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エリーゼの派生モデル ヴォグゾールVX220(オペル・スピードスター) 英国版中古車ガイド

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エリーゼの派生モデル ヴォグゾールVX220(オペル・スピードスター) 英国版中古車ガイド

ロータスとオペルのパートナーシップ

2000年代には、ネオ・クラシックとして評価を高めるような名車が何台も生まれている。その1台といえるのが、2001年に発売されたヴォグゾールVX220(オペル・スピードスター)だ。

【画像】忘れがたいオペルのスポーツモデル スピードスターとカリブラ ロータス・エリーゼも 全87枚

2シーターのロードスターといえば、クルマ好きの大好物といえるカテゴリーだと思う。しかし、世界最高峰のスポーツカーを生み出す名門ブランドとコラボレーションしながらも、新車時は充分な評価を集められず、そっと幕を閉じている。

2000年代、ゼネラル・モーターズ(GM)の傘下にあったロータスとオペルは、パートナーシップを組める関係にあった。その副産物としてデザインされたスピードスターは、ロータス・エリーゼと極めて近い関係にある。

強固なアルミニウム製タブシャシーのほか、多くの部品をエリーゼS2と共有。組立自体も、ロータスのヘセル工場で行われた。グラスファイバー製のボディや、サスペンションのチューニングにも、ロータスの技術力が落とし込まれていた。

エリーゼとスピードスターとの間には、一定の距離も必要だった。そのため、ホイールベースはより長く、リアのトレッドはより広い。エアバッグとABSを標準装備とすることで、大手自動車メーカー、オペルのスポーツモデルという位置づけを明確にさせた。

しかしエアコンは装備されず、パワーウインドウも付いていない。アルミホイールは、エリーゼの16インチに対し、17インチへ大径化されていたけれど。

速く個性的で、爽快な走りを楽しめる

エンジンは、当時エリーゼが搭載していたローバー由来のKシリーズではなく、よりパワフルな自然吸気の2.2Lエコテック・ユニット。最高出力147psを発揮し、870kgのスピードスターへ、0-100km/h加速5.6秒という能力を与えた。

2003年には当時のオペル・アストラが搭載していた、2.0Lターボエンジンが追加。車重は930kgへ増えていたが、200psのお陰で0-100km/h加速を4.7秒へ短縮した。ターボ版では、ボディサイドのエアインテークが大型化され、スポイラーも装備されている。

パフォーマンスを求めるなら、2.0Lターボエンジンが好適だろう。だが2.2Lの自然吸気も、同等に楽しいドライビング体験を堪能できる。ちなみに日本へは、2.0Lターボは正規導入されていない。

2004年に2.2L自然吸気は廃版に。さらに英国仕様として、ヴォグゾールVXR220が登場。2.0Lターボにチューニングを加え、最高出力は220psへ上昇し、軽量化も図られていた。製造数は60台の限定で、英国国内でも発見は難しい。

新車当時、英国ではヴォグゾールの大衆車ブランドというイメージが足を引っ張り、ドライバーの心を充分に掴むことはできなかった。だが、欧州本土では悪くない結果を残している。

20年という時を経て、オペル・スピードスターはネオ・クラシックとして再認識され始めている。不足なく速く個性的で、爽快な走りを楽しめる、貴重な2シーターモデルといえるだろう。

新車時代のAUTOCARの評価は

パワフルな2.0Lターボエンジンを搭載するVX220(スピードスター)は、軽量なボディと相まって、0-97km/h加速を5.0秒以下でこなす。トランスミッションとの相性も良く、カーブの続く道でも、高速道路のクルージングでも、滑らかにパワーを引き出せる。

しかも燃費も良好。平均で10.6km/L前後は得られる。スーパーカーに迫る操縦性や動力性能を発揮できるモデルとしては、褒められる数字といっていい。(2003年8月9日)

専門家の意見を聞いてみる

ジョン・シール氏:ジョン・シール・スポーツカー社代表

「素晴らしいクルマです。理想的な道へ踏み入れれば、はかりしれない楽しさが待っています。問題といえば、極めて珍しいということくらい。現在も、在庫は1台しかありません」

