■トヨタ「S-FR」は名車「ヨタハチ」の復刻版!?
トヨタ「S-FR」は、2015年に開催された「東京モーターショー」で出展されたコンパクトスポーツカーです。
初披露からおよそ9年経過しますが、たびたび「市販化はいつ!?」との話題があがります。
【画像】めちゃカッコいい! トヨタ新型「“小型”FRクーペ」を画像で見る(30枚以上)
S-FRのボディサイズは、全長3990mmという4mを切るコンパクトさ。エンジンをフロントミッドシップにレイアウトする後輪駆動で、トランスミッションはマニュアルというパッケージングは、トヨタの名車「スポーツ800」、通称“ヨタハチ”に通じるものがあります。
またロングノーズでどこか愛らしさのあるデザインも、ヨタハチの再来をほうふつとさせてくれます。
発表当時トヨタはS-FRについて「日常使いの中でもクルマとの対話ができる」「クルマとの距離を近づけるエントリーモデルならではのシンプルな構成」と伝えており、車両価格150万円以下で販売される想定がされていました。
今から9年前の価格ですので、いくらシンプルなライトウェイトスポーツカーと言えども現在150万円以下で実現するのは不可能でしょう。100万円台後半がエントリーグレードの価格設定で、上級グレードで200万を超えるあたりが現実的かと思われます。
ともあれ200万円を切って新型S-FRが発売されれば、人気車種になることは間違いありません。
2015年の初披露以降も、S-FRの市販化への開発は行われていた模様ですが、2020年になるとその開発が凍結されたという噂が流れました。
数年が経過し、その後S-FRに関する新たな情報も出てこないことから、開発凍結という噂の信憑性は極めて高そうです。
市販化への夢もすっかり敗れたと思われていましたが、2024年春になり、再び開発が再開したとの真偽不明な噂がSNS上などで話題になりました。
これらの情報を総合する限り、かなり「筋の通った有力な噂」ではないかと筆者(佐藤 亨)は考えます。
■頓挫したはずの「S-FR」の開発が再始動?
S-FRの開発が再開したとの噂が“筋の通った”ストーリーだと考えられるのは、トヨタのコンパクトハッチバック「スターレット」の復活と、ダイハツ次期「コペン」、そしてスズキ「カプチーノ」復活といった情報が複合的に交わされているからです。
1973年に登場したスターレットは、後継車の「ヴィッツ」が登場する1999年まで販売された、3ドア・5ドアのコンパクトハッチバック車です。
ベーシックな生活の足として、年配者から運転初心者の若いユーザーまで幅広く人気を博していました。
また「かっとびスターレット」のキャッチコピーで走り好きから高い支持を得た「スターレット ターボ」というホットモデルがあったことも印象的です。
現在、トヨタのエントリーモデルはヴィッツの後継モデル「ヤリス」ですが、少し前まではダイハツからOEMを受けた「パッソ」があり、ヒエラルキー的にはヤリスの下に属する入門車の位置づけでした。
しかしモデル末期とダイハツの不祥事が重なったこともあり、パッソの次期型へのフルモデルチェンジの可能性が見えなくなっていました。
そんな中で、パッソおよびOEM元のダイハツ「ブーン」の次期型開発をトヨタが担当し、それをスターレットと仮称しているとの噂が流れていたのです。
その噂のなかで次期スターレットには、高性能スポーツ「GRカローラ」「GRヤリス」に続く「GRスターレット」の開発もされているとの話も聞かれます。
GRスターレットには、GRカローラやGRヤリスに搭載されている直列3気筒1.6リッターガソリンターボエンジンを1.3リッターへスケールダウンして搭載されるだろうとのまことしやかな噂までありました。
真偽不明な噂と笑うこともできますが、1.3リッターターボはGRスターレットとS-FRの両方に採用でき、開発コスト回収の道筋が見えることから、S-FRの開発が再始動したというストーリーを思い描くこともできます。
■ダイハツやスズキも参加することでさらに「現実味」を帯びてきた!?
こうしたストーリーがさらに現実味を帯びる出来事が、2023年に開催された第1回「ジャパンモビリティショー2023」で起こりました。
それが、ダイハツが出展したコンセプトカー「ビジョン・コペン」です。
現行型コペンが、軽自動車規格の660ccエンジンとFFの組み合わせなのに対して、ビジョン・コペン(次期コペン)はFRで1.3リッターエンジンを搭載するというもので、多くのスポーツカーファンが関心を向けました。
これはもう、GRスターレットに搭載する1.3リッターエンジンをS-FRと次期コペンに搭載し、プラットフォームも共通化して市販化という現実的なストーリーが、決して単なる噂や妄想話ではないと証明するようなものではないでしょうか。
加えて、スズキが1991年に販売した軽スポーツ・オープンカーの「カプチーノ」の復活のストーリーも見えてきます。
スズキもトヨタと提携関係にあり、すでに国内外においてトヨタへのOEM供給の実例もあることから、全く可能性がないとは言えません。
さらに3社共同開発なら、販売台数が少ないスポーツカーでも開発コスト回収と収益の確保ができそうです。
今の技術は、同じエンジン、同じプラットフォームでも、全く乗り味が違うクルマに仕上げることができます。
もしトヨタのS-FR、ダイハツの次期コペン、スズキの次期カプチーノという3つの新型がデビューすれば、大いに盛り上がるのではないでしょうか。
[編集部注記:本文の一部に誤りがあったため、2024年9月2日に修正しました]
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みんなのコメント
現行コペンも同エンジン、同プラットフォームで4タイプを出しているがトヨタ子会社のダイハツ一社ではアレが限界だなぁと感じていた。
トヨタ、スズキが入れば個性的な3タイプになりそうだ。
1.3Lのビジョンコペンが200万前半なら即買いしたい。