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スーパー耐久ST-Qに参戦するGR86とBRZが新たなカーボンニュートラルフューエルを使用

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スーパー耐久ST-Qに参戦するGR86とBRZが新たなカーボンニュートラルフューエルを使用

 7月8~9日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催されるENEOSスーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONEの今季第3戦、SUGOスーパー耐久3時間レース。この大会では、メーカーの開発車両が参加することができるST-Qクラスには4台がエントリーしているが、そのうち2022年からカーボンニュートラルフューエルを使用して戦っているORC ROOKIE GR86 CNF Concept、Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptの2台が、改良された燃料を使用しているという。

 ST-Qクラスを舞台に戦っているORC ROOKIE GR86 CNF ConceptとTeam SDA Engineering BRZ CNF Conceptは、兄弟車であるトヨタGR86とスバルBRZをベースに、切磋琢磨しながら次期車両に向けた開発を行いつつ、モータースポーツのフィールドでカーボンニュートラルフューエルの使用についても開発を行っている。エンジンも異なり、ORC ROOKIE GR86 CNF ConceptはGRヤリスに使用される1.4リッターターボを使用。Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptは2.4リッター自然吸気ボクサーを使う。

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 2022年から参戦を開始した2台はこれまで参戦以降、WRC世界ラリー選手権等でも使用されているドイツのP1フューエルズ社製のカーボンニュートラルフューエルを使ってきた(ただしWRCのものとは別の種類。なお第2戦から参戦しているCIVIC TYPE R CNF-R、Nissan Z Racing ConceptはGT500と同じハルターマン・カーレス社製を使用)。ここまではGR86、BRZともカーボンニュートラルフューエル由来のトラブル等はなかったが、GRパワトレ開発部の小川輝主査は「燃料希釈の問題がありました」という。

 スーパーGTのカーボンニュートラルフューエルでも起きた事象だが、燃料がシリンダー内でしっかり燃えきらなかったとき、ピストンとシリンダーの間を通り、下に流れ落ちてしまい、オイルと混ざってしまうことがある。これによってオイルの潤滑性能が落ちてしまったり、油面が上がり外にはき出されてしまうなどの事象が起きる。また「当然燃費も悪くなりますし、排気ガスについても燃え残りがあるということは、ハイドロカーボンなど規制している物質が出てしまうことがある」と小川主査は語った。

 ただ、この2台の活動は、将来の量産車や既存のクルマにいかにカーボンニュートラルフューエルを使用できるようにするかということを目指している。そのためにどうすれば良いのかを、TOYOTA GAZOO Racingとスバルの間で「喧々諤々やってきました」と1年間サーキット外を含めて取り組んできた。

 今回、P1フューエルズと開発してきた新たなカーボンニュートラルフューエルは、燃料の蒸留特性を、これまでのものと比較して市販のハイオクガソリンに近づけることに成功した。これにより、希釈に対する性能が50%向上。さまざまな課題克服に向け進みつつあり、第3戦SUGOから、サーキットで実際に使用することで性能の確認を行っていくことになった。

 さらにこれまで、カーボンニュートラルフューエル開発にあたってはターボのGR86、自然吸気のBRZとそれぞれのエンジンで特性をトライしてきたが、「別のかたちの自然吸気のエンジンでもやりたくなりますよね(小川主査)」と、新たにマツダがこの燃料でのトライに加わることになった。

 すでにマツダは、バイオディーゼル燃料を使用するMAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptをST-Qクラスに投入しているが、2023年2月にマツダから発表されているとおり、カーボンニュートラルフューエルを使ったマツダ・ロードスターが夏以降に登場し、ST-Qクラスに参戦することになっていたが、この車両がP1フューエルズの燃料を使う一台になりそうだ。

 トヨタはカーボンニュートラルという大きな課題に向けて『マルチパスウェイ』という手法をとっているが、このカーボンニュートラルフューエルは水素とともに、既存の技術を活かしながら目標へ近づくための取り組みとなる。市販車、そしてユーザーの手元に届けるための技術だが、スバルとともにモータースポーツという極限の性能を追求する舞台を使って行う開発加速が、さらに一歩進んだかたちと言えるだろう。

 なお、もちろんGR86、BRZともに車体面の改良も行われている。GR86はリヤウイングが大型化し、アンダーステア解消、ダウンフォース獲得に貢献している。またBRZもABSの制御適正化やエンジン出力アップ、シフト制御などの改良を行ってきた。BRZは7月7日の専有走行でクラッシュを喫してしまったが、チームの努力により7月8日から走行を再開している。

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みんなのコメント

1件
  • >GR86 CNF ConceptはGRヤリスに使用される1.4リッターターボを使用

    GRヤリスは1.6リッターターボだけど
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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