人口の高齢化比率が年々高まる中、大きな問題となっているのが高齢者の運転事故だ。池袋暴走事故は大きく報道されたが、他にもドライブレコーダーの普及に合わせて様々な事故映像がニュースなどで紹介されるようになった。
これに対応するため、警察庁は2022年5月13日から高齢ドライバーに免許更新時の実車試験を行うことと、新たにサポカー限定免許を導入することが発表された。その中身をお伝えしよう!
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文/藤田竜太、写真/TOYOTA、Adobe Stock(トップ写真=polkadot@Adobe Stock)
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■高齢運転者対策の充実・強化策登場
75歳以上・80歳以上の高齢運転者による死亡事故件数の推移(警視庁資料より)
令和元年の時点で、日本の総人口は1億2,617万人。そのうち65歳以上人口は、3,589万人で、総人口に占める割合(高齢化率)も28.4%となった。
それに伴い、70歳以上の運転免許保有者は年々増加し続け、令和元年は1195万人となり、運転免許保有者の14.5%を占めている(昭和50年の13万人の90倍弱、昭和61年の80万人の15倍弱)。
分母が増えれば、高齢者による事故件数も必然的に増えるわけで、75歳以上及び80歳以上の高齢運転者による死亡事故件数は、過去十年、毎年400件以上発生している。
ただし、75歳以上及び80歳以上の高齢運転者について、免許人口10万人当たり死亡事故件数の推移を見ると、過去10年間減少傾向にあり、悪化の一方というわけでない。(令和元年は前年と比較していずれも1.3件減少)
とはいえ、「池袋暴走事故」のように高齢者による悲惨な事故は後を絶たず、死亡事故を人的要因別に比較すると、75歳以上の高齢運転者は、操作不適による事故が28%と最も多く、このうちハンドル操作不適が13.7%というデータもある。
こうした相次ぐ高齢運転者による交通事故情勢等を踏まえて、高齢運転者対策の充実・強化策として、警察庁から高齢ドライバーの免許更新時の実車試験とサポカー限定免許が2022年5月13日から導入されることが、2021年11月4日に発表された。
■現在の高齢者講習から正真正銘の「試験」へ
2022年5月から導入される実車試験は合否判定が下され、不合格になると免許証の更新が出来なくなる(Monet@Adobe Stock)
現状でも、70歳以上の運転免許更新時には高齢者講習を受ける必要があり、教習所においてSコース、クランクコース、一時停止、方向変換、進路変更などの実技をおこなうしくみがあるが、これはいわゆる「試験」ではない。
それに対し、2022年5月から導入されるのは、合否判定が下される正真正銘の「試験」で不合格になると免許証の更新が出来なくなる。ただこの実車試験=「運転技能検査」は、高齢者全員が対象なのではなく、75歳以上で一定の交通違反歴がある人だけに義務づけられる。
もう少し詳しくみると、過去3年間に、信号無視、逆走、追い越し車線での長時間走行、速度超過、禁止場所での横断や転回、遮断踏切立ち入り、交差点での右左折時のルール違反、交差点で他の車両の進行を妨害、横断歩行者の妨害、踏み間違いや安全不確認、携帯電話使用の11類型のいずれかの違反をした人が対象だ。
試算では、免許更新する75歳以上の約7%、年間15万3000人が受講する見込み。免許証の更新期間内に繰り返し受検できるが、合格しなければ更新できない。
教習所や運転免許センターで定められたコースを走り、減点方式で採点。100点満点(=減点なし)で、70点以上が合格(二種免許は80点以上)。試験中、信号無視などをしてしまった場合は、一発でアウト。自動車教習所の卒業検定や仮免検定のイメージだと思えば間違いない。
違反歴のある高齢者には思ったよりハードル高いようで、年3万5000人が1回目で不合格となると推定されているほど!(検査の手数料は3550円)
これも見方によっては、免許の自主的返納、いわゆる「卒車」への環境整備の一環ともいえるだろう。
■サポカー限定免許はサポカー車両普及も課題
トヨタ プリウスに装備されるプリクラッシュセーフティ(作動イメージ)
もうひとつの安全運転サポート車(サポカー)限定免許も、2022年5月13日からの開始予定で、申請があれば、即日免許交付される。
運転できるクルマを、自動ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置等の先進安全機能を備えた安全運転サポート車(サポカー)に限ることで、高齢者の運転条件を絞り、事故のリスクを減らそうという試み。
ただし、サポカー限定免許にしても、サポカーを所有していなければ意味がないので、ハード面と一緒にどう普及していくかが今後の課題となるだろう。
いずれにせよ高齢者ドライバーの問題は、高齢者人口が増え続けていく以上、若い人たちにとっても無関係ではいられないはず。
闇雲に高齢者をクルマから遠ざけるのではなく、制度や仕組み、安全技術などを多角的に見直し、幅広い年齢の人たちが安全に共生できる自動車社会を目指していくことが肝要だ。
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