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ハイラックスに続け!! 日本メーカーが作る海外専売のピックアップトラック

掲載 更新 32
ハイラックスに続け!! 日本メーカーが作る海外専売のピックアップトラック

 2017年に日本市場では13年ぶりに復活したピックアップトラックのトヨタハイラックスは、マニアックなクルマながら未だ販売は堅調で、近々マイナーチェンジが行われる。

 日本ではハイラックスの独壇場となっているピックアップトラック市場だが、日本メーカー各社は海外向けにはハイラックスが属するミドル級のピックアップトラックをラインナップしている。

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 ミドル級ピックアップトラックのボディはハイラックスでいう2ドアのシングルキャブ、2ドア+マツダRX-8のような観音ドアを持ち、荷物置き場などに使えるスペースを持つスマートキャブ、4ドアのダブルキャブという3つがあるのがほぼお決まりだ。

 当記事は、日本メーカーが日本で販売していないが、販売してほしい魅力的なミドル級ピックアップトラックたちを紹介していく。

文:永田恵一/写真:NISSAN、HONDA、MITSUBISHI、ISUZU、MAZDA、TOYOTA、RENAULT、MERCEDES-BENZ

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日産NP300ナバラ&フロンティア

 NP300ナバラ&フロンティアは2002年まで日本でも販売されたダットサントラックの流れを汲むモデルで、中国、東南アジア、欧州で販売されるのがNP300ナバラ、北米で販売されるのがフロンティアである。

 では2台が同じクルマかというとそうでもなく、それぞれの現行モデルはNP300ナバラが2014年登場なのに対し、フロンティアは2004年登場と古い。

日産ナバラは、全長5120~5255mm、全幅1790~1850mm、全高1715~1820mmとボディタイプによりサイズに幅がある

 タイ仕様でNP300ナバラから見ていくと、エンジンは7速ATもしくは6速MTと組み合わされる2.5Lディーゼルターボが中心だ。

 現代的なエクステリアに加え、インテリアも現行エクストレイルを思い出させる乗用車的なもので、東南アジア圏ではピックアップトラックを乗用車代わりに使う人が多いのもよく分かる雰囲気を持つ。

 対するアメリカ仕様のフロンティアは、内外装は15年ほど前の日産の雰囲気で、古さは否めない。

日産フロンティアのボディサイズは、全長5220×全幅1849×全高1770mmでホイールベースは3198mm。数世代前の日産車の雰囲気

 しかし機能面に関しては、「現行モデルとしては最後となる改良」を最近受けており、パワートレーンは改良前の2.5L、直4と4L、V6から新しい3.8L、直噴V6(最高出力は従来の4L、V6+49psの310ps)+9速ATに一本化され、劇的に進化した。

 なおNP300ナバラ&フロンティアは2019年に日産が世界で販売した約517万6000台のうち7位となる21万6000台を販売している。

 そしてルノーではアラスカン、ベンツではXクラスというピックアップトラックのベースになるなど、日産アライアンスにとって重要なモデルとなっている。

ルノーアラスカン(上)、メルセデスベンツXクラス(下)ともナバラがベース。しかし残念なことにXクラスは2020年5月に生産中止となった

ホンダリッジライン

 ピックアップトラックに代表される商用車のイメージは世界的に薄いホンダだが、北米向けにはリッジラインというピックアップトラックを2005年からラインナップしている。

 現行型は2017年登場の2代目モデルで、リッジラインは他社のミドルクラスのピックアップトラックと異なりダブルキャブのみの設定だ。

現行の2代目は2016年にデビュー。ボディサイズは全長5335×全幅1995×全高1785mmとかなりのボリュームだ

 またボディ構造もピックアップトラックでは定番のラダーフレームではなくモノコックボディを強化したもので、サスペンション形式もフロント/ストラット、リア/マルチリンクと全体的に乗用車に近い成り立ちだ。

 乗用車に近いと言えばエンジンはボタン式スイッチとなる9速ATと組み合わされる3.5L、V6を横置きに搭載し、駆動方式はピックアップトラックでは珍しいFFと、4WDは切り替え操作なしでクルマが前後と後輪左右の駆動力配分も行ってくれるi-VTM4となる。

