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試乗速報【インディアン新型スカウト】エンジンは1250ccに!「走り」と「快適」それぞれのトップ2機種をテスト

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試乗速報【インディアン新型スカウト】エンジンは1250ccに!「走り」と「快適」それぞれのトップ2機種をテスト

インディアンの定番モデル「スカウト」がフルモデルチェンジ!エンジン、フレームともに刷新された

インディアンの販売中核的なモデルなのがスカウトシリーズだ。その名が初めて世に出たのは1920年。ポラリス社の運営により新生インディアンブランドとなった後も、信頼性、アジリティーの高いモデルとして系譜は受け継がれ、2014年に登場したのが先代スカウトだ。

【画像20点】インディアン・スカウトがフルモデルチェンジ! 全5タイプのモデルを写真で見る

そのスカウトがフルモデルチェンジを受け、2024年の夏、ショールームに並ぶ。新型スカウトシリーズは全5機種が発表され、前後に16インチタイヤを履く3モデルとしてトラッドなクルーザー「スカウト・クラシック」、往年のレーサースタイルを模した「スカウト・ボバー」、着脱式スクリーン、左右のサドルバッグを標準装備した「スーパー・スカウト」をラインアップ。

そして、前輪19インチ/後輪16インチの2モデルとして、クラブスタイルを思わせるハイライザーとハンドルバーを組み合わせた「スポーツ・スカウト」。ECUチューンでファミリーでは最高の111馬力エンジンを搭載し倒立フォークやリザーバータンク付きリヤショック、ラジアルマウント4ポットキャリパーを備えた「101スカウト」がラインアップ。

DOHC4バルブの水冷Vツインエンジンは、従来の1133ccから1250ccへと排気量を拡大。最高出力は95馬力から105馬力、最大トルクは97Nm(9.8kgm)から108Nm(11.0kgm)へと増大。また、先代モデルではメインフレーム、サブフレームはアルミダイキャスト製だったが、新型のメインフレームにスチールチューブ製に。エンジンを「魅せる」ためと、強度に優れるスチールでスペース効率を高めることも考慮された。

一方、ミッドフレーム、サブフレーム、リアフレームはアルミダイキャスト製としつつ、クラシカルなデザインに仕上げられている。そのうえで、近年のバイクは電子制御パーツが増えていく傾向にあるが、それらをスッキリと収めつつ、低いシート高を実現するレイアウトも追求されているのだ。

筆者はカリフォルニアで開催されたメディア試乗会に参加し、この5機種すべてで、海岸線をゆく道、山岳路、フリーウエイ(高速道路)、市街地とじっくりテストすることができた。5機種のなかで特に強い個性を感じたモデルとして、前輪16インチモデルから「スーパー・スカウト」、前輪19インチモデルからパワフルな「101スカウト」の印象をお届けしたい。

インディアン スーパー・スカウト「クラシカルなデザインをまといつつ、快適性・機能性は現代流」

スーパー・スカウトは、着脱式のウインドスクリーン、左右のサドルバッグを装備しシリーズ唯一、タンデムシートやステップボードを標準装備するモデルで、スポーク+黒リムのホイール、「レトロペイント」で歴史あるインディアンらしい一台だ。

なお、新型スカウトシリーズには装備内容により以下の3グレードがある。

アナログメーターやキーシリンダー式のメインキーを持つ「スタンダード」。
それに加え、USBポート、3つのライドモード(スポーツ、スタンダード、ツアー)、トラクションコントロール、クルーズコントロールを装備した「リミテッド」。
そして最上級となるTFTモニター、キーレスイグニッション、ライドコマンド+(スマホにインストールした専用アプリで音楽、電話通話、ナビなどTFTモニターを活用できる)を装備した「リミテッド+テック」。

このスーパー・スカウトは「リミテッド+テック」が標準装備となっている。

前後16インチホイールのモデルは、前輪に130/60B16、後輪に150/80B16と太く肉厚のタイヤが印象的。リアフェンダーとタイヤの間隔を見ると180まではラクラク入りそうなのに、150に留めあたりは、軽快なハンドリングを意識してとのこと。

キーレス仕様のため、エンジンのVバンク左側にあるイグニッションボタンを押し、あとはハンドルグリップ部にあるスターターボタンを回すだけ。エンジンはスムーズ、Vツインらしい音を発して始動した。無駄な振動もない。

発進時、アイドリング付近から微少開度でのトルク感が希薄で、電子制御スロットルと右手の動きがうまく噛み合わない印象で何度かエンストした。ライドモードを「スタンダード」から「スポーツ」にすることで緩和したが、サンフランシスコの市街地を走るうちに慣れてしまった。テスト車はECUが最終仕様でないモデルもあったようで、日本に届いたモデルが改善しているコトを望みたい。

