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歴代最強 レンジローバー・スポーツSV、欧州発表 マイルドハイブリッドの高性能SUV 初年度分は完売

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歴代最強 レンジローバー・スポーツSV、欧州発表 マイルドハイブリッドの高性能SUV 初年度分は完売

4.4L V8ツインターボに48Vマイルドハイブリッド

JLRは5月31日、レンジローバー・スポーツの高性能グレード「SV」を欧州で発表した。従来のSVRの後継となるモデルで、名称から「R」が外れた。最高出力635psを発生し、モデル史上最も強力な仕様とされている。

【画像】最新技術満載の歴代最強SUV【新型レンジローバー・スポーツSVを標準車と写真で比較】 全34枚

新型レンジローバー・スポーツSVは、4.4L V8ツインターボに48Vマイルドハイブリッド技術を組み合わせ、従来のレンジローバー・スポーツSVRの550ps(5.0L V8スーパーチャージャー)を大きく上回る出力を実現している。

最大トルクは81.5kg-m(ローンチコントロール条件下で一時的に使用可能)で、8速ATを介して四輪を駆動する。0-100km/h加速3.6秒、最高速度290km/hに達する。最大牽引力は標準と同じ3500kg。

フロントとリアのトレッド幅を広げ、キャンバーを拡大し、フロントバンパーとグリル、サイドスカートに専用のデザインを処理を施している。リアには、従来のSVRの角型とは異なる4本出しの円形マフラーを装備するなど、細かなデザイン変更が行われている。

新しいフロントエンドのデザインは、V8エンジンとブレーキの冷却性能を高めるために必要なものとされる。また、ランドローバーとしては初めて、8ピストンキャリパー付きカーボンセラミックブレーキと、23インチのカーボンファイバーホイールをオプションで設定している。

JLRのスペシャル・ビークル・オペレーションズ(SVO)部門によると、このカーボンセラミックブレーキ(34kg軽量化)とカーボンファイバーホイール(36kg軽量化)を装着することで、通常のレンジローバー・スポーツよりもバネ下重量を70kg削減できるという。標準装備の鋳鉄製ブレーキと鍛造アロイホイール(同じく23インチ)を装着した場合の車両重量は2560kg。

高度なシャシー技術満載のスーパーSUV

カーボンファイバー製またはカーボン調のディテールが内外装に施されている。フロントスプリッターは、アプローチ・アングルを向上させるために取り外しが可能で、オフロード向けのテレイン・レスポンス・システムも搭載される。

エアサスペンションを使用しているが、SVでは油圧連動式が初めて採用された。マクラーレンのような油圧式ダンパーとは異なり、車体の斜め方向だけでなく、左右と前後を直結して、ピッチとロールの動きを抑制することができる。その結果、機械的なアンチロールバーは搭載されていない。

このシステムは、2300Nmをロール制御に、4000Nmをピッチ制御に投入することができる。JLRによれば、横方向に1.1gの荷重をかけることができるが、そのときの傾きは3.5~4度に過ぎない。SVO部門ディレクターのジャマール・ハメディ氏は、これを「シャシー・マジック」と表現する。

なお、この数値はオールシーズン・タイヤを履いたときのものである。従来のSVRにはサマータイヤが標準装備されていたが、SVではフロントに285/40 R23、リアに305/35 R23のオールシーズンタイヤ、ミシュラン・パイロットスポーツ4が装着される。

全高は標準より10mm低いが、高速走行に特化したドライブモードが用意されており、サスペンションをさらに15mm低くすることができる。また、電子制御式リア・ディファレンシャル(スポーティモードでは、実質的に後輪駆動となる)、アクティブ・リアステアも標準装備される。ステアリングレシオは17.5:1から13.6:1にクイック化された。

「振動」で音楽を聞く 最新スピーカー技術も

インテリアでは、ヘッドレスト一体型の新しいシートが採用され、カバーにはレザーまたはテクニカルファブリックを指定できる。

ステアリングホイールは、より小さく、より厚いリムを持ち、ハンドポジションが明確に成形されている。また、「SV」ボタンが装備され、SVモードやパーソナライズされたドライブモードを起動できる。

リアシートの左右2席もヘッドレスト一体型となっているが、それ以外のインテリア構造はほとんど変更されていない。

フロントシートの背もたれには、オプションで触覚トランスデューサー(スピーカーだが、振動を出力する装置)を取り付けることができる。SubPackというカナダの企業と共同開発されたこの技術は、音楽を振動で体に伝えるものだ。

これにより、聴覚を害することなく、大音量で音楽を聴いたときの感覚を長時間体験することができる。また、聴覚障害者にも音楽を届けることができるという。なお、JLRのエンジニアは、クルマにおいて「振動」は良くないものなので、トランスデューサーは「振動」ではなく「エネルギーを放出する」と表現している。

サブウーファーではクルマを揺らすだけなのに対し、トランスデューサーは乗員の背骨や内蔵に向けて、よりはっきりとした振動を伝える。オプションで、その振幅を大きくしたり、オフにしたりすることも可能だ。

JLRによると、初年度生産分はすでに完売しているという。初期限定の「エディション1」は、英国で550台のみとされ、全世界で何台になるかについては明言を避けた。エディション1の価格は約16万9000ポンド(約2920万円)から、カーボンファイバーのオプションを指定した場合は19万ポンド(約3280万円)となる。納車は今年末までに開始される予定だ。

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