現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 新型アルファード/ヴェルファイアの大人な乗り味・進化した走行性能を公道試乗でチェック!

ここから本文です

新型アルファード/ヴェルファイアの大人な乗り味・進化した走行性能を公道試乗でチェック!

掲載 更新 17
新型アルファード/ヴェルファイアの大人な乗り味・進化した走行性能を公道試乗でチェック!

車種別・最新情報 [2023.09.07 UP]


新型アルファード/ヴェルファイアの大人な乗り味・進化した走行性能を公道試乗でチェック!

新型アルファード/ヴェルファイア プレミアム感を増した巧みで大胆なデザインを検証

稀代のベストセラーミニバン・最新モデルの実力は?
最新メカニズム&シャシーを採用したことで、“走りの質”もアピールした新型アルファード&ヴェルファイア。従来型も上級ミニバンらしい悠々堂々とした走りは評価されていたが、新型はドライバー視点の「運転する楽しさ」もプラス。ミニバンでも走りを諦めたくない人にとって、見逃せないモデルに進化を遂げた。その魅力を徹底検証!

●文:川島 茂夫 ●写真:奥隅 圭之


左がアルファード、右がヴェルファイア。歴代同様にフロントマスクのデザインが異なるのは同じだが、先代ほどの違いは感じられない。その分、新型は走行性能で明確に差別化されているのだ。

TOYOTA 新型アルファード/フェルファイア公道試乗
アルもヴェルも正常進化
走りは大人好みの味付け
 VIPカー用途にも対応できるプレミアム性の高さは、新型アルファード&ヴェルファイアの開発コンセプトのひとつ。これは従来型のセールスポイントのひとつでもあり、今回は正常進化型のフルモデルチェンジといえるだろう。

 ただ、新型でアルファードとヴェルファイア、それぞれの独自性・個性が強化されたのは注目すべきポイント。従来型まではエクステリアの意匠が異なる程度の兄弟車の関係だったが、新型は、パワートレーンラインナップや車体構造やサス等の変更を施すことで、明確な差別化を図っている。

 今回試乗する際に注目したのが、両モデルの走りの違い。特にヴェルファイアはレクサスNXにも搭載されている2.4ℓターボが導入されるなど、スポーティな側面を強くアピールしている。だが、実際に試乗した印象は、予想していたよりもスポーティを優先するようなモデルではなかった。

 ボンネットを応力部材として用いるラジエターマウントのブレースの追加や、周波数感応型ダンパーの採用などヴェルファイアに施された設計変更は、操安性の向上を目的にした工夫である。実際に乗ってても、操舵追従性は向上しているし、素早い切り返しでの挙動収束もアルファードより優れる。

 ただそれ以上に印象深く感じたのは、乗り心地の違いだ。標準装着タイヤはアルファードの標準系が225/60R18、エクゼクティブラウンジが225/65R17だが、ヴェルファイアは全車に225/55R19を採用する。普通ならロープロ(大径ホイール)になるほど段差などの路面凹凸に神経質になっていくのだが、ヴェルファイアの路面当たり感はアルファードと同等で角を感じさせない。

E-Fourの方が走りの質感は格上
 車軸周りの細かな揺れや路面当たり感の減少は、新型の走りの進化の要点のひとつ。滑らかで程よい柔らかさで、良質な走りを実感させてくれる。さらにロードノイズも穏やかだ。この美点はアルファードにもヴェルファイアにも共通するもので、ざっくりいえばどちらを選んだとしても、VIPカーにふさわしい上質な乗り心地を体感できる。

 むしろ差が感じられたのは、ハイブリッド車のFF(2WD)とE-Four(4WD)の方だ。E-Fourのほうが操安性も乗り心地も良質だった。もともとアルファード&ヴェルファイアのハイブリッド車はE-Fourを前提に開発されており、従来型でも統合型走行安定システム(VDIM)を利した4輪駆動力配分を前提にする制御やサスチューンを採用している。新型はそれを熟成進化させており、E-FourはFFよりも前後サスともにストローク感にしなやかさがある。FFもミニバンとしては最上級の乗り心地なのは言うまでもないが、乗り比べた時の洗練感はE-Fourのほうが明らかに勝る。

