■ 新型タフトが狙うのはスズキ「ハスラー」と「ジムニー」の間!?
2020年6月に発売予定として、新たな情報が公開されたダイハツの新型軽自動車「タフト」。
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室内が広いハイトワゴンのパッケージングとしつつ、リフトアップしてオフローダーのテイストで仕立てたクロスオーバーSUVワゴンとし、遊び心を感じさせるクルマです。
クロスオーバーSUVの軽ハイトワゴンといえば、多くの人は大ヒットした先駆者のスズキ「ハスラー」を思い浮かべるのではないでしょうか。
ハスラーとタフトは、ともにアウトドアギアのように無骨なスタイリングとしつつ、広くて快適な後席をはじめ高い実用性を持つ部分、そして「楽しそう」という雰囲気を醸している部分などで共通。キャラクターも似ているように感じます。
しかし、筆者(工藤貴宏)が「ライバルはハスラーですよね?」とタフトの開発者にストレートに尋ねてみたところ、返ってきた答えは意外なものでした。
「いえ、違います。どちらかというと、もう少し『ジムニー』に近いですね。スズキのラインナップでいえば、ジムニーとハスラーの間のポジションが狙いです」というのです。はたして、その意味はどこにあるのでしょうか。
まず、それをわかりやすく象徴するのがスタイリングです。ハスラーと比べてみると、タフトの外観デザインは、より直線的で無骨な印象を受けます。
たとえばタイヤを覆う無塗装の樹脂部品はエッジを効かせ、クロスカントリーSUVのような雰囲気を演出。さらにボンネットが水平に近いのも特徴的です。
またサイドウインドウの天地高は、一般的なハイトワゴンとは一線を画する低さで、真横からみると軍用車両やハマーのような道具感が感じられるのも興味深いところです。
■後席は人が乗ることよりも倒して荷物をたくさん載せることを重視
タフトの全高は1630mmでハスラーよりも50mm低いのですが、これは室内の絶対的な広さよりもパーソナル性を意識しているからと考えられます。そこが日常使いを重視するハスラーとタフトとの、わかりやすい違いといえるでしょう。
ダイハツは、「一般的なスペース系のワゴンに比べてレジャー用途を求めるユーザーに向けているのがタフト」といいます。
内装でもそれを感じる部分があります。ひとつがセンターコンソールの存在です。
タフトは運転席と助手席の間にインパネから大きく張り出したセンターコンソールがありますが、これはハイトワゴンとして考えれば異例なこと。なぜならサイドウォークスルーという利便性を失うことになるからです。
しかしメリットとして、運転席と助手席を区切ることで左右席のセパレート感や包まれ感を生みます。
また、リアシートを前に倒したときの床面を徹底してフラットにしているのも特徴。これは後席を格納し、2人乗車でたっぷりの荷物を積んでキャンプに出掛けるなどの使い方を想定しているからです。
鋭い人は気が付いたかもしれませんが、これも新型ジムニーと同じ考え方なのです。
ところで、なかには「タフト」という名前がかつてダイハツで使われていた車名だということを知っている人もいるかもしれません。
当時のタフトは、コンパクトなボディの本格的な四輪駆動車でした。新しいタフトはそのときのタフトほどハードなキャラクターではありません。
しかしながら、実用性とアクティブな雰囲気を高い次元で両立した、ハスラーに比べて野性味の強いクルマだといえるでしょう。
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