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【レクサス RX】クラスベストの太鼓判を押したくなる力作

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【レクサス RX】クラスベストの太鼓判を押したくなる力作

新車試乗レポート [2022.12.28 UP]


【レクサス RX】クラスベストの太鼓判を押したくなる力作
文●大音安弘 写真●ユニット・コンパス、レクサス

【RX、クラウン】トヨタはなぜ新型ハイブリッドシステムを開発したのか【石井昌道】


 5代目となるレクサスRXが2022年11月に発売された。


 レクサスSUVの看板車種である同車は、1998年に、初代ハリアーのレクサス版として投入。まだフレームボディのクロカン系SUVが中心の中、街乗り高級クロスオーバーSUVとしてデビュー。SUVの使い勝手の良さとセダン並みの快適な乗り心地を兼ね備えたことが支持され、北米で爆発的なヒットを記録した。現在のクロスオーバー中心のSUV市場の構築にも大きな影響を与えたパイオニアだったのだ。


 その後、3代目からは、国内市場のたっての希望で、ハリアーが独立。本来ならば、レクサスRXに統合されるはずだったハリアーは、独自路線を歩むことに。このため、高級クロスオーバーSUVの本流は、RXが育んできたと言って良い。


 ただ誤解してはならないのは、ハリアーも独自の世界観を気づいており、最新のハリアーは、別の名前で、北米トヨタで販売されている。それだけ市場価値の高いモデルをRXシリーズは築いてきたといえよう。


初代RX300(2000年)と新型RX 350

新型は、ボディサイズをキープしながらデザインをブラッシュアップした

RX500h Fスポーツ パフォーマンス
 レクサスSUVラインアップの拡大もあり、レクサスRXは比較的ボディサイズは大きめ。


 全長4890mm×全幅1920mm×全高1700~1705mmと、全幅こそ+25mmの拡大が図られているが、全長はキープ。全高に至っては、5mm~10mm低く抑えられている。


 そのスタイリングも、ガラスエリアのデザインを含め、サイドビューは、先代RXの雰囲気を残しており、一目でRXと感じられるスタイルが与えられている。新たな試みとなるフロントマスクは、尖ったサメの頭を彷彿させるシャークノーズとなっており、L字デイライトを内蔵したシャープなヘッドライトと相まって、引き締まった印象を受ける。


 このフロントグリルは、レクサスのアイコンである「スピンドルグリル」をフレームレスとし、ボディと一体化。ボディにスピンドルグリルを取り込んだ「スピンドルボディ」へと発展させたもの。このため、フロントグリルが、バンパーに飲み込まれたような形状となっているのだ。


 これはグリルレスとなるEVとの親和性を高めるべく、今後の電動化を踏まえたデザイン提案でもある。レクサスの新たなEV「RZ」は、グリルレスだが、スピンドルボディに仕上げることで、他のモデルとの共通性をアピールしている。


RX500h Fスポーツ パフォーマンス

ラグジュアリーSUVへの期待に応えるゴージャスなインテリア

RX500h Fスポーツ パフォーマンス
 インテリアは、レクサスのシティクロスオーバーとしての伝統を受け継いだ豪華なもの。


 安心感が得られる包み込むような雰囲気を大切にしながら、細部の装飾もお洒落に纏めている。コクピットに乗り込んで、最初に驚かされるのが、センターにあるタッチスクリーンの大きさ。なんと14インチもの大画面なのだ。但し、前方視界の邪魔をしないように、ダッシュボード上部と同じ高さとなっているので、目障りになることもない。


 先代よりもシンプルに纏めながら、逆に装飾はより凝った部分も見られるので、コクピットデザインは、かなり上手に仕上げられているというのが、正直な感想だ。


 全幅の拡大と、ホイールベースが+60mmの2850mmとなったことで、前後席にもゆとりがあり、移動の快適さも向上。ラゲッジスペースは、標準で612Lと広々したサイズを確保。9.5インチのゴルフバックなら、4個収まるというから、今後、ゴルフエキスプレスとして活躍する姿も多く見受けられるだろう。


RX500h Fスポーツ パフォーマンス

グレードによって「快適性重視」か「スポーティさ重視」のキャラクター性が異なる
 パワーユニットは、3つがラインアップされる。


 新型クラウンクロスオーバーより採用される2.4L直列4気筒直噴ターボエンジン搭載のピュアエンジン車「RX350」、さらに同エンジンに、後輪モーターを追加した4WDの「RX500h」。そして、熟成された2.5Lのハイブリッドシステムにプラグイン機能を加えた電動4WDシステムを備える「RX450h+」の3タイプだ。つまり、RX350のみ前輪駆動車(FF)と4WD車が選べるが、電動車は全て4WDとなる。