ヴェルファイアは軽快なハンドリング
 動力性能面の見どころは、やはりヴェルファイアに設定されたターボ車。全開加速の伸びの良さだけでなく、巡航や緩加速での力強さもあって操る小気味よさも悠々とした走りも楽しめる。試乗したのは軽量なFF車ということもあって鼻先も軽く、操舵追従性は今回試乗したモデルでは最も軽快なハンドリングだった。スポーティな味わいを求めるユーザーには、この組み合わせが魅力的に映るだろう。

 ハイブリッド車は従来型と同排気量ながら、新世代エンジンに高出力モーターを搭載した最新仕様となり、余力感が相当に高まっている。これも動力性能面の車格感を向上させるポイント。動力性能と快適性でシリーズの上位設定であることを実感できる。ちなみに、高負荷領域の加速性に関しては、FF車とE-Four車で目立った違いはなかった。

 少し残念だったのは、アルファードのガソリン仕様(2.5ℓNA)に乗ることができなかったこと。ここは予想の範疇になるが、新型のエンジンは従来型の2.5ℓ車と同型。細かなチューニングがあったとしても、パワースペックからして動力性能は改良版の範疇を超えていないだろう。

 アルファードはハイブリッド車が2タイプ(FFとE-Four)、ヴェルファイアはターボ車(FF)とハイブリッド車(E-Four)の2タイプ、合わせて4つのモデルを試乗して思うのは、走りの質感の磨き込みがされていること。オーナードライバーに対する訴求力と、VIPカーに求められる高い快適性を維持しながら、全体的に洗練度が高められている。新旧モデルを比べると、劇的な変化というよりも着実なアップデートが図られていた。従来型の美点を保ちつつ大きく進化しているのだ。


TOYOTA アルファード ハイブリッド エグゼクティブラウンジ(E-Four)

●主要諸元 ●全長×全幅×全高(mm):4995×1850×1935 ●ホイールベース(mm):3000 ●車両重量(kg):2290 ●パワーユニット:2487cc直4DOHC(190PS/24.1kg・m)+ツインモーター(フロント:134kW/270Nm、リヤ:40kW/121Nm) ●トランスミッション:電気式CVT ●WLTCモード総合燃費:16.5km/ℓ ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ベンチレーテッドディスク(R) ●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)ダブルウィッシュボーン式(R)●タイヤ:225/65R17●価格:162万4700~271万8100円
ツインモーター駆動となるE-Fourは走りの面でも恩恵が大きい
 現在のモデルラインナップにおいて、価格面で最上位のパワートレーンになるのがハイブリッドのE-Four仕様だ。もともとトヨタのシリーズ・パラレル式ハイブリッドは駆動トルクの変動が穏やかで扱いやすく、これも良質な走りの要因になっているのだが、リヤモーターが加わるE-Fourは、緻密な制御特性もあってさらに滑らかになった印象。フットワークも、前後サスともにしっかりとしたストローク感があり、それでいて挙動の収束がいい。ゆったりとした重質な味わいが走りの車格感を高めている。


ハイブリッド車のエンジンは、従来型と同じ2.5ℓハイブリッドを引き継ぐが、エンジン出力もモーター出力もパワーアップしたことで速度コントロールや余力感がさらに向上している。

TOYOTA ヴェルファイア Zプレミア(FF)

●主要諸元 ●全長×全幅×全高(mm):4995×1850×1945 ●ホイールベース(mm):3000 ●車両重量(kg):2180 ●パワーユニット:2393cc直4DOHCターボ(279PS/43.8kg・m) ●トランスミッション:ダイレクトシフト8速AT ●WLTCモード総合燃費:10.3km/ℓ ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ベンチレーテッドディスク(R) ●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)ダブルウィッシュボーン式(R) ●タイヤ:225/55R19
最新ターボの恩恵は明らか! シリーズ中で最もスポーティだ!
 今回試乗したモデルの中で、最もスポーティな印象を受けた一台。最新ターボらしい低中速域からトルクが乗ってくる加速感に加えて、8速ATがもたらすリズミカルな変速感覚も見所のひとつ。操舵に対する回頭応答の鋭さなど、ハンドリング感覚も軽快。それでいて直進安定性も高く、不安感をもたらす挙動も少ない。大トルクを活かして悠々と走らせるのも良し、小気味よくスポーティに操るのも楽しい、ドライビングプレジャーに溢れるモデルだ。重厚な乗り心地やVIPカーらしい押し出し感などはハイブリッド車には及ばないが、ミニバンでも走り応えを求めるユーザーにはとても魅力的な存在になるはずだ。


