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【スーパーカー】アヴェンタドール後継モデルのコードネームは「LB744」。まずはパワートレーンから公開

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【スーパーカー】アヴェンタドール後継モデルのコードネームは「LB744」。まずはパワートレーンから公開

2023年3月7日(イタリア現地時間)、ランボルギーニはフラッグシップであるアヴェンタドールの後継モデル、コードネーム「LB744」の詳細を公開した。ランボルギーニ初のHPEV(ハイパフォーマンス EV)となる。

V12エンジンに3基のモーターを組み合わせて1000HPオーバー!
初のプラグインハイブリッドのスーパースポーツカー「HPEV(ハイパフォーマンス EV)」となるLB744は、ランボルギーニ設立60周年を祝う今年2023年にデビュー予定だ。正式発表を前に公開された情報からは、前例のないハイブリッドアーキテクチャーと新型V12エンジンを新たに採用していることがわかった。

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特徴的なのは、車体中央部のトランスミッション トンネルに軽量・高出力のリチウムイオンバッテリーを備えること。従来のV12に比べCO2排出量を抑えながら、最大限のパフォーマンスを引き出す革新的なアーキテクチャーだ。

6.5Lの排気量を持つ新型エンジン「L545」は、ランボルギーニ史上最も軽量かつ強力な12気筒エンジンとなる。しかも総重量はアヴェンタドールのものより17kg軽い、218kgしかない。また、エンジン レイアウトはアヴェンタドールとは逆、つまり180度回転している。今まではエンジンの前側にトランスミッションがあったが、このL545では後ろ側に備わる。

9500rpmまでの回転域に対応可能な新設計の分配装置の働きで、このV12エンジンは9250rpmで最高出力825HP、リッターあたりの出力は128HPを発生する。これはランボルギーニの歴代12気筒エンジンの中でも最強を誇る。最大トルクは725Nm/6750rpmだ。

ランボルギーニは、その最初期から現在に至るまで、他に類のないエモーショナルなサウンドで名を馳せている。新しいL545型エンジンも、その奏でるサウンドを引き立たせるために「サウンドトラック」に惜しみなく手間をかけ、低回転域でも既にメロディアスな音色が、自然な調和のとれたクレッシェンドへと上がっていくという。

ランボルギーニ初の電動4WDも採用
LB744は、後輪に動力を供給する内燃エンジンに加え、2基の電気モーターを新しくフロントアクスルに搭載し、それぞれの前輪にトラクションを伝える。さらに、8速DCTの上方に配置した3基目のモーターがドライビングモードの選択と走行状況に応じて後輪に動力を供給する。

内燃エンジンと3つの電気モーターを組み合わせたトルクは、スーパースポーツカーの領域でもユニークな性能を発揮する。内燃エンジンからは725Nm、フロントの電気モーターからそれぞれ350Nmが供給され、このパワーユニットは合計で最高出力1015HPを発生する。

フロントの2基のモーターは、前輪への動力供給に加えてトルクベクタリング機能でドライビングダイナミクスの最適化を図るほか、回生ブレーキ機能も備えている。LB744はEVモード時に前輪駆動になり、エネルギー消費の最適化を図り、必要に応じてリアホイールの電力駆動も行う。

LB744は、高比出力(4500W/kg)のリチウムイオンバッテリーパックをセンタートンネル内に格納、重心を可能な限り低くしながら最適な重力配分を実現している。バッテリーは構造上から下部の層で保護しており、前後のモーター、および一体型の充電ユニットとつながっている。

バッテリーサイズは長さ1550×高さ301×幅240mmで、全体で3.8kWhの容量のパウチセルを使用。蓄電量がゼロまで落ちた場合には家庭のAC電源または7kWまでのEV用充電器を使用し、30分でフル充電できる。フロントホイールの回生ブレーキでの充電またはV12エンジンからの直接充電でも、6分で充電が完了する。

8速の湿式DCTを新開発して採用
新プラットフォームの採用により、プラグインハイブリッドユニットの中枢に位置するトランスミッションにも革新的技術を採用する。強力な電動ユニットのニーズに対応するため、ランボルギーニではコンパクトなトランスミッションユニットを新開発した。すべてを社内開発、設計したトランスミッションユニットは、LB744の後もランボルギーニの次世代スーパースポーツカーに搭載予定だ。

ランボルギーニの研究開発部門では、V12エンジンの725Nmという大トルクに対応する、最も効率性が高くパフォーマンス重視の湿式DCTを開発した。新しい8速DCTは縦置きのV12エンジンの後方に横置きに配置される。トンネルに空いたスペースには、モーターに電力を供給するリチウムイオンバッテリーを格納する。このレイアウトによって、ホイールベースを拡大せずに、最高のドライビングダイナミクスを支える重量配分が効果的に実現できた。

ちなみに、ランボルギーニの60年の歴史の中で、トランスミッションをリアに横置きしたV12モデルは他に2モデルしかない。1966年に発売された「ミウラ」はミッドリア横置きのエンジンレイアウトを採用し、サーキット走行に焦点を絞ったハイパーカーの「エッセンツァ SCV12」では、縦置きエンジンに、荷重の負担ができる横置きのトランスミッションを配置した。

ゼロエミッションの完全EV走行も可能
8速DCTの開発は、素早いギアシフトなど、スポーティな走りに必要なすべてを提供したいという願いがきっかけだが、8速目を加えることでクルーズ走行時の燃費とドライバビリティの最適化も図ることができる。特に「連続ダウンシフト」機能では、左のパドルを押し続けるだけでブレーキ時に複数ギアのシフトダウンができ、ドライバーは完全なコントロール感を得ることができる。

このDCTは、ウラカン シリーズで使用している7速DCTと比較しても軽く、シフト速度も速くなっている。横置きレイアウトによって、キャビンスペースも広がり、ドライバー席と助手席の後ろの空間が広くなり、快適性も向上した。DCTは長さ560×幅750×高さ580mmで、非常にコンパクトな造りだ。総重量は、最高出力110kWと最大トルク150Nmを発生するリアのモーターも合わせて193kgに抑えられている。

トランスミッション上方に搭載したこのモーターは、スターターと発電機として機能するほか、トランスミッショントンネル内のバッテリーを通してフロントのモーターに電力を供給する。完全EVモード時には、後輪に駆動力を供給し、前輪を駆動するモーターとともにゼロエミッションの4WDとなる。

リバースギアは、フロントの2基のモーターで駆動する。ただし、さらなる推進力が必要な場合にはリアの電気モーターも加わり、リアアクスルと後輪を駆動させることもできる。つまり、LB744は低グリップ状態での後進ゼロエミッションモードでも、4輪すべてを駆動することができるのだ。

現段階では、パワートレーンの詳細のみが発表されたが、近日中にはそのスタイリングやスペック、そして車名も発表されることだろう。ランボルギーニのネーミング流儀に沿って、「闘牛」に関連した名前になるのだろうか。まずは、その発表を楽しみに待ちたい。



[ アルバム : ランボルギーニ LB744 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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