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電動化してもV6ミドシップの特徴は残す マセラティMC20フォルゴーレ 初のEVスポーツ

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電動化してもV6ミドシップの特徴は残す マセラティMC20フォルゴーレ 初のEVスポーツ

V6モデルのキャラクターを継承

2024年に登場するマセラティMC20フォルゴーレは、電動スポーツカーの旗手として、ミドエンジン特有のスタイリングとハンドリング、そして圧倒的な加速と卓越したユーザビリティを併せ持つモデルとなる。

【画像】新時代のイタリアン・スーパースポーツ【マセラティMC20とグラントゥーリズモ・フォルゴーレを写真で見る】 全59枚

マセラティCEOのダヴィデ・グラッソは、AUTOCAR英国編集部のインタビューで、MC20フォルゴーレへの期待と希望を語った。このモデルは、内燃機関の廃止を進めるマセラティが2026年までに発売する6台のEVのうちの1台だ。

何よりもマセラティが目指すのは、既存のV6エンジン搭載のMC20のキャラクターやエンゲージメントを失うことなく、性能を大幅に向上させることだとグラッソCEOは言う。

「EVとICE(内燃機関自動車)とでは、加速の仕方が違います。しかし、ハンドリングの観点からも、スピードの観点からも、EVのMC20はわたし達の知る限り、完全に電動化された最初のスーパースポーツカーになるでしょう」

MC20フォルゴーレはまだ開発段階にあるため、グラッソCEOは、その具体的な性能や技術的な詳細については語らなかった。しかし、新型グラントゥーリズモのV6仕様とEV仕様のキャラクターの違いが、MC20のバリエーションの違いを示す指標になるだろうと述べている。

「グラントゥーリズモのフォルゴーレとICEを運転すれば、MC20のフォルゴーレとICEの違いも感じてもらえると思います」

MC20フォルゴーレは、グラントゥーリズモとSUVのグレカーレに続く、マセラティ3台目のEVとして2024年に発売される予定だ。また、次世代のクアトロポルテとレヴァンテは、当初からEV専用車となることが決まっている。

MC20は、当初からICEとEVの両方を想定していたため、構造的には既存モデルとよく似たものになる。

バッテリーはシート背後へ?

グラントゥーリズモでは、V6エンジンの550psに対しEVは760psと、最高出力が高められている。MC20フォルゴーレの出力がこれと同じであれば、138kg-mという強大なトルクと相まって、発進加速が劇的に向上するはずだ。

しかし、グラントゥーリズモ・フォルゴーレはV6よりも500kg近く重いため、MC20フォルゴーレでも重量増の影響を軽減することが優先課題となっている。グラッソCEOが望むように、既存のICEとダイナミクスと一致させるためには不可欠であろう。

MC20フォルゴーレの駆動方式は、リアに2基、フロントに1基のモーターを搭載し、必要に応じて後輪駆動と四輪駆動を使い分けるトライモーター方式が採用されると予想される。

スタイリングとしては、空力性能を高める対策が施されているものの、外観はICEとほぼ同じになる見通しだ。

以前の予告画像によると、重量配分の最適化と低重心化のために、バッテリーをシート背後に配置することが示唆されている。

ポルシェやロータスは、ICE特有のダイナミクスを維持するために、2シーターの電動スポーツカーに同様のレイアウトを採用している。これにより、見慣れたプロポーションとパッケージングを可能にするという利点もある。

バッテリーは、グラントゥーリズモと同様に270kWの急速充電に対応。83kWhバッテリーを使用すれば、1回の充電で480km以上の航続距離を実現できるだろう。

MC20フォルゴーレには現在、直接のライバルとなるモデルがいない。高出力EVは、ロータス・エヴァイヤやリマック・ネヴェーラなど希少性の高いハイパーカーが占めており、従来のミドエンジン・スーパーカーに相当するEVはまだ実現されていないのである。

フェラーリは2025年に初のEVを発売する計画だが、セグメントやタイプについての詳細はまだ明らかではない。一方、ランボルギーニとマクラーレンのEVは、2+2のグランドツアラーという形で2020年代末に登場する見込みである。ホンダはNSXの後継EVを開発するが、発売時期は未定であり、近日公開予定のアルファ・ロメオの限定生産スーパーカーにはV6エンジンが使用される可能性がある。

グラッソCEOは、マセラティが電動スーパースポーツカー・セグメントのパイオニアとなることに「非常に興奮している」としながらも、「一番手になることではなく、パフォーマンスの面で最高であることも重要」と付け加えた。

ダヴィデ・グラッソCEOとの一問一答

――マセラティは電動化に伴い、ラインナップを拡大するのでしょうか?

「マセラティには、スポーツセダン、大型SUV、DセグメントSUV、グランドツアラー(スポーツクーペ)、そしてスーパースポーツカーがあります。つまり、5つの銘板を持つことになるのです」

「マセラティのようなブランドでは、これらのモデルを微調整し、洗練させ、完成度を高め続けることで、品質、デザイン、エモーション、パフォーマンス、ラグジュアリーが比類ないものであることを、消費者に実感してもらうことが目標になります」

――グレカーレは、マセラティが目指す「メインストリーム」なのでしょうか?

「『メインストリーム』の1つの解釈は、すべての人を喜ばせようとすることですが、それは決してネガティブなことではありません。なぜなら、『本質的な』アパレルを売るのであれば、メインストリームであることは絶対に正しいことだからです。しかし、わたし達はベーシックなアパレルではなく、クルマを、それも高級車を売っているのです」

「そのため、オールマイティに使えるという点では、マセラティ・グレカーレは『日常的で特別な存在』なのです。マセラティにメインストリームという言葉は似合いませんが、グレカーレは日常的で特別な存在なのです」

――最終的に利益率20%を目指しているそうですね。そのためには、パーソナライゼーションも重要になってくるのでしょうか?

「フオリセリエ・プログラム(マセラティのオーダーメイドプログラム)がますます発展していくでしょう。ただ、製造能力にも投資していますので、それが利益率にとって重要であることはおわかりいただけると思います」

「『行動の核心は、すべてお客様のためにある』ということにあります。現代の高級品の顧客は、他人と差別化するためにパーソナライズされたオブジェを手に入れるためなら、もっとお金を払ってもいいと考えています。パーソナライズは、快適性の問題であったり、美観の問題であったり、性能の問題であったり、時にはそのすべてであったりします。ですから、わたし達はそのための能力を構築しています。そして、それらを素晴らしい結果とともに提供するつもりです」

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みんなのコメント

5件
  • ホンダもこんな素敵なスポーツカーを作れればいいのにね。
    ソニーと一緒になれば作れるのかな?
  • 歴代でも最高峰に美しいスーパーカー
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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