WRC世界ラリー選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racing WRTのチーム代表を務めるヤリ-マティ・ラトバラは、ハイブリッド車両のシリーズ導入初年度となる2022年シーズンに、勝田貴元がさらなる表彰台を獲得することができると考えている。
勝田はこの2022年シーズン、TOYOTA GAZOO Racing WRT・ネクストジェネレーションの下で、1月20~23日に開催される『ラリー・モンテカルロ』を皮切りに自身2シーズン目となるWRCフル参戦を開始する。
『トヨタGRヤリス・ラリー1』の最終仕様が決定。新車開発期間にはライバルとの駆け引きも/WRC
そんな彼について、トヨタチームを率いるラトバラは、2021年のサファリ・ラリー・ケニアでの総合2位というリザルトが自信につながっており、たとえシーズン後半に調子が下降気味になったとしても、自信を持ってトップ3入りを目指していくことを確信している。
「2021年はタカ(勝田貴元)と一緒に本当に最高の瞬間を経験した」とWRC公式サイト『WRC.com』に語ったラトバラ。
「サファリ・ラリー・ケニアは本当に素晴らしい結果だったと言わざるを得ない。しかしその後、いくつかの困難な時期が訪れた。これらのラリーのすべてが彼のせいというわけではない。むしろ彼が自分でできることはあまりなかった」
「(困難な結果が続いたことで)彼の自信が失われ、それがより大きなプレッシャーを与えることになってしまった。だから、ケニアと同じレベルに戻ろうとするのは難しかったと思う」
そうしたなかで迎えた昨年11月の最終戦モンツァ。勝田は大会終盤にクラッシュを喫してしまうが、その後ふたたび集中力を取り戻したことにラトバラは感銘を受けたという。
「タカは最後から2番目のステージ(SS15)でホイールを失うミスを起こしたが、彼にとっては良いかたちでラリーを終えることが重要だった」とラトバラは述べた。
「(最終ステージに向けて)私はタカに言ったんだ。『クルマは直したから、今度は全力で走ってきてほしい』とね。その言葉を受けた彼は最終パワーステージで(2番手タイムをマークする)とても良い走りをして、ラリーを、そしてシーズンを終えることができた」
「彼は2022年シーズンに、より多くのポディウムを獲得できるだろうか? 私は可能だと考えている。2021年は1回目の表彰台に到達することができたので、今年はさらに多くのことができると思う」
新しいコドライバーのアーロン・ジョンストンとコミュニケーションを重ね、ふたたびリズムを掴んできた勝田。2週間後の開幕戦モンテカルロでは、これまでの車両から新型WRCカーの『トヨタGRヤリス・ラリー1』へとドライブするクルマが変わるが、過去複数回の参戦経験があり2021年には総合6位入賞を果たしているイベントだけに、シーズンの“スタートダッシュ”を期待したいところだ。
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