最高を融合させた最後のアヴェンタドール
純粋な内燃エンジンのフラッグシップ・ランボルギーニとは、これでお別れ。アヴェンタドール LP780-4 ウルティマエは、V型12気筒エンジンのみを動力源とする、ブランド最後のモデルだ。
【画像】ラスト・アヴェンタドール LP780-4 ウルティマエ 競合のハイパフォーマンスと比較 全149枚
だが、サンターガタで職人が手作りするスーパーカーの中心に、V型12気筒が納められるのは最後ではない。間もなく姿を現すであろうアヴェンタドールの後継モデルにも、採用されている。
それは、ハイブリッド化されるという。でも、ターボは搭載されない。ハイブリッド化を惜しむのはやめておこう。重要な新世代が控えているのだから。とはいえ、フラッグシップ・モデルとのお別れは1つの節目であり、寂しい。
アヴェンタドールの発売は2011年。最高出力700psのLP700-4は、先代のムルシエラゴから2世代分の進化だと、当時のCEO、ステファン・ヴィンケルマン氏は誇らしげに話していた。
人間工学はドラマチックに改善されていた。鋼管スペースフレーム構造をやめ、カーボンファイバー製のモノコックを採用。まったく新しい、ドライサンプ化された6.5L V型12気筒がその中心部に搭載されていた。
LP780-4 ウルティマエは、そのモデルライフを締めくくる。奇抜なスタイリングの超高価なスペシャルとは違う。英国価格は34万4900ポンド(約5518万円)と、従来からの延長上にある。
これまでの最高を融合させたといえ、最も訴求力の高いアヴェンタドールだと思う。歴代のランボルギーニのV12エンジン・モデルでも、秀作の1台に数えられるだろう。
SVJのエンジン+Sから25kgの軽量化
まずはエンジンルーム内から確認していこう。ガラスパネルが階段状に重ねられたエンジンリッドの内側で、ブロンズ色のカムカバーが鈍く輝く。
搭載位置は低く、エンジンのヘッドまわりでも筆者の膝程度しかない。排気量は6.5Lのままだが、その由来はアヴェンタドール SVJ。最高出力780psを8500rpmで発揮する。レッドラインの、僅か200rpm手前という高回転型だ。
必要な場合にのみ、ハルデックス・クラッチを介してフロントにも駆動力が伝えられる四輪駆動のトラクションを活かし、0-100km/h加速は2.8秒。最高速度は355km/hで、歴代最速のランボルギーニの座を奪った。
シャシーは、基本的にはアヴェンタドール S。しかし、車重はそれより25kg軽い。チタン製のエグゾーストシステムと、センテナリオ風のボディとリア・ディフューザーなどの効果によるものだろう。
7速セミ・オートマティックは、容赦なく変速を敢行するISR(インディペンデント・シフティング・ロッド)という技術を採用。四輪操舵システムも搭載する。
実際に運転した印象は、アヴェンタドール Sと比較して、鋭く速い。Sでも既に十二分のパワフルさを備えているが、イタリアの丘陵地帯のストレートで、ウルティマエは尋常ではない勢いで速度を乗せていく。
それでも、まだアクセルペダルのストロークは沢山残っていた。そのポテンシャルに圧倒されてしまった。
感覚的な訴求力が強くダイレクト
回転数が6000rpmを超えた辺りから、明確にパワー感が高まる。ターボで加給されるユニットと比較して、自然吸気はメカニカルで生々しいから感覚的な訴求力が強い。フェラーリSF90 ストラダーレのハイブリッドが生む、鋭いアクセルレスポンス以上に。
オーバースクエアのV型12気筒は、ドライバーとダイレクト。ほかに、一切の混ぜものはない。
シフトアップのフィーリングには、余り魅力を感じないかもしれない。7速セミATは、次のギアを選ぶのに少しの時間を必要とする。変速の度に、トルクの流れが絶たれる。
クラッチの接続と同時に重心が移動し、リズムが乱され、ドライバーの自信が薄れる。だが、ウルティマエにドラマチックさを加えてもいる。
デュアルクラッチATを採用するであろう、アヴェンタドールの後継モデルは2023年に待っている。進化するライバルとの差を埋めるように、より上質なシートなど、付加的な要素に頼っている部分があることも確かだ。
それでも、ウルティマエのドライビングに強く陶酔してしまう。次期モデルは、ドライバーにひと回り小さく感じさせる扱いやすさが欲しいと思うものの、SやSVJよりは近づきやすい。
ボディサイズを理解すれば、リアタイヤ寄りのコーナリングバランスを味わえるようになる。ステアリングホイールは繊細で、重み付けは自然。乗り心地はしなやか。シャシーの能力を探りたいと思えてくる。
カリスマ的な12気筒のラストバージョン
過去最高のアヴェンタドール、ウルティマエのオーナーになれるのは世界で350名のみ。ロードスター版にも、250人が名乗り出ることができる。
スーパーカーとして、ドライバーに求める制限もゼロではない。とはいえ、アヴェンタドールの記念すべきラストバージョンに、それを気にする人はないだろう。
来年には、ランボルギーニのフラッグシップ・スーパーカーは、ゼロエミッション・ゾーンでも運転できるようになる。自律運転の能力も、獲得してくるはず。
そう考えた時、カリスマ的な自然吸気のV型12気筒エンジンへ、改めて強く惹かれてしまう。癖のあるドライブトレインすら、魅力に感じられてくる。
完璧ではないかもしれないし、欲求不満が生じるかもしれない。だとしても、アヴェンタドールの最後を締めくくるウルティマエは、比類なく特別な存在だ。
ランボルギーニ・アヴェンタドール LP780-4 ウルティマエ(欧州仕様)のスペック
英国価格:34万4900ポンド(約5518万円)
全長:4780mm(標準アヴェンタドール)
全幅:2030mm(標準アヴェンタドール)
全高:1136mm(標準アヴェンタドール)
最高速度:355km/h
0-97km/h加速:2.8秒
燃費:4.6km/L
CO2排出量:442g/km
乾燥重量:1550kg
パワートレイン:V型12気筒6498cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:780ps/8500rpm
最大トルク:73.2kg-m/6400rpm
ギアボックス:7速セミ・オートマティック
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みんなのコメント
新カウンタックなんかより断然、アヴェンタやな!
これはカッコええ〜