■国産タイヤメーカーからも続々と登場! 流行の兆しのある「オールシーズンタイヤ」
春/夏/秋のドライやウエット路面だけではなく、冬のスノー路面も走行できるため、1年中履き替える手間がいらないということで、日本でも流行の兆しのあるのが「オールシーズンタイヤ」です。
オールシーズンタイヤの歴史は長く、いまから40年以上前の1977年、グッドイヤーが北米で「Tiempo(ティエンポ)」という世界初のオールシーズンタイヤを発売しています。
日本では2008年から、グッドイヤーが「ベクターフォーシーズンズ(ベクター4)」を発売したのが最初です。以来、ベクター4のみの時代が続きましたが、昨シーズン(2018-2019年シーズン)にはミシュラン、ファルケン、そしてグッドイヤーのSUV用タイヤと、3ブランドから4商品のオールシーズンタイヤが発売されていました。
そして今シーズン(2019-2020年シーズン)は、ついに国産ブランドからオールシーズンタイヤが登場しています。トーヨータイヤのSUV用、ダンロップ、横浜ゴムと、大手メーカーではブリヂストンを除きすべての国産タイヤブランドから発売されました(横浜ゴムの「ブルーアース4S AW21」は2020年1月9日発売開始予定)。
ちなみにブリヂストンも、じつは現在、一部の店舗でオールシーズンタイヤの試験販売をおこなっています。
冬の雪道も走ることができるオールシーズンタイヤを履いたクルマで、「チェーン規制」時に高速道路を走行することはできるのでしょうか。
※ ※ ※
雪が降った場合、高速道路では段階的に交通規制が入ります。
雪が降ると、まずは最高速度が50km/hないし80km/hに規制されます(最高速度が最初から60km/hに制限されている区間については40km/hに規制される場合もあります)。
次に、「冬用タイヤ規制(すべり止め装置装着規制)」になります。
その後、路面状況がさらに悪くなった場合、「チェーン装着車以外通行止め」となり、さらに「全車通行止め」となります。
ただしこれらの規制は、道路交通法に基づく高速道路交通警察隊長の権限でおこなわれますので、段階を経ずに全車通行止めになることもあります。
※ ※ ※
いま、一般的にチェーン規制と呼ばれているものは、この「冬用タイヤ規制(すべり止め装置装着規制)」と「チェーン装着車以外通行止め」の部分です。
このうちの「チェーン装着車以外通行止め」に関しては、2018年12月14日に「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(昭和35年総理府・建設省令第3号」の一部が改正され、新しい規制標識が新設されました。
これは、大雪特別警報や、大雪に対する緊急発表がされるような異例の降雪があるときにおこなわれるチェーン規制で、この場合はオールシーズンタイヤだけではなく、スタッドレスタイヤを履いていても、チェーンを装着しなければ走行できません。
この場合のチェーンとは、金属チェーンのほか、ウレタンやゴムチェーン、樹脂製チェーン、布製カバータイプなど、自動車用品店などで販売されているものであれば大丈夫です。ただし、スプレータイプの滑り止めは、チェーンには当てはまりません。
この新しいチェーン規制は、平成30年度は以下に記載する全国13カ所を対象としました。
【一般道6カ所】
●月山道路(山形県西川町月山沢から鶴岡市田麦俣)15.2km
●山中湖・須走(山梨県山中湖村平野から静岡県小山町須走字御登口)8.2km
●大須戸から上大鳥(新潟県村上市大須戸から村上市上大鳥)15.3km
●石川県境から坂井市(福井県あらわ市熊坂からあらわ市笹岡)3.2km
●赤名峠(広島県三次市布野町横谷から島根県飯南町上赤名)2.5km
●鳥坂峠(愛媛県西予市宇和町から大洲市北只)7.0km
【高速道路7カ所】
●上信越道(信濃町ICから新井PA:上り線)24.5km
●中央道(須玉ICから長坂IC)8.7km
●中央道(飯田山本ICから園原IC)9.6km
●北陸道(丸岡ICから加賀IC)17.8km
●北陸道(木之本ICから今庄IC)44.7km
●米子道(湯原ICから江府IC)33.3km
●浜田道(大朝ICから旭IC)26.6km
