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SUR-RON『Light Bee L1E』であらためて感じた、電動バイクのための新しい音の必要性

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SUR-RON『Light Bee L1E』であらためて感じた、電動バイクのための新しい音の必要性

■静かな路地ほど、“認識されていない”という注意が必要

『SUR-RON(サーロン)』社がラインナップする電動バイク「Light Bee L1E」(以下、ライトビー)は、日本では原付2種に区分される、公道走行可能なモデルです。本来は前後19インチサイズのホイールにオフロードタイヤを履くモトクロスバイクですが、今回は前後17インチにオンロードタイヤを装備した、ストリート仕様で走行しました。

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 ライトビーは車両重量62kgと軽量で、シート高802mm(前後19インチホイールの場合)ながら、またがった状態で身長153cmの筆者(伊藤英里)でもかかとが少し浮く程度という心強い足着き性。電動バイクならではのトルク感も扱いやすく、こうした様々な要因によって、バイクを楽しむうえで人によってはハードルとなる部分が、グッと低くなっています。

 一方で、電動バイクならではの懸念もあります。現在の電動バイクの課題のひとつだと言える、走行音がほとんど無いことです。ライトビーは走行中に聞こえる程度にはモーター音が発生していますが、周りのクルマやバイクのエンジン音にかきけされてしまいます。

 もちろん、静かさはメリットでもあります。実際に、早朝に走らせようとしたとき、周囲への気遣いなくイグニッションをオンにできました。走っていても、とくに幹線道路から離れた住宅街では、自転車のような静かさが利点です。子供や大きな音が苦手な人もいますから、そういう環境でも小さな音で走ることができます。

 しかし、音がないということは裏を返せば、周囲に気付かれにくいということでもあります。筆者はこれまで、原付クラスから軽2輪クラスまで、何台かの電動スクーターを実際に走らせ、取材してきました。そのなかで、普段自分たちがどれほど音によってクルマやバイクの存在を認識し、危険を回避しているのかを痛感しました。そして今回もまた、同じ課題を感じたのです。

 交通量の多い道では、そのデメリットはむしろ少ないかもしれません。左車線で自車の前方を走る自転車に気付いてもらう難しさはあります。ただ、たくさんの音が飛び交っているので、どちらかと言えば視覚で相手を認識することが多いようです。

 また、夜間はヘッドライトの光があるので、意外と気付いてもらいやすい印象です。エンジン音がしないから、クルマやバイクが来ていないと思ったのか、横断歩道のない道路を横断しようとしていた歩行者が、ヘッドライトでこちらを認識したこともありました。

 最も気を遣わなければならないのが、自転車や歩行者がいる、静かな住宅街の道などです。走行中の自車の前方で、後方を確認せず急に道路を横断する自転車や、路地から出ようとしていったん停止し、直進してくるこちらを見ずに右折しようとする原付スクーターに出くわしたりもしました。

 これまでの経験から、内燃機関のバイクやクルマに乗っているときよりも、電動バイクを走らせているときは、さらに神経質にクルマやバイクの運転者の目線を見るようになりましたが、それでもヒヤリとしたことが何度もありました。

 電動バイクは、ほとんど視覚でしか認識してもらえません。私たちの多くはクルマ、バイクが発する音に慣れていて、それによって危険を回避することに慣れているのだとあらためて感じました。

 ライトビーは、“自転車以上バイク未満”の感覚でとても気軽に付き合える乗り物です。軽くて扱いやすいので、細い道でもスイスイと走ることができます。そして、だからこそ潜む危険があるのです。これは電動バイク全般に言えることだと思います。

 今後、電動バイク、そして電動のモビリティが安全に発展していくにあたり、クラクション(警音器)のような特定の目的や、やむを得ない場合でのみ使うもの(道路交通法第54条)ではなく、新たな走行音が必要なのかもしれません。

※ ※ ※

 SUR-RON「Light Bee L1E」の価格は56万6500円(消費税10%込み)です。前後19インチサイズのホイールとオフロードタイヤが標準装備となっています。

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みんなのコメント

1件
  • アメリカには「うるさいマフラーは命を守る」ってバイク乗りの格言がある。
    って漫画に描いてた。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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