ボクの「360モデナ」は、1月4日から鍵がかからなくなった。すぐにでも、修理したかったものの仕事が忙しく、フェラーリ横浜サービス・センターに持ち込んだのは1月11日になった。
約1週間、鍵があいたままの360モデナを駐車しておくのは気が気でなかった。近年、ソーシャルメディアなどで「愛車が盗まれました! 探してください」といった投稿がニュースで報じられるたびに、「なんてひどい話だ!」と、思っていたものの、まさか自分が盗難の高リスクにさらされるとは考えてもいなかった。毎晩帰宅後、愛車を見るたび「あぁ、よかった」と、ホッとしていた。
【前編はこちら!】
鍵がかからないあいだ、360モデナでどこかへ出かけるのは控えた。この気苦労からようやく解放されると思うと嬉しい。360モデナの主治医である高橋忠久工場長が、ドアロックの状況を確認する。「おそらく、ドアロック アクチュエーターの故障ですね。アクチュエーターを含む、ドアロック ユニットを交換しましょう」と、話す。ドアロック アクチュエーターとは、ドアをロックするための電気モーターだ。
原因を訊くと、「おそらく経年劣化です」とのこと。360モデナは比較的、同部品の故障が多いそうだ。ちなみに、ふるいフェラーリはドアロック アクチュエーターがないため、この種の故障は起きないという。
新品のドアロック ユニット。360モデナ用の在庫は問題なくあった。純正パーツが入った箱には、いたるところに“跳ね馬”のロゴがあしらわれている。早速、整備を担当するテクニシャンの松原俊之氏が運転席側ドアの内張を外していく。今回交換するのは運転席側ドアのドアロックシステムだ。部品の交換自体はそれほど時間を要さないが、内張の脱着に時間を要するという。そのため、修理費もそれなりの金額になるとのこと。
以前、助手席側ドアがあくなくなったとき、ケーブル類を交換したときも、脱着に掛かる工賃はそれなりに要した。
【前編はこちら!】
ていねいに内張を外し、ドアロック ユニットを交換していく。故障の原因と思われるドアロック ユニット。交換中、松原氏が興味深いことを述べた。
「360モデナはなぜか配線図がないんです。先代のF355や後継のF430は配線図があるのですが、360モデナはありません。したがって、配線の交換はほかのモデルに比べ、少々大変なんです」
今回は、大きな配線交換を伴わないので問題ないそうであるが、今後はちょっと心配だ。なぜ360モデナだけ配線図がないのか……謎である。
ドアロック ユニットの配線を取り外す。ドアロック ユニットの交換が完了し、これでロックがかかる! と、思ったものの、期待は外れた。何度もリモコン・キーを操作したが、以前とおなじように施錠されても、すぐに解錠される。
もしや。ロック機構を制御するコンピュータの故障なのか……その場合、数十万円、いや100万円近く修理に要する可能性がある。マズイ!!
Vol.41 トラブル発生! ドアが開かない!?
左が新車時から装着されていたドアロック ユニット。右が新品のドアロック ユニット。故障の原因はわずかな“時間差”!?しかし、高橋工場長はいたって冷静だ。「コンピューターの故障とは考えにくいです。お時間は大丈夫でしょうか? 各所を調整いたします」と、述べる。
各所を調整するあいだ、併設されている認定中古車ショールームで、お茶を飲みつつ仕事をしていたが、心中は穏やかではない。 高橋工場長の言葉を信じたいものの、“万が一”という言葉もある。マンション購入を考えているボクとしては、出費は極力抑えたい。
約2時間後、高橋工場長が戻ってきた。
「お待たせしました。修理完了いたしましたのでご確認ください」
ホっとした。早速。リモコン・キーのスウィッチを押す。ちゃんと、閉まるではないか! もう1回押すと、今度はちゃんと開くではないか! これでようやく、愛車で外出出来る。
直らなかった原因は?
「運転席側のドアロック ユニットを交換した結果、(運転席側の)アクチュエーターの動きが早くなり、結果、これまでよりも早くロックがかかるようになりました。これに対し、助手席側のドアロックに要する時間が運転席側よりわずかばかり遅くなってしまった結果、コンピュータがエラーを起こし、ロックされませんでした」
もう少し詳しく訊くと、運転席側&助手席側のドアロックが、同タイミングでロックされ、かつ同タイミングでコンピューターに信号が送信されないとロックが掛からないそうだ。
ちなみに、ロック機構を制御するコンピューターが故障すると、盗難防止システムが作動し、エンジンが掛からなくなるそうだ。ボクの360モデナは普通にエンジンが掛かる。だから、高橋工場長は、“コンピューターの故障ではない”と、判断したという。
約2時間の作業によって、運転席側&助手席側のドアロックが同時に閉まるよう、金属ケーブルの動きなどを微調整したそうだ。そういえば、待っていたとき、ピットからなんどもリモコン・キーの作動音が聞こえたが、あれは、微調整→確認→微調整→確認を繰り返していたからという。
運転席&助手席が同時にロックされるよう何度も微調整をおこなった。今回の修理費は7万5350円。ドアロック ユニットが3万1350円、工賃が4万4000円だった。ちなみに、某ドイツ製高級ブランドの場合、おなじような修理をすると、修理費は約5万円前後になるとのこと。
やはり、フェラーリだからといって、整備代がべらぼうに高いというわけではないのだ。
文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)
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みんなのコメント
まああるよね、旧車には。
ある程度の出費は覚悟しておいた方がいいけど
みんな応援しているからがんば
ろう
!