ハイブリッドの価格差をガソリン代で元を取るのは難しい
11月24日に新型日産ノートが発表された。今回発表された2代目はe-POWERユニット搭載車のみのラインアップということが注目されている。しかし、メーカーを問わずハイブリッドユニット搭載車には、トヨタのアクアやプリウスのような専用車種もあるが、だいたいガソリンエンジン車もラインアップしている。
あれ? 思ったほど伸びない……ハイブリッドなのに驚くほど燃費が良くない国産車6選
ここであくまで試算だが、ひとつの数字をお見せしよう。トヨタ ヤリスのハイブリッドZのメーカー希望小売価格は229.5万円、一方ガソリンエンジンを搭載するZのメーカー希望小売価格は192.6万円となり、その価格差は36.9万円となっている。そしてWLTCモードによる燃費では、ハイブリッドZが35.4km/L、ガソリンZが21.6km。いまどきの下取り査定における、年間標準走行距離は1万kmを割り込むものとされているようだが、ここでは年間1万km走るとする。すると、年間消費ガソリン量はハイブリッドZが約282リットル、ガソリンZが約462リットルとなり、年間でハイブリッドが180リットルほどガソリンをセーブできることになる。
1リットルあたりのガソリン価格を130円とすると、セーブできるガソリン代は年間で2万3400円。つまり、ハイブリッドの36.9万円高という価格差を取り返すには約16年かかることになる。15年以上おなじクルマに乗り続けるひとはかなり少ないので、事実上ハイブリッドの価格アップ分をガソリン代で“元を取る”ことはできないことになる。
現場のセールスマンは、「いまどきはガソリン車の燃費もかなり良くなっております。以前から言われていますが、“エコロジー”の観点でハイブリッドのご購入を検討されているお客さまには何も言いませんが、“エコノミー”という観点で検討なさっているお客さまには、普段のおクルマの使い方をお聞きし、頻繁に遠隔地へクルマを使って出張するなど、走行距離がとくに多くなるような使われ方ではなければ、ガソリン車をおすすめするようにしております。だいたいの車種では、新型として登場したあとしばらくすると売れ筋はガソリン車になります」とのことであった。このセールスマンは、ガソリン代セーブなど、“エコノミー”の観点でハイブリッド車の購入を考える人が多く見受けられるとも話してくれた。
EV購入補助金を手厚くしても買える車種が豊富にない!
アメリカや中国では、年間平均走行距離が4万kmほどになると聞いたことがある。一方の日本では、全体でみるとアメリカや中国ほど“距離を伸ばす”ひとは少なく、諸外国から見れば、“ならし運転レベル”の走行距離で下取りや売却されることが多いため、それが海外で中古車として人気も高まっている。ハイブリッド車を購入しても十分な経済的メリットを受けられるひとは限られているのが現状であり、販売現場では、そのようなひとたちにガソリンエンジンだけでなく、モーターまで載っているハイブリッド車は不要と判断するケースが多いようだ。
政府は2021年度から、BEV(純電気自動車)の購入補助金を最大80万円に引き上げる方針を決めたとの報道が流れている。諸外国のようにFCV(燃料電池車)や、PHEV(プラグインハイブリッド車)も優遇が手厚くなる可能性も高い。ただ一気にこれらの新エネルギー車への転換を図るには、日本よりはるかに手厚い購入補助を設け、車種ラインアップも豊富となっている中国ですら思うような普及が進んでいないので難しいだろう。
まずはHEV(ハイブリッド車)の普及をさらに進め、“とりあえずモーターのついたクルマに乗ってもらう”ということで、HEVの購入補助を手厚くしないと、前述したように、“迷っているお客にはガソリン車を勧める”という現場の状況では、車両電動化(HEV以外)の分野でも、日本は諸外国にますます出遅れることになりそうだ。
さらに、そもそも論になるが“BEVに乗れ”と政府が音頭をとっても、日系ブランドで満足に購入できるBEVが日産リーフしかないという現状をまずは早急に変えないと、補助金を手厚くしても、HONDA e(現状では常時買えるわけではない)や海外ブランド車ではBEVはあるものの、実質“リーフ購入補助金”になるだけ。普及促進という側面では、あまり意味がないようにも感じる。
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みんなのコメント
今更こんな内容で記事が書けるとは驚きです。
ハイブリッド車を購入する人は、燃費はもちろんだが、
ハイブリッドの力強さや静かさを求めている人が多く、
『燃費』だけで購入する人なんているのかな。
これは何年前に書かれた記事なのでしょうか…?