10月19日、2024年MotoGP第17戦オーストラリアGP MotoGPクラスのスプリントがオーストラリアのフィリップ・アイランド・サーキットで行われ、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチームのファビオ・クアルタラロは11位、アレックス・リンスは12位でゴールした。
走行初日の夜にも雨が降り、2日目のフリー走行2回目はウエットコンディションとなった。各車一斉にコースインするも無理はせず周回を重ねていく。このセッションでは、クアルタラロが6番手、リンスが17番手を獲得したが、セッション後半には路面が乾き始めていたため、タイム自体はあまり参考にならない結果となった。
ポールスタートのマルティンが圧倒的速さでスプリント勝利/MotoGP第17戦オーストラリアGP
続く予選Q1は、湿った路面のコンディションで始まった。クアルタラロはウエットタイヤでコースインするも、スリックのコンディションと判断しタイムを出さずピットに戻る。前後ソフトのスリックタイヤで再びコースインしアタックを始めた。走るほどに路面が良くなり周ごとにタイムが大きく縮まるため、最後まで順位がわからない状況だ。
クアルタラロは、最終アタックで1分30秒635の自己ベストを記録し、Q1に挑む12台のうち最初にチェッカーを受けた。この時点で6番手となりQ1敗退が決定。クアルタラロの後にタイムを出したライダーがより大きくゲインし、最終的に19番グリッドとなった。
前日のプラクティスで10番手に入りQ2進出を決めていたリンス。完全なドライコンディションとなった予選Q2では、ほとんどのライダーがミディアム/ソフトを選ぶなか、前後ソフトでコースインしていく。1度目のランでは、1分31秒197で11番手につけると、他車より早めに切り上げてセッション後半への準備に入る。
2回目のランでは、いきなり1分29秒台のタイムを出すと、最終アタックで1分29秒059まで縮めて9番手に浮上。Q2でも路面コンディションの向上はあったが、順位は変わらず9番グリッドからのスタートを決めた。
13周を争う午後のスプリントは、気温14度、路面温度26度で強い風が吹くドライコンディション。リンスは圧倒的少数派のミディアム/ソフト、クアルタラロはほとんどのライダーと同じくハード/ソフトを選び、チームはタイヤ戦略を分けスプリントに挑んだ。
入賞圏内からスタートするリンスは、ローンチ時に大きくウイリーし、さらにフロントを跳ねさせた影響で失速。14番手までポジションを落としてしまう。クアルタラロは、1コーナーでアウトから1台抜き、18番手に上げて2周目へと入った。
スプリントの序盤、リンスはリヤタイヤになかなか熱が入らず苦戦し、次々とライバルに抜かれてしまう。5周目にはクアルタラロにもポジションを明け渡し一時18番手まで後退した。
中盤の7周目にアウグスト・フェルナンデス(レッドブルGASGASテック3)がリンスを抜き、ヤマハ勢に割って入る。クアルタラロは、前方のルカ・マリーニ(レプソル・ホンダ・チーム)と争いながらポジションを守っていたが、アウグスト・フェルナンデスを抑えきれず、残り3周で攻略されてしまう。
しかし、レース全体を通して上位ライダーの転倒が断続的に発生。それに伴って順位を上げていき、クアルタラロが11位、リンスが12位でチェッカーを受けた。
雨により初日のラバーが流され、ヤマハ勢が苦戦している低グリップかつ低い路面温度のコンディションとなった2日目。決勝日は、気温はあまり変わらないものの日が差すという予報もあり、今日よりも高い路面温度と良いコンディションが期待される。
トラックハウス・レーシングに対し24点ビハインドでランキング9位に着けるモンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム。フィリップ・アイランドで優勝経験もあるリンスとコンスタントにポイントを獲得してきたクアルタラロのふたりでその差を縮められるか、決勝に期待したい。
■ファビオ・クアルタラロ(予選:19番手、スプリント:11位)
「タフな1日だったよ。スプリントもだけど、特に予選は大変だった。(スプリントでの)スタートはとても良かったけど、ヨハン(・ザルコ/カストロール・ホンダLCR)とアウグスト(・フェルナンデス)がラインを閉じてきた。それでオーバーテイクすることができなかった」
「グリップが低くてかなり苦戦したけれど、何とかポジティブなものを見つけようと試したり取り組んだりしている。明日もまたベストを尽くしていくよ」
■アレックス・リンス(予選:9番手、スプリント:12位)
「予選ではいい仕事ができたし、昨日のプラクティスでは、予選Q2ダイレクト進出のためにいいラップができた。今朝のウエットコンディションでも悪くは無かったんだ。予選では、あのコンディションを考えれば、いいタイムを刻めたからハッピーな気分だよ」
「すべてが良さそうだったけど、スプリントで問題が発生した。リアクションタイムは良かったのにウイリーをしてしまったし、リヤを暖めるのに5、6周費やしてしまった。マネジメントが難しかったよ。スプリントで直面したこの問題は予想していなかったから、明日の決勝もタフなレースになるだろう。でも、僕たちはベストを尽くしていくよ」
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