■最低地上高210mm+AWDで優れた悪路走破性
ボルボは60年以上前の1959年に、3点式シートベルトを世界で初めて開発/採用したのちに特許を無償公開。今の自動車社会びおける安全性能の礎を作った。
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日本においても、2009年に追突回避のために完全停止する「衝突被害軽減自動ブレーキシステム」を、XC60によって国内に初めて導入。自動ブレーキの先駆者となるなど、ボルボの安全意識の高さは枚挙にいとまが無い。
またボルボでは、このパッシブセーフティ性能に加えて、どこにでも行ける全天候性能や、ラフロードでの走破力を向上させたクロスカントリーモデルを用意するなど、北欧生まれならではの、アクティブセーフティ性能にもこだわりを持っている。
今回、冬の北海道で行われた試乗会、『VOLVO WINTER EXPERIENCE 2020』では、氷点下の雪上特設会場において、最新のクロスカントリーモデル「V60クロスカントリー」を試乗する機会を得た。
特設会場は、林道をイメージさせる高低差のあるハンドリングコース、重量級の本格的クロカン4WDでないと走行できないようなダウンヒルやモーグルコース、バンク付き転回路が用意されるなど、明らかに普通のクルマの雪上試乗会場とは異なる玄人向けの趣を持つ。
それもそのはず、今回試乗用に用意されたV60クロスカントリーは、そのフォルムだけで見ると、タワーパーキングに入る1505mmという車高でもわかるとおり、ベースとなったワゴンモデル「V60」とそれほど大きな相違はない。他社のクロスオーバーモデル同様、車高がベースモデルよりも多少アップされているという印象に過ぎない。
しかし、実際にスペックを見ていくと、国内外の背の高いSUVモデルのロードクリアランスが160mmから200mmほどなのに対し、V60クロスカントリーは、V60比で65mmアップの210mmとトップクラス。多くのライバル車が185mm以下であることから、いかに突出したロードクリアランス性能を持っているかがよくわかる。
基本性能的にも、上級モデルともいえる「V90クロスカントリー」の前後サスペンションユニットを移植したうえに、リアサスペンションにおいては専用のアーム類を新設計するなど、ロードクリアランスの高さに合わせて、接地性能も専用チューニング。むやみに車高を上げただけのまやかしモノとは異なっている。
駆動システムは、ボルボの他の4WDモデルがリアモーター駆動を採用しているのに対し、V60CCはプロペラシャフトで駆動力を伝達する仕様。センターデフには電子制御クラッチを用いることで、前後駆動力配分を瞬時にコントロールする最新システムをもっている。
エンジンも2リッター直4ターボによって、254馬力/350Nmの出力を得て、高い駆動力をサポート。各スペックを見ているうちに、V60クロスカントリーのパフォーマンスの高さに興味がわくと同時に、今回の試乗会で本格派向け雪上コースを設定した理由がよくわかった。
■予防安全技術だけでなく安全性能そのものの緻密さや意識の高さが感じられる
最初はアップダウンのあるハンドリングコースを走行するが、コース幅は1.5車線程度で狭く、雪壁がコースまわりを囲っていて、滑ってしまえばすぐに接触が待ち受ける。
そんなシビアな環境にも関わらず、走りは至って正確で落ち着いている。
ドライブモードを『Dynamic』にすると、ステアリングやエンジンの反応が良くなって、狙ったところを走りやすい。エンジンも吹け上がりが早く、上りコーナーも雪けむりを盛大に上げて加速していく。
Dynamicモードにすると、横滑り防止装置もスポーツモードに自動的に変更されることで、制御介入が遅くなって大胆な走りも楽しめる。つまりブレーキ介入があまり感じられなくなって、いわゆるドリフト状態も保つことができる。
もちろんノーマルモードの『Comfort』では、滑りそうな状況になるとエンジンが直前の状況のパワーを維持し、ムダな滑りを抑え、挙動を乱れさせない。落ち着いた姿勢とパワーによって、雪道ドライブを安心して味わえる。こうした走行モード違いのメリハリの付け方は、さすが北欧の高速ウインタードライブで鍛え上がられたものといえる。
