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進化したレクサスの“FRスポーツセダン”新型「IS」のディテールとは? ルックスはよりアグレッシブに! “パワステ”刷新で実現した“格上の走り”にも注目

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進化したレクサスの“FRスポーツセダン”新型「IS」のディテールとは? ルックスはよりアグレッシブに! “パワステ”刷新で実現した“格上の走り”にも注目

マイチェンとは思えない進化を遂げた新型「IS」とは

 2025年9月に世界初公開されたレクサス「IS」の新型モデル、ついに実車と対面することができました。

【画像】「えっ!…」公道でのドライブするのが楽しみ! これが驚異の進化を遂げたレクサスの新“FRスポーツセダン”です(30枚以上)

 最初にいってしまうと、このクルマは従来型のビッグマイナーチェンジモデルです。まさかこのタイミングで進化するとは想像もしなかったわけですが、驚いたのはアップデートの幅も、それこそ想像を超えるものだということです。

 そもそも現行型「IS」のデビューは2013年にまでさかのぼります。日本向けとしては2世代目となるこの「IS」は、スピンドルグリルの採用やハイブリッド車の設定などにより、ますます人気が高まりロングセラーに。

 そして2020年に、従来モデルへとバトンタッチされるのですが、実はこのときも内容的にはやはりビッグマイナーチェンジという形が採られました。

 車体がワイド化されてタイヤ外径も拡大されるなど、外観はほぼ完全に改められていましたが、実はプラットフォームは以前のものを踏襲していたこのモデル。世の主流がBEV(電気自動車)へシフトしていくかどうかという微妙な時期で、流れが鮮明になるまで大きな投資が必要になるフルモデルチェンジを控えた、という側面もあったようです。

 でも、実際に走らせてみると、ボディ剛性の一層の向上に加えて、ホイール締結のハブボルト化という英断などもあり、格段の進化を実現していたのでした。

 あれからさらに5年が経ち、つまりモデルライフはすでに12年に達している現行型「IS」。それだけに「そろそろフルモデルチェンジか……」と思っていたら、この新しい「IS」、前述のとおりまたもビッグマイナーチェンジ版での登場となりました。

 しかも、単に内外装にとどまらず、変更はかなりの広範囲に及んでいて、つまりまだまだ現役続行の意欲十分と感じさせる仕上がりになっているのです。

 前置きが長くなりました。まずは外観から見ていきましょう。

 新型「IS」が目指したのは“アグレッシブでスポーティなデザイン”。まずフロントマスクは、ラジエターグリルやノーズの形状に手が入れられ、ヘッドライトがよりインテグレートされた形となっています。ノーズを低く見せた従来のデザインをさらに洗練させた、「IS」らしくて、かつしっかり進化を感じさせる仕上がりです。

 撮影車両は「IS300h “Fスポーツ”」ということで、バンパーのデザインは一層アグレッシブに。新意匠の軽量19インチアルミホイール、床下から巻き上がる空気を増速することでリフトを減らす新形状のリアスポイラーも採用されています。

 またボディカラーは、6月に発売された「IS500」の特別仕様車「IS500 クライマックスエディション」にも使われた“ニュートリノグレー”をまとっていました。新型「IS」に用意されるのは、この色を含む全8色となります。

 そんな外観以上に驚かされたのが内装のアップデート。なんと今回、ダッシュボードが新設計されているのです。

 ドライバー正面のTFT液晶メーターとセンターディスプレイは、いずれも12.3インチに大型化。それに伴ってメーターフードや左右の吹き出し口なども新形状となっています。

 センターコンソール前側に並ぶ空調操作用のピアノスイッチもアクセント。アナログ時計、“リモートタッチ”のタッチパッドなどが姿を消した一方、シフトセレクターはレバー式が踏襲されています。

 コンソール上面とスタートスイッチベゼルに採用された、竹の繊維の陰影を活かしたという市販車初採用の“Forged Bamboo”も注目です。レクサスは以前から竹を内装材に使ってきました。竹は生育が早いためカーボンニュートラルを実現する素材としてうってつけということで、今回もそのイメージを投影させたということでしょう。

