タイカンSを凌駕する0-100km/h加速
text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
【画像】最新BMW i4とM3 欧州製純EV 4ドアサルーンと比較 全105枚
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
BMW i4 M50 xドライブの瞬発力は、タイカン・ターボには及ばないにしろ、タイカン4Sに並ぶくらい。BMWによれば、ローンチコントロールを用いた0-100km/h加速時間は、3.9秒としている。タイカン4Sより0.1秒速い。
トランスミッションはシングルスピードで、最高速度は225km/h。タイカンには2段ATが載っており、249km/hまで伸ばすことを可能としている。
アクセルペダルを一気に踏み込んだ時の突き出し感は、本当に激しい。その後も、さも当然のように速度を増していく。それでいて、車内は平穏だからスピードが掴みにくい。
高速域でも、フロントガラスを流れる気流の響きと、かすかなタイヤノイズくらいしか聞こえてこない。オプションで用意されるサウンドジェネレーターをオンにすれば、スピード感は増すかもしれない。でも、今回のプロトタイプには装備されていなかった。
i4 M50 xドライブのパフォーマンスで重要な役割を果たしているのが、クイックに仕事をこなす四輪駆動システム。シャシーの制御システムと連携しており、運転状況に応じて後輪駆動から四輪駆動まで、前後のタイヤへ掛かる駆動力を変化させる。
試乗車が履いていたタイヤは、フロントが245/40の19インチ、リアが255/40の19インチという組み合わせ。トラクションの効きも印象的に高い。発進加速でも、コーナー出口で横Gが掛かった状態からの加速でも、不足を感じる場面はなかった。
ワンペダル・ドライブも可能な回生モード
純EVとして、i4 M50 xドライブのドライビングで得られる充足感は、豊かなパワーを放出するだけでは不十分。条件に応じて最大限に可動する、高度なエネルギー回生システムを活用してこそ活きてくる。
回生システムには2つのモードがあり、Dモードはアクセルオフで惰性走行が優先される状態。ナビゲーションの地形データをもとに、回生ブレーキの強さを自動的に調整してもくれる。
Bモードを選ぶと、最大264psぶんのパワーを回収する制動力優先の状態になる。さらにiドライブのメニューから、効きの強さを強中弱の3段階から選ぶことも可能だ。
最も強力な設定にすれば、アクセルオフでブレーキング時のような減速を得られる。市街地なら、ワンペダル・ドライブも許してくれるだろう。
i4 M50 xドライブのトレッドは純EVの駆動系に対応するため、フロントで26mm、リアで12mm、内燃エンジンを積む4シリーズより広い。サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット式で、リアがマルチリンク式を継承している。
リア側には、エアスプリングが標準装備される。ボディの前後には、剛性を高めるブレース類も追加してあるという。
バッテリーの重量増に対応するため、車高は20mm持ち上げられた。一方で駆動系統の賢明なレイアウトのおかげで、4シリーズより重心高は最大で37mmも下げられている。
秀逸のハンドリングと質量の制御
これらの組み合わせで、i4のダイナミクス特性は非常にまとまりが良い。M3のような路面への見事な追従性までは得られていないものの、スポーティなドライブモード時のハンドリングは秀逸。質量の制御も際立っている。
i4が軽くはないことは常に伝わってくるが、前後の重量配分はM50 xドライブで48:52と良好。実際のバランス感も素晴らしい。
電動パワーステアリングはフィードバックが充分とはいえないながら、回頭性は機敏。BMW Mのエンブレムを備えるだけの、積極性を感じ取れる。
グリップ力も感心するほどに高い。i4のxドライブは基本的に後輪が主役となるようにプログラムされ、高速コーナリング時には、電子制御デフによるトルクベクタリングが機能する感覚も得られる。
一方でニュートラルな姿勢を維持するように、フロントタイヤの介入も比較的早い。コーナリング中は安心感に溢れ、出口では豊かなトルクを開放させ力強く脱出できる。
旋回時の早い段階でアクセルペダルを踏みすぎると、アンダーステアが顔を出す。だが滑らかで漸進的なレスポンスのおかげで、修正も容易だ。
M50 xドライブのスポーティ度を示すように、シャシーの設定は硬め。車高が持ち上げられたことで、うねりのあるような路面では少し浮遊する挙動を示すこともある。だが全般的に姿勢制御は優秀で、流暢な足さばきを実現している。
夢中になれる操縦性と優れた快適性
乗り心地は、エアスプリングの助けもあり、まとまりが良い。細かく波打った区間を通過したり、ワダチを横切るような場面では、少し落ち着かない場面もある。それでもアダプティブダンパーが素早く反応し、洗練性を感じる快適さを保とうとしてくれる。
総合的な動的性能としては、M3に匹敵することはない。それでも、i4 M50 xドライブに独自の魅力が備わっていることは確かだ。完成前のプロトタイプへの試乗だったが、特別な純EVサルーンであることは充分に理解できた。
プラットフォームやサスペンションまわりなどは、内燃エンジンモデルと共有するにも関わらず、非常に完成度は高いと感じた。説明を聞かなければ、純EV用のプラットフォームを採用していると勘違いするほど。
BMW i4 M50 xドライブの並外れたパフォーマンスには、唸らされる。ドライビング体験の充足感はとても高い。運転にこだわりを持つドライバーでも夢中になれる操縦性と、優れた快適性を兼ね備えているようだ。
大容量バッテリーで実現した510kmという航続距離と、知的な回生システムや急速充電能力も、明確なストロングポイント。従来のモデルに置き換わる新しいBMWとして、訴求力の高い4ドアサルーンになることは間違いないだろう。
英国での販売は、2021年9月にスタートする予定だ。
BMW i4 M50 xドライブ・プロトタイプのスペック
英国価格:未定
全長:4785mm
全幅:1852mm
全高:1448mm
最高速度:225km/h
0-100km/h加速:3.9秒
航続距離:510km
電費:4.1-5.3km/kWh
CO2排出量:0g/km
車両重量:−
パワートレイン:ツインAC非同期モーター
バッテリー:80.7kWhリチウムイオン(実容量)
最高出力:543ps(スポーツブースト・モード時)
最大トルク:80.8kg-m(スポーツブースト・モード時)
ギアボックス:シングルスピード・ダイレクトドライブ
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