かつてダイハツの登録車は「C」で始まる名前を伝統的に使っていた
ダイハツからコンパクトSUV「ロッキー」が登場。もはや知らない人も多いかもしれませんが、初代モデルは1990年代のライトクロカン・ブームの際に誕生しています。この初代モデルは1.6Lエンジンを縦置きにした副変速機付きの4WDシステムというライトというのは本格的なものでした。
その意味では「ロッキー」という名前の復活には、硬派な四駆を生み出してきたダイハツの歴史も感じます。新生ロッキーはFFを基本としていますが、そのスピリットはただ者ではないと感じさせる車名です。
ところで、初代ロッキーには、その兄貴分といえる「ラガー」というモデルもありました。SUVなどという言葉が生まれる以前、ダイハツのクロカン四駆モデルといえば「R」で始まる名前というイメージが強かったものです。
一方、ダイハツの登録車では乗用車には「C」で始まる車名を与えるという時期もありました。「Compagno(コンパーノ)」、「Consorte(コンソルテ)」」、「Charmant(シャルマン)」、「Charade(シャレード)」といった名前に聞き覚えはないでしょうか。今回、ロッキーが復活すると聞いて、思い出したのはこれら「C」で始まるダイハツの懐かしいモデルたちです。
「コンパーノ」の誕生は1963年(昭和38年)です。イタリア語で「友達」という意味の名前が与えられた理由のひとつは、おそらくデザイナーが、フィアットやランチアなどを手掛けてきたビニアーレさんだったことも関連していることでしょう。デビュー当初はバンを中心に、ステーションワゴンも設定するというもの。エンジンは800cc 4気筒でトランスミッションは4速MT、最高速は110km/hというものでした。
その後、1965年には960ccエンジンを搭載した「コンパーノ・スパイダー」も登場しています。わずか30秒で開閉できる幌ボディながら、4名乗車というのもユニーク。そして名前の通りにイタリアンテイストのスタイルは、伝説の名車として知られているところでしょう。
「コンソルテ」はイタリア語で「提携」、「シャルマン」はフランス語で「魅力的な」という意味ですが、この両社はトヨタ車をベースにしたモデルです。ちなみに、コンソルテは「パブリカ」の、シャルマンは「カローラ」の姉妹車です。
そして、おそらく多くの人が覚えているであろうダイハツのコンパクトカーに使われていた名前が「シャレード」。1977年(昭和52年)10月に生まれた初代モデルは真上から見たときの面積から“5平方メートル”カーと呼ばれました。世界初の1.0L 3気筒エンジンを横置きしたFF方式による優れたパッケージを、このキャッチフレーズでアピールしたのです。コンパクトなファミリーカーというだけでなく、サファリラリーでクラス優勝を遂げるなどタフなスポーツハッチとしても評価を高めたのがシャレードです。
2代目モデルではモータースポーツ用に専用エンジンを積んだ「926ターボ」や、イタリアのデ・トマソとコラボレーションした「デ・トマソターボ」を設定するなど日本を代表するホットハッチとしての人気を高めていきました。現在は使われていませんが、ロッキー同様に復活すれば一定以上の支持を集めそうな歴史のある車名です。
なお、「シャレード」とは、「謎解き」の意味で『新しい時代の車のあるべき姿(謎)を解いたクルマ』として命名したとデビュー時に発表されています。未来のモビリティとして、どのような姿になるのか混沌としている今だからこそダイハツ流の“謎への回答”が見たいと思うのです。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
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