 正直、このタイミングで新造してくるとは思わなかった、この新しい内装。実際に触れた印象としては、内装各部の表面処理、クオリティは「さすがレクサス」という品質感で、スイッチ類の操作感も上々。満足感は高そうです。

 また、USBポートはちゃんとUSB-C化され、アームレスト内からセンターコンソール前方へと移動。その下側にはQiのワイヤレス充電スペースも用意されるなど、使い勝手もしっかり高められています。

電動パワーステアリングの変更で格上の走り味に

 そうした内外装だけでも十分に大きな変化、進化と表現していいはずですが、実は新しい「IS」は、メカニズムにも決して小さくない変更が加えられました。

 謳われているのは、これまで追求してきた「ドライバーがクルマと対話できる気持ちのいい走り」にさらに磨きをかけた、ということです。

 最大の変更点が電動パワーステアリング。従来のラック同軸式から低慣性モーターを使ったラック平行式に改められ、同時にバリアブルギアが採用されました。

 前述のとおり、2020年の刷新で大きな進化を果たした現行型「IS」の走りですが、唯一、ステアリングフィールだけは古さを隠せない感がありました。その思いは開発陣にとっても同様だったのでしょう。今回の変更は、FRコンパクトスポーツセダンとしての「IS」ファンにとって間違いなく朗報です。

 ちなみに今回、撮影のために数十メートルだけ“転がす”ことができましたが、それだけでも「操舵感の密度が増した………」ように感じられました。あるいは思い込み!? 実際に検証できる日が楽しみです。

 さらに、AVS(アダプティブバリアブルサスペンションシステム=電子制御サスペンション)のアクチュエーターが、従来のステップ式から内蔵式リニアソレノイドに。これにより、減衰力応答性が約4倍に向上したということで、乗り心地もフットワークもより洗練されているはずです。

 走りといえば、予防安全パッケージ“Lexus Safety System+”も、大幅なアップデートを実現しています。すでに他モデルではお馴染みのPDA(プロアクティブドライビングアシスト)が採用されたのを筆頭に、各機能の支援範囲拡大が図られています。

 レーンチェンジアシストの車線変更支援、約40km/h以下での渋滞走行時のハンズオフなど、現在、考えられる最新の機能が余さず盛り込まれているのは、マイナーチェンジと考えると、これは相当な進化といえるでしょう。

 最後にパワートレインについて。この新型「IS」、残念ながら5リッターのV型8気筒エンジンを搭載する「IS500」は廃止となり、用意されるのは3.5リッターV6エンジン「IS350」と、2.5リッター直4エンジンにモーターを組み合わせた「IS300h」のFR版のみとなります。しかも日本向けは、ハイブリッドである「IS300h」のみの設定です。

 日本でレクサスが開業した2005年に、初代「IS350」を購入して乗っていた私(島下泰久)としては、20年の時を経てせっかく磨きがかけられたフットワークを、20年ぶりに「IS350」で試してみたかったのですが……。個人的には、ここだけが残念なところです。

* * *

 ともあれ、同じフレーズばかり繰り返してしまいますが、まさかのタイミングで再度のビッグマイナーチェンジを敢行した新しいレクサス「IS」は、このとおり想像以上の大幅な進化を遂げていました。

 発売は2026年初頭の予定。今や貴重なコンパクトFRスポーツセダンの進化、早く路上で味わってみたい!(島下泰久)

文:VAGUE 島下泰久
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みんなのコメント

28件
  • sse********
    エクステリアはめちゃくちゃかっこいいと思う。
    ただプラットフォームやらエンジンやら駆動系やらかなり長いこと使ってる。
    FRセダンは売れないから開発費回せないのはわかるけど、さすがに新しく開発してほしい。
  • hir********
    色々な車種で新型車の記事が発表されていますが、すぐに受注停止だの、納車まで数十か月と報道されないことを願います
    納車された時にはモデルチェンジの記事が出ることも多いようです
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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