ボディ補強や専用サスを採用したことで、走りの味もアルファードとは異なる。乗り心地は気持ち硬めになったが、ハンドリング面は向上。応答性が増している印象だ。

ヴェルファイアのガソリン車は、2.4ℓターボ+8速ATの組み合わせ。最近のトヨタ/レクサスの上級モデルに採用されている高性能エンジンという位置付けだ。

TOYOTA アルファード ハイブリッド エグゼクティブラウンジ(FF)

●主要諸元 ●全長×全幅×全高(mm):4995×1850×1935 ●ホイールベース(mm):3000 ●車両重量(kg):2230 ●パワーユニット:2487cc直4DOHC(190PS/24.1kg・m)+モーター(フロント:134kW/270Nm) ●トランスミッション:電気式CVT ●WLTCモード総合燃費:17.5km/ℓ ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ベンチレーテッドディスク(R) ●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)ダブルウィッシュボーン式(R)●タイヤ:225/65R17
FF車でも動力性能は十分! 最上級ミニバンにふさわしい一台だ
 新型で初登場となるモデルがハイブリッドのFF車。先代からエンジンも含めてシステムを一新したことで、駆動モーターも強化。シングルモーターのFFでもE-Fourを採用していた先代と同等以上の動力性能を得ている。また、回転数を抑え気味にしたエンジン制御や防音制振の強化もあって遮音性にも非常に優れている。細かな路面当たりを上手にいなす乗り心地と相まって、最上級ミニバンらしい快適性を楽しめる走りに仕上がっている。


TOYOTA ヴェルファイア ハイブリッド エグゼクティブラウンジ(E-Four)

●主要諸元 ●全長×全幅×全高(mm):4995×1850×1945 ●ホイールベース(mm):3000 ●車両重量(kg):2310 ●パワーユニット:2487cc直4DOHC(190PS/24.1kg・m)+ツインモーター(フロント:134kW/270Nm、リヤ:40kW/121Nm) ●トランスミッション:電気式CVT ●WLTCモード総合燃費:16.5km/ℓ ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ベンチレーテッドディスク(R) ●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)ダブルウィッシュボーン式(R)●タイヤ:225/55R19
ヴェルファイアのターボ車と比べるとスポーティな性格がマイルドな方向に
 ターボのFF車ではヴェルファイア特有のハンドリング感覚や味を強く意識できたが、ハイブリッド車になると逆に薄まった印象。パワートレーンというよりもリヤモーターも用いる駆動方式の差、駆動力配分を能動的に制御しているせいか、FF車よりも挙動も反応も多少穏やかに感じられる。走りの味としては、安心感のある操縦性が強めに織り込まれたことで、コンフォート寄りの特性が強まった印象だ。実際、アルファードとの走りの違いも少なく感じられた。

