Sシリーズよりもライトながら実力の高さが今も人気
4代目レガシィに設定されていた人気モデル「tuned by STI」。2005年モデルのアプライドC型から設定され、2006年、2007年とベースモデルが改良を重ねるごとに、tuned by STIも進化してきた。tuned by STIはそれまでのSTIコンプリートカーの代表ともいえる「S」シリーズと比べ、基本的にはエンジンまわりはベースモデルのまま、シャシーや足まわりを中心としたライトなチューニングモデルとなっているのが特徴だ。
6速MTのみの「特別すぎる」レガシィ!「S402」は世界最強のグランドツーリングカーだった
2009年にはエクシーガにも設定されたSTIの人気コンプリートカーだが、2010年に同様のコンセプトのまま、tSシリーズへとネーミングを変更した。
ブレンボ製ブレーキキャリパーなど本格派パーツが奢られた
レガシィのtuned by STIは「フィーリングを調律(チューニング)する」というコンセプトで開発。2005年、2006年、2007年の3年に渡り設定され、いずれもツーリングワゴンとセダンB4にATとMTを用意。ベースとなるのは標準モデルのなかでもっともスポーティな仕様となる2.0GT spec.Bだ。
レガシィシリーズでは3代目に設定されていたS401以来となるブレンボ製17インチブレーキキャリパーをはじめ、STI製ステンレスメッシュブレーキホース、STI製18インチアルミホイール、STI製強化ローダウンスプリング、STI製ピロボールブッシュリヤサスリンクなどを装備する。
エクステリアではフロントアンダースポイラーと、セダンモデルのB4にSTI製トランクスポイラーが装備されるのみという控えめなルックスであったが、逆にその主張しすぎないコンプリートカーらしい佇まいが人気となった。
AT仕様もあったことで多くのファンに支持された
レガシィのSシリーズは前述の3代目のほか、tuned by STIと同じ4代目にもS402として設定があった。こちらは専用の2.5Lエンジンや6速MTの設定のほか、エクステリアも専用の拡幅フェンダーを装備。さらなるチューニングが施されたプレミアムコンプリートカーとして、4代目レガシィシリーズの象徴的存在となっていた。
一方tuned by STIはMTのほかAT仕様も選択できるなど、多くのユーザーがコンプリートカーの醍醐味を味わえるラインアップとなっている点も特徴のひとつだ。2006モデルではベース車も大幅改良が施されたD型となり、内外装はもちろん、MT車は6速化された。
さらに2007モデルは、STIのトップガン辰己英治さんが手掛けたモデルとして、エクステリアこそ2006モデルとホイールの違い程度だが、補剛パーツに「フレキシブルシリーズ」が装備され、格段に乗り味やステアリングフィールが上質になっている。
さらに4代目後期型で特徴的な装備となる3つのエンジン特性をセレクトできるSI-DRIVEにもSTIチューニングが施され、AT車にはECUに加え、TCUにも専用チューニングをほどこしている。
tuned by STIのDNAはtSに受け継がれていく
tuned by STIはレガシィで初めて設定されたモデルだが、スポーツフラッグシップであるインプレッサWRXには元々カタログモデルとしてSTIが存在していたこともあり、tSシリーズへと名称が変わるまでラインアップされなかった。しかし、初のtSはWRX STI tSであり、ベースモデルからさらなる磨きをかけたモデルとしてこちらも人気となった。個人的には名称的にもインプレッサWRX STI tuned by STIだと、すこし難解な部分もあり、tSのほうがモデル名としても相応しさを感じる。
レガシィ tuned by STIは初登場から17年が経過したものの、今なお色あせない一級のスポーツモデルとして人気が高いこともうなずける。
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