アルファ ロメオ クラスで見事優勝を果たしたジュリエッタ スプリント
2024年11月24日に神奈川県の大磯ロングビーチで開催された「71回 SHCC(湘南ヒストリックカークラブ)大磯ミーティング」。今回は「ジュリエッタ70周年」と「アルフェッタGT50周年」のイベントが併催され、往年のアルファ ロメオが数多く集まりました。そんな会場から、ジムカーナ競技のアルファ ロメオ クラスで見事優勝を果たしたドライバーに話を聞きました。
大ケガで歩行もできないと宣告…死ぬ気のリハビリで運転できるまでになったアルファ ロメオ「ジュリエッタ スプリント」と歩んだ人生とは
20年前の「ジュリエッタ50周年」イベントではドンガラ状態で展示された
「オーナーが来れなくなったので、オイラは頼まれてジュリエッタ スプリントを運んで、ジムカーナを走っただけなんですけど、いいんですか?」
と話すのは、ご自身もアルファ ロメオ「ジュリア 1600GT」をモディファイしてサーキット走行を楽しむ紀伊修平さんだ。なんでも、この1959年式の「ジュリエッタ スプリント」はアルファ ロメオを中心にヴィンテージカーの整備で定評のある「ガレージゴトウ」の後藤新太郎代表のさまざまなアプローチが施された1台だという。
20年前に静岡県の御殿場市で開催された「ジュリエッタ50周年」の際にも後藤さんが展示したクルマで、当時は愛知県の春日井市にあった秋山自動車から入手したばかりで、ドンガラ状態での展示だったそうだ。
アルミ鈑金の名人だった秋山さんが、車体前部とボンネット、ドアスキンをアルミで製作した軽量ボディのジュリエッタ スプリント。アルファ ロメオ車はエンジンルームにあるバッテリーをトランクへ移設するだけでもハンドリングの変化が感じられるということで、フロントがさらに軽くなった。完成したら楽しいんだろうなと、当時もアルフィスタ注目の的だったという。
バランスが抜群で誰でもうまく運転できる
ガレージゴトウの後藤さんはすでに軽量化のモディファイが施されていたこともあり、「どうせならさらにライトウェイトボディを楽しめるアプローチをしよう」と、主にお正月休みに作業を行い、約10年かけて完成したそうだ。
その内容は、オリジナルの1300ccのブロックに1750ccのシリンダーライナーの長さを詰めるなどの加工を施し、ボア80mm(1750用)のピストンを使うというもの。ショートストロークの心地よさと排気量拡大による乗りやすさ、さらにはシリンダーヘッドに1750cc用を使うことにより必然的にビッグバルブ化となり、パワフルかつ気持ちの良いエンジンが完成したのだ。
ほかにも、GTA用のクロスミッションとカーツ製のノンスリップデフを組み合わせて、そのパワーを路面に伝達。自身のジュリアもガレージゴトウ製で後藤さんのアプローチを熟知している紀伊さんによると、後藤さんらしさが出ているジュリエッタ スプリントだそうだ。
「後藤さんの作るクルマはバランスがいいんですよ。ドライバーのスキルはさまざまじゃないですか。でも、後藤さんが手がけると誰でもうまく運転できるんですよね。軽さによる回頭性だけでなく、ペダル位置を変えることなく、前後のバランスをコントロールしてブレーキの操作性も抜群ですし、下手っぴなオイラが初めて乗っても違和感なく走れました」
2回目は大回りでタイムアップにつながった
紀伊さんは1本目のアタック時、パイロンへの接触もありペナルティを課されたことから、2回目は大回りで回転数を落とさないように走ったのがタイムアップにもつながったそうだ。
「トルクが太く、ショートストロークでとても気持ちの良いエンジンでした。最近の旧いクルマはオリジナルばかり尊重される傾向にありますが、オリジナルの良さをスポイルせず、そのクルマの魅力をより再認識させてくれる。こうしたモディファイは大いに賛成ですね」
アルファ ロメオ クラスのジムカーナ競技で見事優勝した紀伊さんのコメントからも、このジュリエッタ スプリントの魅力を感じることができた。
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)
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みんなのコメント
いや、この車は当初ドンガラの状態にあり、そもそもオリジナルに戻すことが出来ないからいじりまくるのもアリなだけで、元がしっかりオリジナルで部品もしっかりオリジナルが揃っていたら、オーナーだって当然オリジナルに戻すでしょ。