FIAがF1第20戦メキシコシティGPの週末にF1ドライバーとミーティングを行い、ドライビング・ガイドラインを見直す決定を下したにもかかわらず、レッドブルのマックス・フェルスタッペンはレースへのアプローチを変えるつもりはないと主張している。
金曜日恒例のドライバーブリーフィングの一環として、各チームのスポーティングディレクターは統括団体であるFIAの代表者らと会合を持った。特に第19戦アメリカGPでスチュワードがランド・ノリス(マクラーレン)にペナルティを科した状況を踏まえ、レーシングインシデントの判定方法に関して続いている混乱に対処するため話し合った。
FIAがF1ドライビング・ガイドラインを変更へ。フェルスタッペンの防御と審議委員の裁定にドライバーたちから批判噴出
オースティンでは、ノリスはフェルスタッペンをコースアウトして追い越したためにペナルティを受けたが、フェルスタッペン自身は、最初にライバルをコースアウトさせたことに対するペナルティを免がれた。スチュワードの一貫性のなさは、フェルスタッペンが現行のガイドラインの抜け穴を利用したのではないかという議論を引き起こしたため、FIAは11月末の第23戦カタールGPまでにルールを見直すことに同意した。
しかし現世界チャンピオンであるフェルスタッペンは、変化が迫っていることに動じていない。
「僕にとって、レースに関しては何も変わらない」とフェルスタッペンは語った。
「それに、ルールはいつだって改善できるし、常にそうすることを目指して努力すべきではないだろうか? それは決して完璧にはならない。そのことはわかっている」
「でも問題は、あのコースではオフラインで簡単にドライブできるということから始まっていると思う。グラベルがあれば、そのような状況に陥ることはない。なぜなら、コースアウトするリスクがあるため、アウト側のマシンはあれほど遅くブレーキをかけることはないからだ。イン側でも同じだ。常により慎重に入るようになるので、そうした事態が起きることはない」
「ランオフが多い特定のコースではそのことが問題になっていて、もちろんFIAも認識している。オーストリアのように、彼らはグラベルトラップをいくつか設置することを検討するかもしれない。それは確かに役に立つだろう」
この新たな議論が特にフェルスタッペンのレーシングスタイルに向けられたものであると思うかと問われると、彼は否定した。
「そうは思わない。彼らはただ、自分たちで(ルールが何であるかを)知りたいだけだろう」
一方、カルロス・サインツ(フェラーリ)は、この会合を“前向き”かつ“生産的”なものだったと評した。サインツは、カタールに向けて練られている解決策が全員にさらなる明確さをもたらし、コース上での行動を改善すると確信している。
「前向きで生産的なミーティングだったと思う」とサインツは語った。
「多くのドライバーが、それぞれの状況についてどう感じているか、そして僕たちが考える最善の方法について率直に話をした」
「レーススチュワードがペナルティを適用するルールや、ドライビングのガイドラインをどのように解釈するかといったことは、今週末も変わらずにおそらく同じように適用されるだろうと思う」
「でもカタールではドライバーがよりよく理解し、レース全般をさらに改善するための解決策が見つかると思う。うまくいけば、もっとよくなるはずだ」
FIAがガイドラインを見直す動きは、レーシングインシデントに対する一貫した基準を模索するなかで、ドライバーとオフィシャルの間に緊張が続いていることを浮き彫りにしている。今のところ、フェルスタッペンは自身のアプローチにこだわり続けているが、それ以外のドライバーたちは、今後はより一貫性のあるルールが導入されるだろうと慎重ながらも楽観的な姿勢でカタールに目を向けている。
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