背が高いSUVだと、どうしてもボディの動きが大きくなりがちだが、ステーションワゴンボディのV60クロスカントリーでは前後左右の動きが落ち着いていて、キャビンの快適性も良い。
フラットな姿勢を保って、滑りやすい路面や、凹凸に影響されることなくドライブできることもありがたい。当然、接地性も落ち着いているから、ブレーキ時の荷重移動やスリップ変化に気遣いする必要なく、遠慮なく各操作をおこなうことができた。
さらに挙動を大きく変えるようなオーバルコースの走行では、積極的にアクセルを開けていくと、フロントが大きく雪を巻き上げながら徐々に旋回方向に姿勢を変えていく。
オンデマンド4WDらしくリアが先に滑り出すことがなく、パワーをかけすぎても安定方向に終始するのは一般ドライバーにとってはとても心強い。4輪に常に力が伝達されているから、前に進む力で落ち着きを保ってくれる。
ハンドリング路での気持ちの良い走りと、さらにペースを上げていったときには安定性を保つ、幅の広い走りの性能を、こういった滑りやすい環境でもしっかりとカバーする懐の深さこそが、ボルボのアクティブセーフティ性能の表れだ。
アップダウンのあるセクションでは『Off road mode』で走行する。傾斜角30度の坂を下ることは一般道ではあり得ないし、スキー場で滑るにしても覚悟が必要だ。
しかし、このモードを信じて空に向かって飛び出してみると、おや、ブレーキを踏んでもいないのに、坂道の途中で、自動的にマックス10km/hを目安に速度調整。グググッグッッとブレーキをつかむ音と同時に落ち着いて坂を下りることができた。
もっとも、安全性能に対して積極的なボルボだけに、旋回路で無茶をすると、すぐにシートベルトの締め上げがまるでお仕置きモードのようにきつくなるし、さらにこの締め上げが段階的に介入するなど、衝突時ばかりではなく、日常ドライブのちょっとした挙動の乱れでも身体を保護してくれることも体感できた。
アクティブセーフティ性能に加えて、安全性能の緻密さや意識の高さもこの試乗でよくわかった。
タワーパーキングに入る背の高さなのに、凹凸のある道で4輪駆動力制御によって走破できてしまうなど、ロードクリアランスの大きさを満喫。どこにでも行ける全天候性能の高さに偽りなし。街中からラフロードまで走り切れてしまう性能によって、ドライブする楽しみが増すに違いない。
ラゲッジスペースも529リッターと大きい。何かを犠牲にすることなく、これだけ多くの性能を得られるなら、まさにお値打ち品。これ一台で北欧でのロングドライブを楽しんでみたい。そんな気にさせてくれる。
ボルボというと、頑丈なボディや衝突安全など安全性能ばかりが注目されているものの、北欧に似たような厳しい環境で試乗してみると、走りの性能の高さはもちろんのこと、安全と走りのバランス感覚の高さがよくわかる。
両極端に振れるのではなく、その途中にある様々な環境変化や挙動変化に対する柔軟で緻密な対応がおこなわれている。何層に重ね合わせた性能の奥深さこそがボルボの安全神話の真の姿だったと実感。良い経験をさせてもらった。
試乗車:ボルボV60 Cross Country T5 AWD
●車両本体価格(消費税込):564万円
・全長:4785mm
・全幅:1895mm
・全高:1505mm
・ホイールベース:2875mm
・車両重量:1810kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
・排気量:1968cc
・駆動方式:4WD
・変速機:8速AT
・最高出力:254馬力/5500rpm
・最大トルク:350Nm/1500-4800rpm
・燃費(JC08モード):11.6km/L
・サスペンション前/後:ダブルウイッシュボーン/マルチリンクル
・ブレーキ前/後:ディスク/ディスク
・タイヤ:215/55R18
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