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キャデラックCTS スポーツワゴンはドイツ車に対抗するプレミアムモデルだった【10年ひと昔の新車】

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キャデラックCTS スポーツワゴンはドイツ車に対抗するプレミアムモデルだった【10年ひと昔の新車】

2009年12月に日本導入が発表されたキャデラックCTSのワゴンバージョン「CTSスポーツワゴン」が2010年2月に上陸した。アメリカ国内でドイツ車を迎撃すべく開発されたCTSは、世界基準であったドイツ車的価値観を持ちながらも、キャデラックならではの味わいも備えていた。Motor Magazine誌では上陸間もなく試乗テストを行っている。ここではその時の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2010年5月号より)

キャデラック史上、北米モデルとして初めてのワゴンモデル
2008年1月に日本で発売開始された、2代目となるキャデラックのミドルクラスセダンがCTSだ。翌2009年1月には、564psを発生する6.2L V8スーパーチャージャーエンジンを搭載したハイパフォーマンスモデルのCTS-Vが登場。そして今回、CTSファミリー3番目のラインナップとして、ワゴンボディを持つ「CTSスポーツワゴン」が上陸を果たした。

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搭載されるエンジンは、新開発となる3L V6と、311ps/374Nmを発生する3.6L V6の2種類。グレードは、廉価モデル「3.0スタンダード」(515万円)、18インチタイヤやHDDナビなど充実の装備が標準となる「3.0ラグジュアリー」(544万円)、ベンチレーションシートなどの装備が追加される「3.0 / 3.6プレミアム」(575.4万円/ 666万円)の4種となる。これはセダンモデルのCTSと同じ車種構成で、全グレード、CTSセダン比でプラス25万円という価格の設定となっている。

100年を超えるキャデラックブランドの歴史上、北米モデルとしては初めてワゴンボディ形状を与えられたCTSスポーツワゴンだが、そのスタイリングにはデザイン上の破綻はない。それどころか、エッジの効いた直線と面が織りなすボディラインや、LEDを用いたティアドロップ形の大型バックライトが目を惹くリアビューの完成度を見ると、2代目CTSが最初からワゴンの登場を前提にデザインされていることが推察できる。

後発ゆえライバルを徹底的に研究したおかげで、荷室の使い勝手は上々だ。高さ方向の余裕は少ないが、張り出しも小さく、大容量の床下スペースもあり実用性は高い。また全グレードで電動リフトゲートを採用し、リモコンキーでの開閉操作も可能。さらにリアゲートの高さ調整メモリ機能も付くため、高さ制限のある駐車スペースでも安心して開閉できるのは嬉しい。

EクラスやA6、5シリーズのライバルになりうる存在
試乗したのは、HDDナビやBOSE5.1chサラウンドシステムなどが標準となり、充実した装備を持つ3.0ラグジュアリー。日本ではこれがCTSの主力グレードとなる。

室内はアナログの時計やクロームのパネルなど、斬新さと懐古調が絶妙なバランスで調和し独自の上質感を演出している。全グレード標準で装備される本革シートは、イタリア車のように張りのあるもので、肌触りも良くそれでいて適度なフィット感もある。

ポップアップ式の8インチタッチスクリーンを備えるHDDナビはロジックが明快で操作性も非常に良い。これは音声入力も可能だ。

スターターを回してエンジンを始動。目覚める際に低いエンジン音を演出するが、走り出すとその静粛性の高さは特筆すべきもの。直噴の3L V6エンジン+6速ATの組み合わせは特別スポーティな印象はないものの、50:50の重量配分からくるバランスの良さや、FRならではの取り回しの良さを伝えてくる。

ニュルブルクリンクで鍛え上げたと謳うサスペンションは、乗り味は街乗りや首都高速を走る限り、確かに同セグメントのドイツ車に似た締まった印象もある。だが、小さな段差乗り越えなどでは、アメリカ車特有の大らかさややさしさも感じられ、そのバランスがとても心地よい。ドメスティックなものから世界戦略を担うブランドに転換してなお、軸足はぶれずに個性を主張するそのスタンスが、CTSスポーツワゴンのドライビングの楽しさに繋がっている。

3L、3.6Lエンジンともにレギュラーガソリン仕様というところも、このご時世ちょっと嬉しいところだ。ちなみに10・15モード燃費は、3Lモデルで8.4km/Lとなる。

それにしても・・・と思う。装備内容で見てもライバル車と比較してリーズナブルで、さらにこれだけ走りの質も室内質感も高く、乗り味の個性も外観アピール度もあり、総合的な商品力がなかなか高いにもかかわらず、正直認知度はまだ低い。メルセデス・ベンツEクラスやアウディA6、新型BMW 5シリーズなどの購入を考えているならば、ぜひ思い出してもらいたいのがキャデラックCTSという名前。まずは一度、試乗をお勧めする1台だ。

この秋には、スタイリッシュなCTSクーペも上陸する予定だ。CTSファミリーの相乗効果で、今後さらなる知名度向上を狙いたいところ。(文:Motor Magazine編集部 /写真:永元秀和)

キャデラック CTS スポーツワゴン 3.0ラグジュアリー 主要諸元
●全長×全幅×全高:4870×1850×1470mm
●ホイールベース:2880mm
●車両重量:1870kg
●エンジン:V6DOHC
●排気量:2997cc
●最高出力:201kW(273ps)/7000rpm
●最大トルク:302Nm(30.8kgm)/5700rpm 
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:FR
●車両価格:544万円(2010年当時)

[ アルバム : キャデラック CTS スポーツワゴン はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

1件
  • 右ハンドル仕様があったキャデラック
    ちなみに右ハンはタイ生産
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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