■次世代スポーツカー「アイコニックSP」との関係は!?
1989年に初代モデルが登場し、2016年4月に世界累計生産台数100万台を達成したマツダ「ロードスター」は、日本が誇るライトウェイトスポーツカーです。
現行モデルの4代目(ND型)は2015年5月のデビューから9年が経過しており、通常のサイクルならばそろそろモデルチェンジのタイミングですが、果たして次期ロードスターはどのようなクルマとなるのでしょう。
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先日、初代ロードスターで首都高を走る機会がありました。
手の内で楽しめるサイズ感や、1.6リッターエンジンと5速MTの過不足ない加速は、最新の装備なんてなくても運転は楽しいということを改めて実感させてくれました。
時代が変わっても、ロードスターであることを守り続けてきたロードスターが、次期型でどのような姿をみせてくれるのか、クルマ好きとしてはその行く末が非常に気になるところです。
そんなロードスターは、現行型が2024年1月にマイナーチェンジが実施されたばかり。
エクステリアのデザイン変更のほか、ディスプレイのサイズ変更、走行性能を引き上げるアシンメトリックLSDや新型電動パワーステアリングの採用、さらには先進支援技術のアップデートなど、ND型史上もっとも大きな改良が施されました。
2023年まで販売されていた軽量モデル「990S」を「ND型の最終仕様だ」と信じて購入された人の中には、悔しく思っている人も少なくないことでしょう。
エンジンも改良されており、1.5リッター直列4気筒ガソリンエンジンは最高出力を3kW向上したほか、マニュアル車では最新のエンジン制御プログラムを導入しアクセル操作時のレスポンスが改善されました。
マニュアル車にはさらに、サーキット走行に最適化したダイナミック・スタビリティ・コントロールの新制御モード「DSC-TRACK」なども追加しています。
そんなロードスターの次期型は、はたしてどのような姿になるのでしょう。
次期ロードスターと聞いて思い出されるのは、「ジャパンモビリティショー2023」でワールドプレミアされたコンパクトな2シータースポーツカーコンセプト「アイコニックSP」のことです。
2基のロータリーエンジンを発電専用に使うPHEVのアイコニックSPは、全長4180mm×全幅1850mm×全高1150mm、ホイールベースは2590mmというボディサイズで、現行ロードスター(3915mm)より長く、FD型「RX-7」(全長4290mm)よりもコンパクトというサイズ感。
このスペックからすると、アイコニックSPは、ロードスターとはまったくのベツモノであり、おそらくマツダの未来のフラッグシップスポーツとして開発されるモデルなのでしょう。
■トヨタが「次世代1.5リッターエンジン」の新規開発をはじめた!
次期ロードスターにおいて気になるのはやはりパワートレインですが、マツダは2030年までに全車電動化とする戦略を立案しており、特別な存在であるはずのロードスターも、いずれは(マイルドも含む)ハイブリッド化や電動化が必須となります。
ただ筆者(くるまのニュースライター 河馬兎)は、ロードスターについては2030年の直前まではハイブリッド化やモーター駆動化などはしない戦略をとり、既存の1.5リッターガソリンエンジンの改良版を使っていくのではないかと予想しています。
その理由はやはりクルマの重量増が避けられないことです。
マツダには、ディーゼルエンジン技術やロータリーエンジン発電による電動モデルといった優れた新技術もありますが、エンジンユニットへ付加物がつくほどに重量は増していきます。
人馬一体感を狙うロードスターは、軽量であることにもっともプライオリティを置いているはずであり、軽量なガソリンエンジンが使える限りは使ってくるのではないでしょうか。
おそらくその先で、マツダは「水素燃焼」や「e-fuel燃焼」といったカーボンフリー技術で動くエンジンをロードスターへ搭載する計画なのではないかと筆者は考えています。
そうなれば、エンジンの駆動で直にタイヤを駆動したり、マニュアルミッションを維持することもでき、35年にわたって続いてきたロードスターがこの先も「ロードスターであり続ける」ことが可能となります。
※ ※ ※
2024年1月に開催された「東京オートサロン」では、マツダとも協力関係にあるトヨタが新たに新型エンジン開発プロジェクトを立ち上げると発表しています。
1.5リッター直列4気筒エンジンをベースに検討中とのことですが、偶然にもND型ロードスターの排気量と一緒です。
ロードスター用の直4エンジンの未来にも、光明が差しているように思えてなりません。
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