この2018年12月からはじまったこの「チェーン規制」は、大雪によって立ち往生するクルマが発生しそうな、大雪特別警報などが発表されたりする特別なときに、全国13カ所という特別な場所でおこなわれるものです。
「スタッドレスタイヤを履いているのにチェーンを装着しないと走れないのはおかしい!」という意見もありますが、逆に「タイヤチェーンをつけていれば通行できるようにすることで、これまでよりも積雪による通行止め時間を短くする」ことを目的としています。
■オールシーズンタイヤもスタッドレスタイヤ同様に「冬用タイヤ」
多くの人が「チェーン規制」と聞いて想像するのは、「冬用タイヤ規制(すべり止め装置装着規制)」のことになります。
この冬用タイヤ規制は、「規制」という呼び方をされますが、じつは道路交通法上の「運転者の遵守事項」の履行を求めるもので、積雪/凍結路でクルマを運転する場合、タイヤの「滑り止め措置」を講じることをドライバーに求めるものです。罰則規定などはありません。
この「滑り止め措置」の内容は、各都道府県公安委員会が規則で定めているため、それぞれ若干違います。
たとえば、北海道の場合は、北海道道路交通法施行細則の第12条第2号に「積雪し、又は凍結している道路において、自動車若しくは原動機付自転車を運転するときは、スノータイヤを全車輪に装着し、又はタイヤ・チェーンを取り付ける等滑り止めの措置を講ずること。」と書かれています。
ちなみに東京都の場合は、東京都道路交通規則第8条第6号に「積雪又は凍結により明らかにすべると認められる状態にある道路において、自動車又は原動機付自転車を運転するときには、タイヤチェーンを取り付ける等してすべり止めの措置を講ずること。」とあります。
このように、各都道府県により若干の違いはありますが、おおむね「全車輪に冬用タイヤを装着する」または「おもな駆動輪にチェーンを装着」すれば、滑り止め措置をしているとみなされます。
スタッドレスタイヤは、この「冬用タイヤ」に当てはまります。では、オールシーズンタイヤではどうでしょうか。
オールシーズンタイヤには、サイドウオールに「スノーフレークマーク」と「snow」マーク、そして「M+S」マークが表記されています。
スノーフレークマークとは、世界最大の民間・非営利である国際標準化・規格認定機関「ASTM」の公式試験で、シビアスノー条件に適合したことを証明した証です。このマークが付いていると、冬用タイヤとして認められています。正式名称は「スリーピーク・マウンテン・スノーフレークマーク」といいます。
またsnowマークは、日本において冬用タイヤであることを容易に確認できるものです。ただしsnowマークは各タイヤメーカー独自のものなので、冬用タイヤとしての性能を保証するという効力はありません。
M+Sマークの意味は、「マッド&スノー(泥&雪)」の頭文字からきています。一般的なスタッドレスタイヤもオールシーズンタイヤも、このM+Sマークが付いています。
ちなみにこのM+Sですが、スタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤのほかに、SUVや4X4用のオールテレーンタイヤ(A/T)やマッドテレーンタイヤ(M/T)にも刻印されていることが多くあります。
このA/TやM/Tは、サマータイヤに比べるとスノー路面にも対応していますが、厳密にいえば冬用タイヤではありません。
M+S表記は、じつは各タイヤメーカーそれぞれの考え方で刻印することが可能で、スノーフレークマークのように厳密なルールはありません。
※ ※ ※
以上のことをまとめると、いま流行の兆しのあるオールシーズンタイヤは、スタッドレスタイヤと同様に「冬用タイヤ」です。なので降雪時の高速道路での「冬用タイヤ規制」でも走行することが可能です。
ただし、2018年シーズンからはじまった、新たなチェーン規制「チェーン装着車以外通行止め」では、オールシーズンタイヤでも、スタッドレスタイヤでも、チェーンを装着していないと走行することはできません。
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みんなのコメント
チェーン規制 = チェーン装着車以外通行止め
冬用タイヤ規制 = オールシーズンタイヤ、冬用タイヤでの通行可能