ブレーキは2ピストンキャリパーとシングルディスクを組み合わせるフロント、リヤは片押しシングルピストンという構成。乗ってみると必要にして十分な制動力、ブレーキタッチを持っていた。

ただ、ワインディングを走ると105馬力を生み出すエンジン扱いやすい特性で、走りを好む車体のスカウトだけに、いいペースで走り込むとモアブレーキングパワーが欲しくなる。いずれにしても、プルバックしたハンドルバーかつクラシックなスタイルをまとったクルーザーにしてこの走りは秀逸。しかもエンジンはよどみなく気持ちいいトルクをともなってトップエンドへと駆け上がるのだ。

高速道路では大型スクリーンが十分なウインドプロテクション性を発揮し、ステップも足を置く位置に自由度があり快適。リヤサスペンションのストローク量は3インチ(約76mm)と多くはないが、ショック吸収性と乗り心地は良かった。
細かな点だが、サドルバックの開閉もワンタッチ。レトロさを醸しつつ、使いやすさにも配慮がなされたもの。
ミドルサイズクルーザーの扱いやすさを有しつつ、上級機種らしくリッチに楽しめるのがスーパー・スカウトの魅力と言えるだろう。

■インディアン スーパー・スカウト主要諸元

[エンジン・性能]
種類:水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ ボア×ストローク:104mm×73.6mm 総排気量:1250cc 最高出力:79kW(105hp)/── 最大トルク:108Nm(11.0kgm)/6300rpm 変速機:6段リターン

[寸法・重量]
全長2260 全幅:916 全高:1226 ホイールベース:1562 シート高:680(各mm) 車両重量:268kg タイヤサイズ:F130/90B16 R150/80B16 燃料タンク容量:13L

*日本国内での販売価格は未定

インディアン 101スカウト「高出力型エンジンに倒立フォーク、ブレンボキャリパーを組み合わせる」

新型スカウトシリーズで最も走りを意識した装備を持つのが101スカウトだ。タイヤは前輪130/60B19、後輪150/60R16で、後輪はラジアルとなる。

シングルシートを採用するとはいえ、ライズアップされたバーハンドル、フォワードステップによるライディングフォーム──こうした構成はいかにもクルーザー的だが、走り出すと旋回性、加速などすべてに軽快性を感じられる。

低回転からナチュラルにトルクを生み出すエンジン制御も良い。前輪16インチのモデルで感じたアクセル微少開度でのもたつき感がなく、ライディングモードは「ツーリング」で十分。これは後に乗ったスポーツ・スカウトでも同様の印象だったから、テストした前輪16インチモデルとECUマップの何かが違っていたのか。後で開発者に聞いたが「同じだよ」との答えだった。慣れの範疇だったけど……。
話を101スカウトに戻すと「ツーリング」でも充分楽しめるが、ワインディングでこのバイクの真髄を味わうなら「スポーツ」がおすすめだ。

105馬力から111馬力となったエンジンは、4500回転以上になるとさらにパワフルさを楽しめる。それでいてダブルディスクと4ポットキャリパーのフロントブレーキが生み出す制動力がしっかりと受けとめてくれるので安心だ。
サスペンションの吸収性は作動性がとてもよく、快適。こちらもストローク量は3インチとなっているが、専用リヤショックがもたらすロードホールディング性能が他モデルより優秀なのは走り出してすぐに伝わってきた。

101スカウトは新型スカウトシリーズの中で価格的に最上級という位置づけとなる。当然というべきか、装備も「リミテッド+テック」が標準。
ブラックに仕上げられたエンジン・エキゾーストまわり、削り出しフィニッシュのライザー、専用グラフィック、ビキニカウル、バーエンドミラーなど、クルーザーやスポーツバイクのアイコニックなパーツを組み合わせるが、そのまとまりも綺麗だ。

高速道路をクルーズコントロールで流す時も、ワインディングを攻める時も、また眺めているときも、常にライダーへ楽しさを与えてくれるのが101スカウトという存在だ。

■インディアン 101スカウト主要諸元

[エンジン・性能]
種類:水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ ボア×ストローク:104mm×73.6mm 総排気量:1250cc 最高出力:82kW(111hp)/── 最大トルク:109Nm(11.1kgm)/6300rpm 変速機:6段リターン

[寸法・重量]
全長2206 全幅:956 全高:1155 ホイールベース:1562 シート高:680(各mm) 車両重量:249kg タイヤサイズ:F130/60B19 R150/80R16 燃料タンク容量:13L

*日本国内での販売価格は未定

レポート●松井 勉 写真●インディアンモーターサイクル 編集●上野茂岐

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