS2023にて世界初公開されたデリカミニと、商品開発責任者の藤井康輔氏
ホイールアーチをブラックアウトしたことで、更に大径タイヤを履いているように見える
リアビューは、無骨なデザインのリアバンパーや、大きな「DELICA」の文字が表現されたリアゲートが特徴
SUV度は、デリカミニが頭ひとつ抜けている
では、気になるスペーシアギアとタントファンクロスとの「SUV度」の比較について考えていこう。ご存じのとおり、スペーシアギアは、2022年の軽自動車販売台数3 位の「スペーシア」をベースに、そしてタントファンクロスは、同販売台数で2位の「タント」をベースに、SUV風にカスタムされたモデルだ。(ベースモデルは)どちらも年間10万台強売れている大人気車で商品力も高く、そのカスタム版であるスペーシアギアもタントファンクロスにも、その高い商品力は受け継がれている。
では、SUVとしての使い勝手を比較していこう。タントファンクロスの魅力は、なんといっても助手席「ミラクルオープンドア」の利便性だ。アウトドアが好きな方であれば想像つくと思うが、アウトドアシーンでは、車内の広さはもちろん、大量の荷物をストレスなく出し入れできることもポイントだ。その点タントファンクロスは、助手席側のドアを完全開放し、タープやテント、折りたたみチェアなど、大きくて長い荷物を取り出すシーンでは、果てしなく便利。
スペーシアギアも、荷室床面高さがベースのタントよりも低くなっているため、荷物の出し入れをしやすく改良されている。また、床面が硬めの樹脂でできた防汚仕様となっているため、後席を倒してフラットフロアにし、自転車やサーフィンボード、アウトドアグッズのような硬いアイテムを積んだ際も、床面が頑丈なのでダメージを受けにくい。スズキ車ならではの魅力として、全方位モニターなどの便利なアイテムがリーズナブルに装着できるのもポイントだ。
タントファンクロスは、アウトドアシーンで活きる「ミラクルオープンドア」の利便性がメリット
スペーシアギアは、荷室の使い勝手が抜群に良い
デリカミニも、荷室床面高さはスペーシア並に低く、積載量はトップクラス。ミラクルオープンドアほどの「飛び道具」はないものの、約 650mmと開口部が非常に広く、まさに「タントファンクロスとスペーシアギアのいいとこ取り」をしたのが、デリカミニだといえるのではないだろうか。
大径タイヤと専用チューニングのショックアブソーバーの効果については、試乗してみないとわからないところではあるが、4WD制御には絶大な自信を持つミツビシが味付けしたとなれば、雪道や悪路でも安定した走りは期待できるはずだ。デリカと名乗る手前、中途半端な走破力であるはずはないだろう。
◆ ◆ ◆
東京オートサロン2023では、コールマンとコラボした派生車もお披露目された。ぜひデザインスタディに留めることなく、商品として出し続けてほしい。また、BEVのデリカミニも急ぎ用意してほしいところだ。
三菱を代表するモデルである「デリカ」の名を冠したデリカミニ。「ミニ」であっても、三菱の育て方次第では、あの「パジェロミニ」のように、愛されるブランドになるはずだ。今後の活躍に期待している。
コールマンとコラボしたデリカミニ。内外装やホイール、ルーフキャリアなど、アクセサリーが豊富にそろう
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みんなのコメント
デリカD:5みたいに、JAOSなどのパーツメーカーが色んなカスタム部品を出してくれたらいじりがいありますね。