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物議を醸すレッドブルF1の車高調整デバイス。不正使用は未確認も、FIAは監視体制を強化

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物議を醸すレッドブルF1の車高調整デバイス。不正使用は未確認も、FIAは監視体制を強化

 レッドブルがパルクフェルメ下でマシンのフロア前端部の“ティートレイ”の高さを変更することが可能な装置を使用しているとの疑惑が浮上した後、FIAは、違法行為は確認されていないと述べる一方で、監視を強化することを決めた。

 ライバルたちによると、レッドブルは、コクピットから“ティートレイ”のクリアランスを調整できる方法を見出したと考えている。違いは数ミリの範囲で、FIAが予選終了時と決勝終了時の違いを検出するのはほぼ不可能だという。

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 フロアの前端の高さを調整することができれば、予選で低くし、レースで高くすることでパフォーマンスを最適化することが可能だが、F1のパルクフェルメ規則により、予選から決勝まで車高を調整することは許されていない。

 疑惑の声が高まるなか、F1アメリカGP前の木曜日、FIAはこれまで違反は見られなかったが、監視を強化するとの声明を発表した。

「パルクフェルメ状況下でのフロントビブのクリアランス調整は、レギュレーションにより厳しく禁止されている。このようなシステムを使用しているチームがあるという情報は今まで受け取っていない。しかしFIAは、スポーツの監視を強化するための継続的な取り組みにおいて引き続き警戒を怠らない」

「その一環として、フロントビブのクリアランスを容易に変更できないよう、手順の調整を実施した。場合によっては、規則が順守されることをさらに確実にするために、シールを使用する可能性がある」

 当初は疑惑のシステムを使用しているチームがどこなのか明らかではなかったが、アメリカGPを前に、それがレッドブルであることが分かった。レッドブルは短いコメントを発表し、「確かにそのデバイスは存在する」と認めた後、規則違反は犯していないと説明した。

「マシンが完全に組み立てられ、走行準備が整った状態では、そのデバイスにアクセスできない。FIAとの多数のやり取りのなかで、この部分が話題に上がり、今後の計画について合意した」

 チームは、パルクフェルメ・コンディションでない時には、メカニックが“ティートレイ”のクリアランスを変更することは可能だが、パルクフェルメ状態に入った後にコクピットから変更するという行為は規則違反に当たる。

 アメリカGPを前にして、レッドブルのドライバーたちは、違反行為は一切ないと強調した。

 マックス・フェルスタッペンは、「チーム内でそれについて話すことすらなかった。(すべてのチームがアクセスできるFIAの)オープンソース・システムで(設計の詳細が)公開されているのだから、誰でも見ることができるんだよね?」と述べている。

「僕たちにとっては、パーツの装着が終わっていない段階で、調整を簡単に行うためのツールにすぎない。マシン全体が組み立てられた後は、触ることができない。変更はできないんだ」

「これに関する報道を読んだ時、他のチームがやっているんだと思った。その後、僕たちの話だと分かったけどね。でもあれは調整を簡単にするツールにすぎない」

 セルジオ・ペレスも「それを利用して何かをしていたわけではない。それについての話はしたよ。(調整のために違法行為をすることは)全く不可能だ」と語った。

「今思い出した例を挙げると、去年のスプリントで、僕たちはとても高い車高で走ることにした。メルセデスに起きたこと(注:ブランクの摩耗で失格になった)が自分たちに起こることを心配したからだ」

「そのデバイスが存在することを僕は知っていた。でも、(違法の形で)利用することはできなかった。今回の件は、パフォーマンスに一切影響しないよ」

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