「今のところ、希望価格と実売価格との間に差があります。まだ希望の価格で売ることは難しいようですね。しかしエリーゼと比べても、価格価値は優れていると思いますよ」

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

アストラ由来の2.2L自然吸気エンジンは、基本的に信頼性が高い。ただし、タイミングチェーン式ながら、10万km程度で交換が必要になることがある。エンジンの始動時などに、不自然な機械音を発しないか聞き耳を立てる。

加速時は、リア側から聞こえるコツコツという振動音がないか確かめる。エンジンマウントの劣化が原因のことがあり、修理には数百ポンド(数万円)は必要になる。

2.0Lターボエンジンはタイミングベルト。こちらも10万km以内で交換する必要がある。

トランスミッション

変速フィールはあまり良くないが、1速と3速には滑らかに入るのが通常。もし変速しにくいと感じたら、購入を諦めた方が良いかもしれない。トランスミッションの交換は安くできないうえ、最近は諦める人も多いようだ。

ボディ

ボディは殆どがFRP製。大まかに、フロントのクラムシェルとセンターセクション、リアのクラムシェルという3分割で構成されている。

ボディパネルは、重さを掛けるとひび割れすることがある。前後のクラムシェルは、英国では専門ショップから交換用のパネルを購入できるが、かなり高額だ。

フロントガラスと、それを囲む樹脂製のフレームを交換する場合は、クラムシェルを取り外す必要がある。氷点下の屋外で長期間保管されていたりすると、塗装に水ぶくれのような膨らみが生じることがある。

ブレーキ

標準装備のABSは、ユニットの故障が珍しくない。過去のオーナーがABSをキャンセルさせていることもあり、ステアリングコラム付近などにスイッチがないか確認したい。既に20年が経過するクルマだけに、ブレーキフルードの交換は必須。

インテリアと電気系統

ヒーターが付いているものの効きが弱く、社外品のヒーターマトリックスでアップグレードされていることがある。サイドシルに不自然なプロテクターやカバーが付いている場合、ヒビ隠しの場合があるので要注意。

荷室内には電気系統のリレーがレイアウトされている。雨水の侵入で、電気的な不具合を招くことも。

知っておくべきこと

英国では、2.2LのNA版にライトニング・イエローで塗られた100台限定の特別仕様車が導入された。2001年式で動力性能に変わりはないものの、100番までのシリアルプレートが添付されている。

ヴォグゾールVX220の場合、9160台が生産されているが、現時点で残っているのは1465台と考えられている。2.2Lエンジンの場合は、スーパーチャージャーを搭載するキットが提供されており、220馬力以上へパワーアップも可能。

スポーツカーという性質上、事故にあっている可能性も少なくない。FRP製のボディパネルは損傷しやすい。修復歴がある場合は、その仕上がりを入念に確かめたい。

英国ではいくら払うべき?

9500ポンド(約158万円)~1万2499ポンド(約207万円)

かつては良好なスピードスターをこの価格帯で購入できたが、近年は堅調に上昇中。自然吸気の2.2L版で、走行距離がかなり長いものでも1万ポンド(約167万円)近くはする。許すなら予算には余裕を持って、状態の良い例を選びたい。

1万2500ポンド(約208万円)~1万6999ポンド(約283万円)

英国では2.0Lターボのスピードスターが含まれてくる価格帯。2.2Lエンジン版は、スーパーチャージャーで過給されている例もあるようだ。

1万7000ポンド(約284万円)以上

状態の良い2.0Lターボを狙える価格帯。運が良ければ、珍しいヴォグゾールVXR220も英国では出てくる。

英国で掘り出し物を発見

ヴォグゾールVX220(オペル・スピードスター)ターボ(英国仕様) 登録:2006年 走行距離:5万1500km 価格:2万2950ポンド(約383万円)

走行距離の短い、4オーナーのVX220(スピードスター)。VX220と刺繍が施されたヘッドレストや、社外品のエアクリーナーなど、軽微なモディファイが施されている。タイミングベルトも交換済み。整備履歴もしっかり残っているという。

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みんなのコメント

4件
  • 懐かしいですね、以前乗る機会がありまして試乗したらメチャクチャスパルタン!内装はアルミパネル剥き出し、クーラー無し、パワステ無し、パワーウインドウ無し!乗り味は足回りガチガチですが地を這う様な感じで最高に楽しいコーナリングマシンでした。
  • ヨーロッパだと思った
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