車種別・最新情報 [2022.10.31 UP]
大注目軽バンのスズキ スペーシア ベース!アウトドア派必見の機能を大解剖!
昨今のキャンプブームも相まって、
人気が高まっているのが「4ナンバー軽商用クラス」。
2018年のホンダ・N-VANに始まり、
昨年末にはダイハツから新型アトレーも登場。
そして、このほど遂にスズキからブランニューモデルがデビュー。
早速注目ポイントを見て行こう!
ホンダ新型ZR-V純正アクセサリー先取り公開!オススメはこれだ!
●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之
SUZUKI 新型スペーシア BASE
●発表&発売:'22年8月26日
●価格:139万4800~166万7600円
●販売店:スズキ全店
●問い合わせ先:0120-402253(スズキお客様相談室)
簡易キャンパーとしても
魅力的な新軽商用モデル
キャビンスペース重視型の軽乗用は大きく2タイプに分かれる。ひとつはスーパーハイト系、もうひとつは1BOX型である。荷室も含めたキャビン最大容量は1BOX型が優れるが、商用バンを母型として発展しているため燃費や走行性能、走りの質感で劣る。乗用車としての総合性能ならばスーパーハイト系が勝る訳だ。
発想を逆転し、スーパーハイト系を基本にすればキャビン容量は多少減少するものの走りも含めてバランスのいい商用バンができる、というので誕生したのがこのスペーシアBASE(ベース)である。
車名のとおりスペーシアを基本として開発。インテリアは専用開発されているが車体等の基本設計はスペーシアに準じている。注目は車重だ。BASEはエブリイに対して約30kg軽量。また、エブリイのATは4速ATまたは5速AMTだが、BASEはCVTを採用。結果、WLTC総合モード燃費はエブリイのATが14・6km/ℓ、AMTが16.4km/ℓに対してBASEは21.1km/ℓである。ちなみにパワースペックの最大トルクは同等で、最高出力はBASEが2PS高い。
ならば燃費重視の商用途狙いかといえば、それも訴求点のひとつ。本命は維持費の安い商用で2名乗車基準の多用途車。乗用型ベースで同様のモデルが出来ないこともないだろうが、割り切りのよさでキャラを立たせたのも妙味だ。
割り切りのポイントは後席居住性。商用車とするには後席容量より荷室容量を大きくする必要がある。いかに軽乗用として広いスペーシアをしても商用の後席配置にすれば後席のレッグスペースは狭く、前席を相当前にセットして何とか座れる程度。シートの座り心地も簡易型といった感じだ。
BASEの後席は畳んでおくのが基本。内装デザインも畳んだ状態のほうが収まりがいい。マルチボードを上段にセットすればテーブル代わりにもなる。下段にすれば前席フルリクライニングと合わせて車中泊にも対応。リヤピラー部内壁には小物置きも設置され、前席後方天井にはオーバーヘッドシェルフも用意。荷物を乗せて走るというよりも停車時に色々使えるフリースペースを備えた簡易キャンパーといった感じだ。
なお、パワートレーンはNA仕様のCVT車のみの設定でFFと4WDを用意。レジャー用途も射程に入れるならNA車だけなのは気になるが、安全&運転支援機能は乗用系相応で、上級グレードには全車速追従型ACCも装備。上級グレードなら高速長距離のレジャー用途にも対応できそうだ。
スベーシア ベース XF(FF)
価格:154万7700円
ボディカラー:デニムブルーメタリック
主要諸元(スペーシア ベース XF・FF)
●全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1800●ホイールベース(mm):2460 ●車両重量(kg):870 ●エンジン最高出力:52PS/6500rpm ●エンジン最大トルク:6.1kg・m/4000rpm ●トランスミッション:CVT ●WLTCモード燃料消費率総合(km/ℓ):21.2【市街地モード:19.4、郊外モード:22.1、高速道路モード:21.5】●燃料タンク(ℓ):27(レギュラー)●サスペンション前/後:マクファーソンストラット/トーションビーム ●ブレーキ:前/ディスク、後/リーディング・トレーリング ●最小回転半径(m):4.4 ●タイヤサイズ:155/65R14
主要装備(スベーシア ベース XF・FF)
ACC(全車速追従機能付)、デュアルカメラブレーキサポート、誤発進抑制機能、後退時ブレーキサポート、後方誤発進抑制機能、リヤパーキングセンサー、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能、ハイビームアシスト、標識認識機能、エマージェンシーストップシグナル、ヒルホールドコントロール、LEDヘッドランプ、スライドドアクローザー、パワースライドドア(右側)、フルオートエアコン、ロールサンシェード、前席シートヒーター ほか
全体的にタフな道具っぽさを感じさせる佇まいが特徴。ベースモデルとの大きな違いはフロントグリルとリヤクォーターパネルだ。
スペーシア同様の前席シートは座り心地も良好で長距離ドライブにも十分対応できる。半面、後席はあくまでも補助的。常用するのはさすがに難しいだろう。
前席周辺はスペーシアと基本的に同様のインテリア。ダッシュボード収納やドアポケットの特徴的なビード形状が力強さを感じさせる。
リヤゲートを上げて設置するカーテン&タープキット(3万1500円)で気軽にキャンパー気分も味わえる。アクセサリー類も豊富にラインナップされている。
エンジンは52PS/6.1kg・mを発揮。ターボモデルはなくNAのみの展開だ。
XFグレードに標準装備されるオーバーヘッドシェルフ。後席からのアクセスもしやすい。
たっぷりとしたリヤクォーターポケットを左右に設置。ここもビード形状で統一されている。
XFグレードにはUSB電源(タイプAとタイプC)と前席シートヒーターを標準装備。
全車速追従型ACCはXFグレードのみだが、基本グレードのGFも先進安全装備は充実。
フラットなラゲッジを実現できるように、リヤシートはダイブダウンが可能になっている。
マルチボードが大活躍! 4つのモードで荷室を自在にアレンジ
車中泊需要を狙ったキャビン設計というのが第一印象。フルフラットで寝そべる時はキャビン後方側が頭になり、枕元近くに小物入れ等がある。この状態でマルチボード下に生活小物くらいは収納できる。テーブルモードではPC等の軽作業もOK。カスタマイズなしで対応できるスペーシア車中泊バージョンとも言うべきモデルだ。
上段モード
後席のバックレストを倒して椅子代わりにし、マルチボードを上段に設置すればこの通り。パーソナルオフィスとしても十分使えそうだ。
中段モード
マルチボードの高さを中段に設定すれば、パンやお弁当などの商品を並べる棚としてちょうどいい高さに。もちろん床面も活用できる。
下段モード
前席をフルリクライニングし、マルチボードを下段にすれば車中泊に好適なベッドモードに。クッション類と組み合わせればさらに快適。
前後分割モード
マルチボードを縦に差し込むことでラゲッジを前後に分割可能。前方はペットスペース、後方は荷物入れに……など使い方を考えるのも楽しい。
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