最新プラットフォームとOSを採用
ボルボの次世代フラグシップSUV、EX90が2022年11月に発表されてから、1年半が経過した。いよいよ、数か月以内にアメリカ・サウスカロライナ州で量産が始まるという。
【画像】ボルボ最新フラグシップ!がもうすぐ完成 EX90 サイズの近い電動SUVはコレ 全147枚
このEX90は、安全性において、同社の新基準を確立するとうたわれる。既に英国では予約を受け付けており、早い人では2024年中に納車されるとか。
ボルボの技術者、ハンデ・エルギトゥルク氏は、ソフトウエア開発が理由で生産開始が遅れたことを認める。「弊社の新技術を公表する意味があり、意図的に発表時期を早めたのです」。と説明する。
EX90が基礎骨格とするのは、SPA2と呼ばれるまったく新しいバッテリーEV専用プラットフォーム。新型ポールスター3と共有するものだ。
新開発された高度なオペレーション・システム(OS)を実装する、ボルボ初の量産モデルでもある。この処理のため、2基の高性能CPUを搭載するという。
複雑なOSを仕上げることが課題になったと、エルギトゥルクが振り返る。「大きな技術進歩といえ、簡単なタスクではありませんでした」
「それでも、安全性はわたしたちにとって非常に重要なことです。お客様への提供前に、すべてが洗練され、第一級といえる仕上がりだと確認することが不可欠でした」
衝突事故ゼロへの大きな一歩 航続は最長579km
CPUの1基は、ライダー・スキャナーと5基のレーダー、12基の超音波センサーを含む20基のセンサーの処理を受け持つ。進行方向の道路などをスキャンし、高度な運転支援システムの稼働を可能としている。
「ボルボがこれまでに提供したモデルの中で、最も安全だといえます。車外と車内の両方で、人間を保護します。衝突事故をゼロにする、大きな一歩になるでしょう」。と、自信を匂わせながらエルギトゥルクが主張する。
センサーは、車内に向けても配置されている。これは、ドライバーの集中状態を監視したり、子どもの取り残し事故などを防ぐ目的も果たす。
ダッシュボード中央には、アイパッドのような14.5インチのタッチモニター。車載機能の殆どのインターフェイスになる。ドライバーの正面にも、小さなメーター用モニターが載っている。複雑なシステムをシンプルにするという哲学で、設計されたそうだ。
EX90の英国仕様は、フル装備のウルトラ・グレードのみで、お値段は407psを発揮するツインモーターが9万6255ポンド(約1848万円)。517psのツインモーターでは、10万555ポンド(約1931万円)に設定される。どちらも四輪駆動だ。
駆動用バッテリーは、共通して107kWh。電圧400Vで制御され、急速充電能力はDCで最大250kW。航続距離は407psで585km、517psで579kmがうたわれる。
乗り心地を最優先 印象的な静寂性と隔離性
そんなEX90を味見するべく、筆者はスウェーデン南部のヨーテボリへ向かった。ここには、ボルボのヘレレッド試験場がある。敷地は広大で、高速道路からオフロードコースまで、様々な条件をシミュレーションできる。
ステアリングホイールを握るのは、動的な開発責任者を務めたマティアス・デビッドソン氏。筆者は助手席へ陣取る。
「何より乗り心地を優先しました。自信を抱けるような運転フィーリングも目指しています」。と彼が説明するとおり、車内はとても居心地が良い。特に、車内の静寂性や外界との隔離性が印象的だった。同クラスのSUVの水準で見ても、相当に優秀だろう。
デビッドソンは、歴代のボルボで最も静かなキャビンだと主張する。スカンジナビアン・デザインを感じさせるインテリアと相まって、EX90の車内はプレミアムな雰囲気で満ちていた。
助手席は至って快適。パノラミック・ガラスルーフが開放感を生み出し、オープンポア仕上げのウッドパネルがエレガント。手で触れる部分は、肌触りも心地良い。
路面の荒れた区間へ足を進めても、快適性は揺るがない。試乗車には20インチ・タイヤに、セミアクティブダンパーも備わるオプションのデュアルチャンバー・エアサスペンションが組まれていたが、凹凸を平滑に均し、車内へは衝撃が殆ど伝わってこない。
ボルボらしくコンフォート志向 有力な選択肢に
カーブでは、左右のリアタイヤの駆動力を調整するトルクベクタリング機能が効果を発揮。全長約5m、車重約2800kgという巨体が、滑らかに旋回していく。
ボルボらしく、スポーティ志向ではなく、コンフォート志向。安定し快適な運転体験を与えるよう、シャシーがチューニングされたことは間違いない。ポールスター3との差別化という狙いもあるだろう。ブランドそれぞれの、強みを打ち出すために。
長いホイールベースと、フラットなフロアのお陰で車内空間は広々。試乗車は6シーターだったが、オプションで7シーターも選べるそうだ。3列目へ座ることはできなかったが、観察した限り、大人でも快適に過ごせるだろう。
実際に試乗するまで具体的な評価はできないものの、プレミアムSUVの有力な選択肢に仕上がることは間違いなさそうだ。助手席で体感した限り、極めてラグジュアリーなボルボだと感じた。数か月以内に、運転席での印象もお伝えできるだろう。
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