現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > クラウンを買いに来るのは相変わらずおじさんなのか? それとも新しいお客さんが集まっているの?

ここから本文です

クラウンを買いに来るのは相変わらずおじさんなのか? それとも新しいお客さんが集まっているの?

掲載 59
クラウンを買いに来るのは相変わらずおじさんなのか? それとも新しいお客さんが集まっているの?

 クロスオーバーモデルとして、華々しくデビューされた新型クラウン。世界市場での販売に向け、デザインやユーティリティーは時代に合わせたブラッシュアップが行われ、様々なユーザー層から注目を集めている。

 これまでのクラウンユーザーは平均年齢が高く、圧倒的に男性人気が高かった。大幅なイメージチェンジにより、クラウンを求めるユーザー層にも変化は起きたのだろうか。販売現場への取材をもとに、クラウン購入層の変化を確認した。

クラウンを買いに来るのは相変わらずおじさんなのか? それとも新しいお客さんが集まっているの?

文/佐々木 亘、写真/ベストカー編集部

■圧倒的! 60代以上のクラウンユーザー

4タイプの中で最初に発売された新型トヨタ クラウンクロスオーバー

 これまで登場してきたクラウンは15世代。今回の新型が16代目となるわけだが、長い間クラウンのメインユーザー層は変わっていない。

 男女比は7:3から8:2の割合で男性が多く、購入ユーザーの年代構成比は60代以上が圧倒的であり、全体の半数以上を占めるのだ。

 初代から高級感を売りに、日本車のトップを守り続けてきたクラウン。威厳や風格が重んじられ、「いつかはクラウン」という羨望の的になったのは言うまでもない。クラウンに乗ることができるのは成功者であり、地道に年功序列の日本企業の中で、長い間勤め上げてきた人に限られるというイメージもついている。

 そうなると必然的に、購入年齢層は高くなるだろう。クラウンは、高度経済成長期に生まれ、バブル経済期を過ごした人たちにとっての、憧れの的だ。同価格帯の高級車は他にもあるが、それでもクラウンを選ぶ理由は、クラウンが若いころからの「憧れ」であったことが、大きな理由となっている。

■幾度も若返りを図ったクラウン! 今回は?

1999年登場のトヨタ クラウンアスリート。8代目の特別仕様車に使用されたアスリートが、単一グレードとして復活した11代目あたりから、クラウンは少しづつ若年ユーザーのほうを向き始めた

 クラウンが少しずつ若年ユーザーの方を向き始めたのは、11代目の17系が誕生したころからだろう。8代目クラウンの特別仕様車に使用されたアスリートが、単一グレードとして復活し、走りの良い、カッコいいクラウンが登場する。

 12代目はゼロクラウンと銘打ち、スタイリングを大幅に刷新した。今の30代前半の人たちが、幼少期に多く見かけた(乗っていた)クラウンであり、近年のクラウンと比較すればコンサバな外観が、若中年層からの支持を集めている。中古車としての人気も高い。

 そして記憶に新しいリボーンを掲げ、人気アニメをオマージュしたCMを流し続けた14代目、そして先代にあたる15代目と、近年のクラウンは若返りを強く意識してきた。しかし、ユーザー層は大きく変化せず、60代以上が半数を占める状態は変わっていない。

 クロスオーバーモデルとなった今回のクラウンは、果たしてどのユーザー層に刺さっているのか、販売現場の様子から紐解いていこう。

■若者に浸透するか? 新型クラウンの今後

JR名古屋駅前のトヨタショールームに展示された新型クラウンクロスオーバー

 クラウンでありクラウンではない、そんな意見も多い今回のクラウン。それでもネームバリューは強く、予約販売の多くは歴代クラウンユーザーだという。

 華々しく発表されたクラウンだが、まだ販売現場に展示車両や試乗車は届いていない。生産日程が後ろ倒しになり、メーカーへの注文も出来ない状況だ。実質的には予約注文となっているクラウンをオーダーしていくのは、「クラウン」という名前に、絶大な信頼を置くユーザーに限られている。

 ワールドプレミア後に東京、そして愛知と、新型クラウンの実車を見ることができる機会は少しずつ増えてきた。ディーラーでは、これまでのクラウンよりも、より実車を見てから購入するという人が増えるのではないかと考えているようだ。

 これまでになく、新しいお客様が多いと語るのは、これまで歴代クラウンを専売してきたトヨタ店の営業マンだった。

 電話やメールでクラウンに対する問い合わせが多く、問い合わせの多くは30代~40代のユーザー層からだという。今のところ、現車を見て、試乗してから決めたいという人が多い。新しいクラウンは、新しいユーザー層にリーチすることに成功しているのではないかと話していた。

 現状はクラウンというネームバリューが強い。しかし、これまでにない4つのボディタイプが揃い、クラウンのイメージが大きく変わりつつある。クラウンに向けられる市場の目が、大きく変わる可能性は高いだろう。

 これまでクラウンを扱ってこなかった販売チャネルでは、他メーカーのユーザーや、自社の若いユーザーがクラウンに興味を示す姿も多いようだ。

 各年齢層に訴求できる商品力は十分に備わったクラウン。若返りを成功させるには、販売側の年齢を意識させない売り方も需要になってくる。実車を見る機会が増える秋口に、販売店が分け隔てなくクラウンを提案し続けられれば、これまでクラウンに興味を示さなかった層が、大きく動きだす可能性は高いだろう。