 また荷台には下方向だけでなく横方向にも開くアオリや床下収納、コンセントを装備するなど、便利な機能が満載となっているのもリッジラインの大きな特徴だ。

スポーティな雰囲気のエクステリアデザインはアメリカの若者の間でも人気が高い。実用性だけでなくドレスアップアイテムとしても重宝されている

ピックアップトラックながらモノコックボディを採用しているように、乗り味だけでなく、インテリアも乗用車的で快適性は高い

三菱トライトン

 トライトンは初代パジェロのベースとなったフォルテやその後継車となるストラーダの流れを汲むピックアップトラックだ。

 2005年登場の初代モデルは3L、V6ガソリン+4速ATという仕様のみながら、日本でも販売されていた。

タイの約1年遅れとなる2006年から日本で販売を開始した初代トライトンは2011年まで販売された。300万円を切る価格は魅力的だった

 現行モデルは2014年登場の2代目モデルで、トライトンは初代モデルからタイ国で生産され世界各国に輸出される三菱自動車にとっては重要なモデルとなっている。

 現在販売されるトライトンは2018年11月にビッグマイナーチェンジされたモデルで、パワートレーンはそれぞれ6速となるMTとATと組み合わされる2.4L、4気筒ディーゼルターボ(181ps)を搭載。

 ダイナミックシールドが新たに採用されたフロントマスクをはじめトライトンは全体的に三菱自動車らしい堅実な仕上がりとなっており、派手さはないがユーザーの満足度は高いモデルとなっている。

現行トライトンは2014年にデビューし、2018年にビッグマイチェンによりダイナミックシールドが採用されてシャープに変貌

三菱トライトンのボディサイズは、全長5210×全幅1820×全高1780mm。大きなクルマへの抵抗感が薄れつつある現在の日本では長いが使えるサイズ

いすゞD-MAX

 初代モデルが2005年に登場したD-MAXはいすゞがジェミニなどの乗用車を自社生産していた頃からあったロデオなどから続くピックアップトラックで、2019年登場の現行型で3代目モデルとなる。

 なお現行D-MAXは最近発表されたマツダBT-50の新型モデルのベースにもなっている。

3代目となる現行は2019年にデビュー。ボディサイズは全長5265×全幅1870×全高1790mm、ホイールベースは3125mm

 D-MAXも3Lのディーゼルターボを搭載するなどオーソドックスなミドル級ピックアップトラックだが、注目したいのは150psの1.9Lディーゼルターボも設定する点だ。

 日本のいすゞの販売網で一般ユーザーに販売するのは難しいとしても、もし1.9Lディーゼルターボを搭載したBT-50が安価に販売されれば、ハイラックスに対し面白いライバル車になるかもしれない。

D-MAXをベースにマツダの魂動デザインによりスタイリッシュに仕上げられているマツダBT-50は2020年6月に発表されたばかりのニューモデル

番外編/日産NP200

 小型ピックアップトラックというと日本では1994年まで販売されていたサニートラックが代表的だ。

 サニートラックはなんと2008年まで南アフリカ共和国で販売されていたのだが、現在も南アフリカ共和国ではサニートラックの後継車的存在となるNP200というモデルが販売されている。

小型ピックアップとして根強い人気だったサニートラック(通称サニトラ)は日本で1971~1994年まで販売。南アフリカでは2008年まで販売されていた

 2008年登場のNP200はルノー傘下となるルーマニアのダチア社のロガンという低価格車をベースにした小型ピックアップトラックだ。

 NP200はそれぞれ5速MTのみとなる1.6L、4気筒ガソリンと1.5Lディーゼルターボを搭載している。

 2人乗りながらシート後方にはハイゼットジャンボやスーパーキャリイといった軽トラックのキャビン付のような荷物置き場に使えるスペースがあり、便利に使える。

 それ以外の特徴はあまりないが、楽しげな雰囲気は魅力だ。

サニトラの実質後継車のNP200はダチアロガンをベースにピックアップに仕立てている。全長4499×全幅1735×全高1554mmとコンパクト

まとめ

 このように各社海外向けにはハイラックス相手でも見劣りしないピックアップトラックを揃えているだけに、全体的な需要を考えれば難しいのも分かるにせよ日本にも1台くらいハイラックスのライバルとなるモデルが正規販売で欲しいところだ。

2020年7月にマイナーチェンジをする予定のハイラックスだが、コロナ禍により遅れる可能性もあるという。導入当初は不安視されたが独自のジャンルを構築

【画像ギャラリー】ハイラックス&ダットサン 日本で販売されたピックアップトラックの2大ブランドをフラッシュバック!!

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みんなのコメント

32件
  • 4ナンバーサイズで車両価格も200万円以下だった時代は人気もあったのだが、5mオーバーで400万円近い価格では
    全く欲しいとは思わない。駐車場は選ぶし小回りは効かない。
    ランクルのピックアップも再販されたが全く街では見かけなくなった。
  • アメリカのピックアップトラックは
    税金、保険代が安いからねー
    日本とは事情が違う
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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