こんな記事も読まれています

【ポイントランキング】2024年WRC最終戦ラリージャパン後
【ポイントランキング】2024年WRC最終戦ラリージャパン後
AUTOSPORT web
無冠の帝王が汚名返上。苦節13年で初王者のヌービル「本当に長かった。大変な努力へのご褒美だ」
無冠の帝王が汚名返上。苦節13年で初王者のヌービル「本当に長かった。大変な努力へのご褒美だ」
AUTOSPORT web
フェルスタッペンがドライバーズ選手権4連覇【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP 決勝
フェルスタッペンがドライバーズ選手権4連覇【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP 決勝
AUTOSPORT web
古さと新しさが同居した天才的デザインに仰天!! ディフェンダーの「貫禄」にシビれた!!!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
古さと新しさが同居した天才的デザインに仰天!! ディフェンダーの「貫禄」にシビれた!!!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
ベストカーWeb
ドリキンが自腹購入したホンダ「シビックタイプR」でチューニング指南! 無限×ヤマハコラボの「パフォーマンスダンパー」は買いです
ドリキンが自腹購入したホンダ「シビックタイプR」でチューニング指南! 無限×ヤマハコラボの「パフォーマンスダンパー」は買いです
Auto Messe Web
【F1第22戦決勝の要点】 岩佐歩夢が分析するメルセデスの速さの秘密「マシン特性の不利を覆すほどのいい仕事」
【F1第22戦決勝の要点】 岩佐歩夢が分析するメルセデスの速さの秘密「マシン特性の不利を覆すほどのいい仕事」
AUTOSPORT web
1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テックへ試乗 アルピーヌに相応しい走り
1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テックへ試乗 アルピーヌに相応しい走り
AUTOCAR JAPAN
ヒョンデ「アイオニック5」がマイチェンで航続可能距離703キロに! 気になる車両価格は523万6000円から…30台限定の「コナ マウナ ロア」にも注目
ヒョンデ「アイオニック5」がマイチェンで航続可能距離703キロに! 気になる車両価格は523万6000円から…30台限定の「コナ マウナ ロア」にも注目
Auto Messe Web
『絶対完走』の重圧に耐えた勝田。来季シートがかかっていたことを示唆【ラリージャパン後コメント】
『絶対完走』の重圧に耐えた勝田。来季シートがかかっていたことを示唆【ラリージャパン後コメント】
AUTOSPORT web
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 後編 ジャンクヤード探訪記
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 後編 ジャンクヤード探訪記
AUTOCAR JAPAN
中型からステップアップ 人気の“ミドルクラスネイキッド”スズキ「SV650」とカワサキ「Z650RS」どっちを選ぶ?【スペックでライバル比較】
中型からステップアップ 人気の“ミドルクラスネイキッド”スズキ「SV650」とカワサキ「Z650RS」どっちを選ぶ?【スペックでライバル比較】
VAGUE
ラリージャパンで一般車の侵入という衝撃トラブルが発生! SSのキャンセルもあるなかトヨタ勢は2・3・5位に着ける
ラリージャパンで一般車の侵入という衝撃トラブルが発生! SSのキャンセルもあるなかトヨタ勢は2・3・5位に着ける
WEB CARTOP
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 前編 ジャンクヤード探訪記
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 前編 ジャンクヤード探訪記
AUTOCAR JAPAN
サーキット派に朗報! ウェッズスポーツ「TC105X」に16インチの新サイズ登場…マツダ「ロードスター」や走りのFF車にオススメです
サーキット派に朗報! ウェッズスポーツ「TC105X」に16インチの新サイズ登場…マツダ「ロードスター」や走りのFF車にオススメです
Auto Messe Web
【ラリージャパン2024】最終ステージでトヨタが逆転! マニュファクチャラーズタイトル4年連続獲得、豊田章男会長「感動という共感を生んだ」
【ラリージャパン2024】最終ステージでトヨタが逆転! マニュファクチャラーズタイトル4年連続獲得、豊田章男会長「感動という共感を生んだ」
レスポンス
1度の運転では好きになれない シトロエンCX 5台を乗り比べ(2) GTiにファミリアール 仏大統領も愛用
1度の運転では好きになれない シトロエンCX 5台を乗り比べ(2) GTiにファミリアール 仏大統領も愛用
AUTOCAR JAPAN
独創的な「近未来」フォルム! シトロエンCX 5台を乗り比べ(1) モデル名は空気抵抗係数から
独創的な「近未来」フォルム! シトロエンCX 5台を乗り比べ(1) モデル名は空気抵抗係数から
AUTOCAR JAPAN
4連覇を決めたフェルスタッペン「苦しいシーズンの中で多くのことを学んだ。だからこそ特別だし、誇らしい」
4連覇を決めたフェルスタッペン「苦しいシーズンの中で多くのことを学んだ。だからこそ特別だし、誇らしい」
AUTOSPORT web

みんなのコメント

17件
  • >●価格:162万4700~271万8100円・・・何かの間違いだよな、ちゃんと校正しろよ。
  • 162万~271万なら相当売れると思う。
    シエンタより安い。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村