 さらにキャラクターを示しているのが、グレード構成だ。


 新RXは、快適性と上品な装いとなる「バージョンL」とスポーティな内外装を持つ「Fスポーツ」の2本立て。


 RX350には、いずれの設定もあるが、FF車は、「バージョンL」のみ。電動化モデルは、RX450h+が「バージョンL」のみ。RX500hは、「Fスポーツパフォーマンス」のみとなる。選択肢が少なく思えるかもしれないが、この設定が見事にパワーユニットのキャラクターとマッチするように仕上げられているから面白い。


RX350 Fスポーツ

RX450h+ バージョンL

セダン並の走行性能を実現しながら乗り心地は快適

RX500h Fスポーツ パフォーマンス
 RX全体の走りは、グランドツーリングカー指向であり、スポーティな走りを得意とする。運動性能と乗り心地は、まさに初代が目指したセダン並みの性能をしっかりと受け継いでいる。試乗コースは、比較的、路面状況が良いシーンが多かったが、全般的に乗り心地も良い。これは、快適性重/視でセッティングしたRXに対して、マスタードライバーである豊田章男社長が、「これで良いのか?」と指摘して練り直された結果である。


 様々なモデルで、走りの愉しさの追求にも力を入れるトヨタらしい回答であり、これならば、走り好きが拘る欧州SUVとも勝負できると感じた。電動化シフトを楽しみに変えたのが、「RX500hFスポーツパフォーマンス」だ。常にスポーティなサウンドを奏でるが、これは人工的なもの。技術者によれば、電動時代のスポーティサウンドとして仕上げており、音色として、エンジン音に近づけることはしていないというから、面白い。クルマにとって、やはり音は重要な要素なのだと実感できた。


 それでは、バージョンLとなるRX450h+は、どうなのだろうか。こちらは、熟成したハイブリッドシステムが生む電動パワーを上手に使った滑らかな走りが味わえる。高級車らしいゆったりとした移動空間を味わいたいならば、お勧め。


 PHEV機能なので、かなりの走行シーンで電動車となるため、より静か。もちろん、前後モーター付きのハイブリッド4WDなので、加速も不足なく、軽快な走りも得意とする。


 エントリーとなるRX350は、2.4Lターボの恩恵で、いつでもドライバーが望めば、俊敏な加速を味わせてくれるので、新型RXが鍛えたスポーティなキャラクターにもしっかりと応え、満足度は高い。


 先進機能でも、より安全に心地よい走りを楽しめる機能が加えられている。それが「プロアクティブドライビングアシスト」だ。歩行者の横断や飛び出しなどの運転中のリスクを先読みし、運転操作をサポートする機能だが、コーナリングアシストが優秀なのだ。コーナーに合わせて、減速やステアリングアシストを行い、気持ちよいコーナリングが行えるのだ。黒子のように、さり気ないアシストをしてくれるのも好印象。それでいて機能をOFFにすると、さっきとコーナリングが少し違うと感じさせるほどの実力を持つ。プロの文字には、プロドライバーによる運転並みという意味が含まれているというのも納得だ。その感覚に慣れることで、ドライバーの運転自体の向上にも繋がりそうだ。


まとめ
 新型レクサスRXは、初代から追い求めた日常移動の快適さと走る愉しさの両立が最も高いレベルで実現させている。開発者たちの「欧州SUVよ、挑んで来い」という声が聞こえてくるようだ。


 価格も、輸入ミッドサイズSUVと比べ、コスパが良い。何よりも日本人的な心遣いが使いやすさに繋がっている。このクラスの今のベイトバイかもしれない。ハイブリッドシリーズも魅力的だが、やはり、コスパと総合力ではRX350が一番だ。そう感じさせるように、しっかりと基礎から作り込まれているようだ。

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みんなのコメント

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  • 好き嫌いは別として、売れるのは間違いないだろう。直ぐ街中で見掛けるようになる。内装はNXともう少し差別化図った方が良かったと思う。
  • このライターの太鼓判にどれほどの価値があるのか…
    しかもその太鼓判も押してもないんだよね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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