 散切り頭を叩いてみれば文明開化の音がする。維新となる16代目のクラウンは、クラウン自身はもちろん、ユーザーにも変化を与えてくれる存在になるはずだ。

こんな記事も読まれています

やったー!!! 往年の[F1オヤジ]は涙が止まらないんじゃない!? 伝説のマシン[ウィリアムズFW14B]が作れちゃう!!!!!
やったー!!! 往年の[F1オヤジ]は涙が止まらないんじゃない!? 伝説のマシン[ウィリアムズFW14B]が作れちゃう!!!!!
ベストカーWeb
令和に復活!? AE86に突如誕生した「新グレード」G16Eがヤバすぎるんですけど!!
令和に復活!? AE86に突如誕生した「新グレード」G16Eがヤバすぎるんですけど!!
ベストカーWeb
ランボルギーニ、WEC不参加は「撤退」ではなく「休止」。LMDhプログラムはIMSAで継続へ
ランボルギーニ、WEC不参加は「撤退」ではなく「休止」。LMDhプログラムはIMSAで継続へ
AUTOSPORT web
新型[コペン]は1.3L直3ターボのリッターカー!!!!! 本当にデビューするのか!?
新型[コペン]は1.3L直3ターボのリッターカー!!!!! 本当にデビューするのか!?
ベストカーWeb
F1の全10チームが、多様性と包括を改善するための憲章に合意。ハミルトンの慈善団体『ミッション44』が支援
F1の全10チームが、多様性と包括を改善するための憲章に合意。ハミルトンの慈善団体『ミッション44』が支援
AUTOSPORT web
[ランクル300]が注文できるかも!? マイチェン予定が延期に……思わぬ嬉しい誤算とは?
[ランクル300]が注文できるかも!? マイチェン予定が延期に……思わぬ嬉しい誤算とは?
ベストカーWeb
ああぁ懐かしのマツダ流ミニバン[MPV] 今こそマツダにはミニバンが必要だ!
ああぁ懐かしのマツダ流ミニバン[MPV] 今こそマツダにはミニバンが必要だ!
ベストカーWeb
Z世代が「エリーゼ」で「ロータス カップ」に挑戦! 最終戦でついに4台中3位で念願のクラス表彰台ゲット…オフシーズンに修行して参ります
Z世代が「エリーゼ」で「ロータス カップ」に挑戦! 最終戦でついに4台中3位で念願のクラス表彰台ゲット…オフシーズンに修行して参ります
Auto Messe Web
動体検知機能付きで駐車中も安心! KENWOODから前?と後?の同時録画に対応した2カメラドライブレコーダー「DRV-G50W」が登場
動体検知機能付きで駐車中も安心! KENWOODから前?と後?の同時録画に対応した2カメラドライブレコーダー「DRV-G50W」が登場
くるまのニュース
豪華で手頃なサイズが魅力 ジャガー Eペイス UK中古車ガイド オシはD180 見た目より広い車内
豪華で手頃なサイズが魅力 ジャガー Eペイス UK中古車ガイド オシはD180 見た目より広い車内
AUTOCAR JAPAN
ちらり肌見せが今っぽい! SUPER GTの「LEON RACING LADY」はファッショナブルなコスチュームでK2 R&D LEON RACINGをサポート!
ちらり肌見せが今っぽい! SUPER GTの「LEON RACING LADY」はファッショナブルなコスチュームでK2 R&D LEON RACINGをサポート!
Auto Messe Web
ポルシェ、電動モデル『タイカン』に“GTS”と4輪駆動の“4”を追加設定。左ハンドル仕様も初導入
ポルシェ、電動モデル『タイカン』に“GTS”と4輪駆動の“4”を追加設定。左ハンドル仕様も初導入
AUTOSPORT web
ライバルもフェルスタッペンの選手権4連覇を祝福「すべて彼の力によるものだ」「彼の時代が来たことを裏付けている」
ライバルもフェルスタッペンの選手権4連覇を祝福「すべて彼の力によるものだ」「彼の時代が来たことを裏付けている」
AUTOSPORT web
トヨタ、ダカールラリーの王座奪還へ。2025年は6台の最新型ハイラックスを投入
トヨタ、ダカールラリーの王座奪還へ。2025年は6台の最新型ハイラックスを投入
AUTOSPORT web
全長5m超え! 新型「最上・最高級SUV」世界初公開! 奇抜な“一文字ライト”&「3列7人乗り」豪華ラウンジ風内装採用! “メーカー初の機能”も搭載の「アイオニック9」発表!
全長5m超え! 新型「最上・最高級SUV」世界初公開! 奇抜な“一文字ライト”&「3列7人乗り」豪華ラウンジ風内装採用! “メーカー初の機能”も搭載の「アイオニック9」発表!
くるまのニュース
ポルシェの空力モンスターマシン! サーキットで911 GT3 RSを変貌させる「マンタイ・キット」がリリース
ポルシェの空力モンスターマシン! サーキットで911 GT3 RSを変貌させる「マンタイ・キット」がリリース
VAGUE
2026年のF1参戦に関する基本合意について、GM社長は「世界最高峰のシリーズに参加するのは名誉なこと」コメント
2026年のF1参戦に関する基本合意について、GM社長は「世界最高峰のシリーズに参加するのは名誉なこと」コメント
AUTOSPORT web
若手成長株が初ポールから今季最多の3勝目。新型SUV『トヨタ・カローラクロス』も登場/SCB第11戦
若手成長株が初ポールから今季最多の3勝目。新型SUV『トヨタ・カローラクロス』も登場/SCB第11戦
AUTOSPORT web

みんなのコメント

59件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

48.0890.0万円

中古車を検索
クラウンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

48.0890.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村